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ロマン派ゴルフ作家の篠原

新・貧打爆裂レポート『TOUR B 202CBP アイアン』

今回の貧打爆裂レポートは、2020年9月18日に発売されたブリヂストンスポーツ『TOUR B 202CBP アイアン』です。

いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。ブリヂストンスポーツの新しいアイアンの秘密に迫ります! 動画も含めての試打レポートです。

本格的見えるのにやさしい『TOUR B 202CBP アイアン』!

『TOUR B 202CBP アイアン』は、ブリヂストンスポーツが2020年9月18日に発売したアイアンです。

ブリヂストンスポーツの説明では、形状と性能のバランスを追求した高機能ポケットキャビティアイアン、というのが『TOUR B 202CBP アイアン』になるそうです。

【試打クラブスペック】
ヘッド S20C軟鉄
フェース SAE8655クロモリブデン鋼(#4~#7)、S20C軟鉄(#8~PW)
ロフト #4/21、#5/23.5、#6/26.5、#7/30、#8/34.5、#9/39、PW/44
シャフト N.S.PRO MODUS3 TOUR105(S)
価格(税別) 6本セット(#5~#9、PW)10万8000円、1本(#4)1万8000円


『TOUR B 202CBP アイアン』は、新しくなった『TOUR B』シリーズの3種類のアイアンの、3番手に位置するポケットキャビティアイアンです。

深いキャビティ構造のアイアンですが、実際は、パーツを別に作って、重ね合わせた中空に近い構造になっています。

テクノロジーとしては、第1に「パワースタビライザー」というバックフェースのトウ側に斜めに入ったバーです。トウ側の剛性を高めることで、余分な振動を抑えて、打感を向上させる効果があります。

番手ごとに最適な位置に配置することで、操作性と許容性を高めています。

第2に、「360°スリットポケットキャビティ」です。フェースの全面、360度をはめ込んで、圧着することで、スイートエリアを広げて、飛距離性能と許容性を向上させる効果があります。

第3に、「ツイングルーブ」という、フェース裏のソール側からヒールにL字状に彫られた2本の溝です。

この溝があることで、インパクト時のフェースの最大のたわみ点と打撃位置をマッチさせて、反発性能が向上し、飛距離性能が増すのです。

『TOUR B 202CBP アイアン』は、構えたときに違和感を持たれないように、細かいところまで気を遣って、丁寧に作られています。

パッと見ただけでは、やさしいアイアンには見えません。そこが『TOUR B 202CBP アイアン』の魅力であり、狙いなのだと思います。

『TOUR B 202CBP アイアン』は未来のゴルファーのために!

動画を見てください。

『TOUR B 202CBP アイアン』をコースで打ってみました。

アドレスした感じは、『TOUR B 202CBP アイアン』は本格的に、いろいろと「ほど良い」感じがするのです。オフセットの感じなどは、まさに通好みです。

バックフェースは、地味目の外国ブランドのアイアンのように見えます。

打ってみると、打音の音量は小さめで、湿った低い金属音質です。

打ち応えは、不思議な感じです。本格的な見た目から、アイアンの手応えを求めているのに、打ち応えはユーティリティのようなホンワカ感があるからです。

『TOUR B 202CBP アイアン』の飛距離は、クラシカルなロフトのアイアンと比較すれば、ちょうど1番手飛びます。

弾道はきれいです。

感心するのは、フェースのどこに当たっても同じ場所に向かって飛ぼうとすることです。

中高弾道で飛んでいったボールは、グリーン上で落下地点に止まるのはウェッジに近い番手だけで、1ピン、2ピンぐらいは前に転がります。

『TOUR B 202CBP アイアン』は、ドライバーが得意でアイアンが苦手だという最近激増しているゴルファーにオススメします。

通常のアイアンの使い勝手とかなり違うからです。

感性を無視して、マシーンのようなゴルフをしたいゴルファーにも『TOUR B 202CBP アイアン』をオススメします。

オールドゴルファーが喜ぶような視覚的な工夫が詰まっていますが、中身は新し過ぎて、今までの常識が通じない部分もあるように感じました。

『TOUR B 202CBP アイアン』は、今までのアイアンに不満があるゴルファーに新しい提案をしてくれるクラブです。

ラウンドしていて、最後まで不思議な気分になりました。細かいところで感性と結びつかないことが原因で、不満が募りましたが、結果としては、かなり良いスコアでプレーしていたからです。

『TOUR B 202CBP アイアン』のようなアイアンがあっても良いのだと、考えれば、新しいやさしさだと思えて愛おしくなったのでした。