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魅惑の強烈バックスピンを体感せよ!ルール非適合の角溝加工とは?

今店頭に並ぶウェッジでよく見かける

「激スピン!」

「強いバックスピン!」

と謳われている商品のほとんどが、ルールの範囲内でメーカーの技術を結集してスピンにこだわって作られたクラブです。

それでも強烈なバックスピンをかけるには、価格の高いスピン系ボールを選ぶ必要があったりする場合もありますよね。

けれど競技に出ない人で、ルール適合品にこだわらない人の場合はもっと簡単にスピンの効いたボールを打てるようになります。

それが「角溝加工」と呼ばれるもの。これって一体どんなものなんでしょう。

ルール非適合なので競技には使えない

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ウェッジの溝ですが、ルール適合品の断面を見てみると角が丸くなっているんです。そして溝そのものの容積が小さめ。

なので「角溝加工」で角を立たせてやって、ボールへの引っかかりを増やしてあげる加工をすると、当然ながらバックスピン量が増えることになります。

さらに溝の容積を大きくすることで、間に芝や異物が噛んでボールへ回転を加える力が弱くならないようにしています。

なのでどんな状況でも、どんな人でも“強烈にバックスピンをかけることができる”というのが角溝加工なんです。

ですがもちろんルール非適合なので競技には使えなくなってしまうんです。

ルール適合範囲内のスピン加工も可能

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ウェッジの角溝加工ですが、少しでも加工をすればルール非適当になってしまうのか、と言われるとそうではありません。

ルール適合範囲内のギリギリまで溝を彫りなおす加工も可能です。

新品のウェッジはルール上限近くの溝になっているはずなんですが、使い込めば使い込むほど溝は消耗してしまいます。

ショットの際、ボールとの間に砂を噛んでしまったりするのでフェース面の摩耗は当然ですよね。

ミーリング加工でスピン性能アップ

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ウェッジの溝とは少し違ったポイントですが、最近のウェッジでは溝ではなくフェース面にも秘密があります。

ウェッジの溝は角を鋭く、溝を大きくすればそれだけスピン量が上がります。しかしルールが存在している以上、ルールの範囲内では強烈にバックスピンをかけるほどの溝加工は「ルール非適合」のウェッジになってしまいます。

そこでウェッジの溝だけではなく、フェースへのミーリング加工で少しでもボールの表面にくいつくような加工がされていますね。

2010年の新溝ルールにより、多くのメーカーがこのミーリング加工を施しています。

2024年の新溝ルールとは?

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2010年から角溝(ロフト25度以上のクラブ)が使用できなくなっており、プロの試合で適用されています。また2014年からはトップアマの競技でも段階的に採用されています。

そのため2010年以降に製造されたウェッジにはこの角溝加工がされた適合クラブは販売されていません。そのため新しいウェッジに角溝加工をすれば、かなりのスピン性能を手に入れることができるようになるわけですね。

ただアマチュアにも角溝加工が使えなくなってしまう時期があります。それが2024年。

今後競技への参加を予定している人は、ウェッジの角溝加工には注意しましょう。

ウェッジの2024年新溝ルールを解説

ここでアマチュアゴルファーにも適用される2024年の新溝ルールについて詳しくみていきたいと思います。

ちなみに2010年からプロではすでに適用されているルールです。それに合わせて2010年以降に発売されたルール適合のウェッジについては全て、この新溝ルールの要件を満たしているものです。

ロフト角25度以上のクラブ(ドライバーとパターを除く)の溝の容量が制限される点と、溝の縁の鋭さを制限される点がポイントになります。

アイアンやウェッジでロフト角が25度以上のクラブに適用されるというのがポイントで、4番アイアンや飛び系アイアンでは5番アイアンならば新溝規制を受けない可能性があるんです。

まず溝の大きさについてですが溝の断面積を溝の幅と隣合う溝までの幅を足した数字を割っていきます。このとき0.0030平方インチ/インチ(0.0762平方ミリメートル/ミリメートル)以下でなければならないとされています。

続いて溝の縁は角ばっていてはいけません。溝の縁は0.010インチ(0.254ミリメートル)以上から0.020インチ(0.508ミリメートル)以下の半径の円形状でなければならないとされています。ちなみにこのとき0.001インチ(0.0254ミリメートル)以内であれば誤差が認められるということになっています。

非常に細かい数字で自分で測定するのは難しいのですが、要するに溝の深さや広さが過度に大きくてはいけません。また溝の縁が角が立っていてもいけません。

溝の大きさと角の立ち方に規制がかかっているんですね。

手持ちのウェッジを加工に出せば簡単に激スピンに早変わり

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角溝加工をする方法は、手持ちのウェッジを加工業者に出すだけです。

