ゴルフコース・練習場
Nick Jagger
マスターズの歴史とオーガスタ・ナショナル
まもなくマスターズが開幕しますね。
ご存知の通り、4大メジャートーナメントのひとつであるマスターズは、アメリカ・ジョージア州のオーガスタ・ナショナル・ゴルフクラブで、毎年アゼリア(ツツジ)の花が咲き乱れる4月の上旬に開催されます。
その歴史とコースについてお話ししましょう。
出場選手は選ばれしトップゴルファーのみ
出場選手には世界各地のツアーからランキング上位者や歴代マスターズ優勝者のほか、全米アマのファイナリスト、全英アマ、全米アマパブリック・リンクス、全米ミッドアマ、アジアアマの優勝者など、アマチュア選手も招待されます。
毎年、同じコースで行われる唯一のメジャートーナメントで、シーズンを告げる大会として独特な雰囲気があることからも、人気が高く、観戦用のチケット入手観戦も困難で、一説には百年待ちなどという噂もあるくらいです。
歴史の始まり
マスターズは球聖ボビー・ジョーンズによって企画され、始まったトーナメントとしてよく知られていますが、1934年の第1回大会から5年間は「オーガスタ・ナショナル・インビテーション」という大会名でした。
現在のマスターズの名称に変更されたのは1939年の第6回大会からのことです。
この大会をジョーンズと一緒に企画したクリフォード・ロバーツが、世界中の名手たち(Мasters)だけが出場できるトーナメントという意味で「ザ・マスターズ・トーナメント」と提案したものの、当初ジョーンズはちょっとおこがましいんじゃないかと言って賛成しなかったそうです。
ジョーンズの奥ゆかしさを感じる歴史の始まりですが、その後はその名「ザ・マスターズ」に相応しいトーナメントに成長しました。
オーガスタの全長を伸ばしたのはタイガー
ボビー・ジョーンズが故郷オーガスタの果樹園をゴルフコースにしたのが、オーガスタ・ナショナルです。
過去に何度かコースの距離を延長し、2006年に現在の7445ヤードのコースになりました。
1997年の大会で、タイガー・ウッズが2位に12打差の18アンダーという記録で勝った年は全長6925ヤード、2000年には6985ヤード、2001年から2005の間は7270~7290ヤードという距離設定でした。
コースはバミューダ芝とフェアウェイとラフにベント芝のグリーンという組み合わせです。
ラフは他のメジャートーナメントと異なり短いですが、元々バミューダ芝のグリーンをほぼそのままのアンジュレーションでベントの超高速グリーンにしたわけですから、世界の名手といえどパットは簡単ではありません。
毎年それをいかに攻略するのかがポイントになります。
ピンに対してどこにボールを乗せるか、そのためにはフェアウェイのどこにボールを落とすかという発想でプレーする必要があると言われています。
2メートルの距離でも乗せた場所が悪ければ3パットも珍しい光景ではありません。
それが、オーガスタのグリーンには「魔女」が棲(す)むと言われる由縁(ゆえん)です。
出場選手とカットライン
毎年、90人前後の選手が招待され、18ホール(パー72)を4日間72ホールのストロークプレーで行われ、プレーオフはサドンデス方式です。
予選カットラインはトップの選手から10打差、もしくは44位タイまでというルールでしたが、2013年に50位タイまでに変更されました。
さて、過去4回優勝を果たしているタイガーが3年ぶりに出場します。
ファンの期待も大きく、優勝オッズも現在1位だそうです。
タイガー中心のゲーム展開にならないかと思っているのは、私だけではないでしょう。