Gride

gettyimages/453494553
getty

ゴルフクラブ

モハメドアリモト

【“やさしいクラブ”とは、誰にでも当てはまるものではありません!】☆失敗しない、クラブ選びのヒント教えます。

最近よくお客様から、『やさしいクラブって球がつかまりやすく、曲がらないんでしょ?』というようなご質問をお受けします。

メーカーカタログや雑誌で『やさしく飛ばす!』『つかまって飛ぶ』なんてキャッチコピーを見かけますが、コレは果たして本当に、球が曲がらず飛ぶ、やさしいクラブなのでしょうか?

この宣伝だけを信じて購入したが、『イマイチな感じ』なんてことも同じようによく聞く話です。

だからこそ、『カスタマイズフィッティング(個別調整)』が重要なのですが、このクラブでいう『やさしさ』とはどのようなことを謳っているのでしょうか?

今回は、そのわかっているようで余り理解されていない内容についてご説明していきたいと思いますので、ご興味のある方は、最後までお付き合いいただきますようよろしくお願いします。

始まり始まり・・・。

その①、ヘッドスペック(数値)からやさしさの度合いを読み取ると・・・

普段皆さんが目にするカタログには、クラブのスペックを数値化したデータがたくさん公開されております。

このデータは、クラブがどのような特性を持つものなのか? を表わしており、この数値を読み解くことで、打つ人にとって『やさしいか?(合っている・マッチしている)』の判断ができる訳です。

その度合いを判断する数値(データ)として僕が観ているのは、ウッドの場合

①ロフト角
②重心角
③重心距離

の3点に注目しています。

①ロフト:数値が少ないほど、弾道は低くなりつかまりも悪くなる傾向です

②重心角:どれくらいヘッドが自然に返る(ターンする)かを示す数値

③重心距離:これもヘッドの返り具合を示す数値。数値が大きくなるほど返りづらくなりますが、挙動の安定性はよくなります

この3要素を見比べ、このクラブは使用する人にとって扱いやすいかどうか? の判断を付けます。

特に、②と③は打つ人の技量やスイングスタイルに一番影響が出ますので要チェック。

目安として、ロフト多め(リアルロフト11度以上)、重心角多め(23度以上)・重心距離長め(40ミリ以上)のクラブは、『やさしい』といわれているクラブに該当します。

その②、本題!なぜ“やさしいクラブ”は誰にでも合う訳ではないのか?

getty

それでは、本題である“やさしいクラブ”が誰にでも合う訳ではない!”という説明ですが、上記でお話した通りクラブ特性のやさしさは

①重心角が適度についている
②重心距離が長い

ということが大きなポイントになります。

しかし、上級者になるにつれ、このやさしさがネックになる場合もあるということです。

①の重心角が大きいということは、インパクトでヘッドがターンしやすく、既に球をつかまえる技術を持っている上級者に取ってはかえって扱いづらいということになります(引っ掛けの危険性あり)。

また、重心距離の長さは、挙動は安定し飛距離性能は上がるが、インパクトでのヘッドの返りが遅く、こちらも操作性に欠ける・・・という結果が想像されます。

これが、打つ人の技量やスイングタイプによっては、逆に『扱いづらいクラブ』という結果になる理由です。

コースで、シッカリとスイングしてしまうと引っ掛かったりインパクトでヘッドが返り切らずプッシュ気味のスライス・・・なんていう場面は大概このミスマッチのせいです。

本来“やさしいクラブ”とは、打つ人のスイングタイプに合わせて調整・フィッティングされたクラブであるということですね!

その③、クラブ特性をタイプ別に分類してみましょう!

getty

では、重心角や重心距離の組み合わせでどのような性格のクラブに分類できるのか、ご説明します。

①重心角が大きく、重心距離が長い:その①でご説明しましたが、これが一番やさしいとされるヘッドタイプです。

このタイプは、挙動の安定性とオートマチックにヘッドターンもしやすいので初心者や球筋が安定しない方には向いております。

②重心角が小さく、重心距離が短い:このタイプは、操作性はいいが、ヘッドの返り過ぎを嫌う上級者に向いています。

③重心角が小さく、重心距離が長い:このタイプは絶対に引っ掛けたくないフッカーに向いております。

④重心角が大きく、重心距離が短い:スライスのミスを嫌うスライサー向けです。

以上がクラブ特性とスイングスタイルとの関係性になりますが、これにプラスしてシャフト特性を加味してフィッテイングしていきます。

例えば、シャフトはシッカリ目で振りたい、しかし球をつかまえる要素も加味したい! となると、

重心角が大きいモノや重心距離の短いモノを組み合わせてあげるといった具合です。

ということは、ここで組み合わせてできたクラブが打つ人にとっての本当にやさしいクラブということになりますね!

その④、今回のまとめ

getty

今回は、少しややこしくてお伝えすることが難しい内容でしたが、本当の意味での『やさしく、扱いやすい』クラブの見つけ方について詳しく掘り下げてみました。

確かに、メーカーが意図して初心者やアベレージ向けに設計したクラブはやさしく・ミスに強く・飛ぶ! といえます。

しかし、そのやさしい要素が、スイングが確立された上級者や持ち球(スライス・フック)がハッキリした方にとっては邪魔な要素となる場合もあるのです。

『飛距離重視系のやさしいクラブって、球のつかまりもよく楽に打てるけど、思ったより右に飛んだり、つかまり過ぎる・・・』

なんてこともよく聞くお悩みです。

打つスタイルに応じて、やさしさの基準も変わるということですね。

今回の内容を参考にしていただいて、ストレスなく振り抜けるようなクラブ選びをしていただければと思います!

では、今回も最後まで読んでいただきまして誠にありがとうございました。

次回も御期待下さいませ。

〜最高の1打とその次のステップのために〜    

また次回まで。。。

押忍