競技に出ていないゴルファーで「もっとスピンをかけたい!」と願うゴルファーにとってはこれほど簡単に、確実な効果を得られるものはないですよね。

しかもスピン系ボールでなければ強いバックスピンは得られないのが一般論。

ですが角溝加工をするだけで、ディスタンス系のボールだって強烈なバックスピンをかけることが可能になってしまうんです。

しかも値段も意外とリーズナブル。多くのところでこの角溝加工ができますので、一度検索してみてはいかがでしょうか。

角溝加工のポイントは溝幅と溝深さ

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角溝加工をする上でスピン量を決めるのが

・溝幅

・溝の深さ

・溝の角

この3点です。

これらを指定できるところもあるので、知っておいて損はありませんよね。

幅は広ければ広いほど、溝は深ければ深いほど、ルール適合品では考えられないようなスピン量を生んでくれます。

また距離を調整するために、軽く振り抜かねばならない場面もあるでしょう。

こんなときでもしっかりスピンをかけてボールを止められます。

プライベートなゴルフでは、角溝加工のウェッジで強烈なバックスピンをかけて見る人を魅了することができるかもしれません。

角溝加工だって“楽しむゴルフ”ならアリ

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ルール非適合ということで、ちょっとスッキリしない人もいるかもしれません。

けれども試合ではありませんし、プライベートで楽しむゴルフ、ならばこういう角溝加工もアリではないでしょうか。

何よりもプロのようなスピンの効いたショットが打てる、というのは一度くらいは体験してみたい人も多いんですよね。

まぁただこの非適合のウェッジを使って

「ベストスコアが○打縮んだ!」
「オープンコンペでピンをデッドに狙えて賞品ウハウハ!」

などの姑息な手段はいかがなものかとは思いますが・・・。

誰だって簡単にバックスピンがかけられる、そんな夢のような加工もあるんですね。

ルール非適合とはいえ、興味がある方はぜひ各社・工房などのホームページを確認してみてください。

自作の溝加工で激スピン!?

ウェッジの溝加工を自作するためのツールも販売されています。

もちろん自作なので細かな溝深さや角など厳密にぴったり合わせることはできませんが、多少ウェッジの溝が甘くなってきた程度ならば、この自作の溝加工で新品の溝を再生させることもできます。

先のとがったヤスリのようなもので、ウェッジの溝を上からこすってあげるだけです。V字、U字など様々な溝形状に対応したものも。

自宅で溝をちょっとだけ加工するならば、このようなツールを使ってみてもいいですね。お値段もリーズナブルなので挑戦してみる価値はあるかもしれません。

溝が逆に出っ張ってる!? 脅威のバックスピンが打てる逆溝ウェッジって?

ここまで紹介したものは、溝を掘って角を付けスピンを増やしていましたが、衝撃的なバックスピンを実現してくれる「逆溝ウェッジ」というウェッジも販売されています。

もちろんこちらはルール非適合ですが、フェース面を見れば一目瞭然。本来溝が掘ってあるはずのフェースが出っ張っているんですよね。

ボールを打った瞬間にフェースががっちりボールを捉えて強烈なバックスピンをかけてくれるんです。もっともお手軽にバックスピンを手に入れるならこの逆溝ウェッジかもしれません。

この逆溝ウェッジの欠点は、ルール非適合なので競技などには出場できないところと、ボールのカバーがすぐにボロボロになってしまう点です。

ウェッジの溝ってどれくらいでスピンが効かなくなる?

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ウェッジはバンカーやショートゲームで大活躍してくれるクラブですよね。地面にあるボールを打つクラブで、練習でもラウンドで使う機会が多いクラブです。

ボールとフェースの間に砂などを噛んでしまうため少しずつフェースの溝部分が削れてきてしまいます。

そのためウェッジの溝にも賞味期限のように、溝が効果を発揮してくれる期間というものがあります。当然練習やラウンドへ行く回数によって変動してきますが、年間20ラウンド程度ゴルフへ行く方であれば、1年での交換や溝の彫り直しをおすすめしたいと思います。

ただ注意したいのが、ソールの形状やバランスなどウェッジは微妙な距離やスピン、ボールの高さをコントロールしていくクラブです。そのためウェッジを変えるというのはアマチュアゴルファーにとっても一大決心をしなければなりません。

ウェッジを変えたら距離感やスピンの感覚が合わなくなってしまった、という話も耳にします。スコアに直結する部分なだけに、スピン性能を維持したいがためにスコアを落としてしまっていては本末転倒です。

新品に交換するのであればウェッジの感覚を変えないためにも、同じモデルを複数本持っておくことをおすすめしたいと思います。

ウェッジの新溝と角溝のスピン性能はどれくらい違う?

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2010年以降に発売された新溝規格のウェッジと、角溝ウェッジのスピン性能はどれくらい違うのでしょうか。

これが分かれば新溝を角溝に加工したらどれくらい変わるのか、という目安にもなりますからね。

2010年の新溝ルールに適合したウェッジで比較してみましょう。

フェアウェイからはルール適合内で溝を彫りなおした場合には5%程度のスピン量アップ。ルール非適合になる角溝加工をすると7~8%程度スピン量がアップしています。

そして特筆すべきはラフからのスピン量。2010年の新溝ルール適合ウェッジを基準にして、ルール適合内で溝を彫りなおした場合、およそ10%もスピン量がアップし、角溝加工をすれば20%に迫るスピン量の上昇がみられます。

キャリーなさほど変化はありませんが、スピン量がこれだけ変わればグリーンでの攻め方もかなり変わってくるのではないでしょうか。

角溝加工についてはラフなどの悪条件下で真価を発揮する加工なんですね。もちろん購入時のまま使用しているよりも、ルール適合内にしろ、角溝加工にしろ、スピン量が大きくアップします。

スピン量がもっと欲しいというアマチュアゴルファーの方は、溝の加工でアプローチの精度が大きく変わってくるかもしれませんね。

2020年8月現在!最新おすすめウェッジ

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2010年以降に発売されているウェッジについては、角溝加工がされていません。そのため「古いウェッジの方がよくスピンがかかってたなぁ……」と感じている方はもしかしたらその直感は正しいのかもしれませんね。

ただ今後使用できなくなることを考えれば、角溝のウェッジを使い続けるよりは、新しいウェッジでゴルフを楽しんだ方が、煩わしいルールに振り回されないので精神的にも楽かもしれませんね。

それでは2020年の8月現在の最新おすすめウェッジを見てみたいと思います。

タイトリスト ボーケイフォージドウェッジ

ウェッジに求められる性能と言えばやはりやさしさです。ウェッジの王道とも言えるボーケイのフォージドウェッジ。

スタンダードな形状とグースの効いたウェッジの顔は、アドレスでゴルファーに安心感を与えてくれるウェッジと言えるでしょう。

48度から60度まで2度刻みでのラインナップも嬉しいポイントです。現在発売されている多くのアイアンセットのロフトに幅が出てきているため、ピッチングウェッジのロフト角からのつながりを意識して、ウェッジセッティングの幅を広げてくれますね。

ピン グライド3.0ウェッジ

4種類のソールが選べるピンのグライド3.0ウェッジ。

溝を従来のモデルよりもリーディングエッジ側に1本追加して、よりウェッジに必要なスピンコントロールを実現可能にしているモデルが、グライド3.0ウェッジです。

バンス形状によって、ハイバンスモデル、ローバンスモデルが揃っているので、スイングのクセやミスの傾向などによってウェッジの種類が選べるのが嬉しいポイントです。

それぞれのソール形状に特徴があって、得意なシチュエーションに特化させるのか、バランスの良いウェッジにするのか選んでみましょう。

ミズノ T-20ウェッジ

フェース面をよく見るとスコアラインだけでなく、縦にクロスして入っているミーリングが特徴的なミズノのT-20ウェッジ。

細かなミーリングが、インパクトの瞬間に噛んでしまった芝や雨などの水をはっ水してくれて、悪条件化でもスピン量をしっかりとキープしてくれるのがメリットです。

また46度から60度まで1度刻みでのバリエーションがあるため、ウェッジをより繊細にセッティングしていくことができます。

キャスコ ドルフィンウェッジ DW-118

ソール形状が独特なキャスコのドルフィンウェッジDW-118。

このソール形状はゴルフスイングにおけるインパクトの瞬間を3つのパートに分けて考えたところから作られています。

バンカーで砂に潜らないよう設計されたヒールフィンや、バンス角をつけながらリーディングウェッジの浮きを抑えることに成功したヤマガタソール。そして抜けをよくするためにトゥ側のヒールを大きく削り落としています。

全てはショートゲームをシンプルにすべく計算されたソール形状です。

溝加工でワンランク上のアプローチを

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新溝ルールにしろ、角溝にしろ、購入時のままウェッジを使うよりは溝の加工をしてあげた方がウェッジのアプローチのスピン量が増える結果となりましたね。

プロに加工をお願いするのも1つの手ですし、自分でシャープナーで溝を彫りなおすのもまた一興。

ウェッジはスコアに直結する大切なギアの1つです。ぜひウェッジのメンテナンスをしてみてはいかがでしょうか。