ゴルフクラブ
ロマン派ゴルフ作家の篠原
新・貧打爆裂レポート『スリクソン Z-FORGRD アイアン』
今回の貧打爆裂レポートは、2019年3月16日にダンロップスポーツから発売された『スリクソン Z-FORGED アイアン』です。
いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。スリクソンのマッスルバックアイアンは貧打の僕でも使えるのか? 動画も含めてレポートします。
曲線が美しい『Z-FORGED アイアン』は最新のマッスルバックアイアンだ!
『スリクソン Z-FORGED アイアン』は、『スリクソン』ブランドの最上位機種のアイアンです。
この時代にマッスルバックアイアンなんて、絶滅寸前で興味がないと、無視するのは早計です。
米ツアーでは、マスターズで復活優勝したタイガー・ウッズを筆頭に、リオ・オリンピックの金メダリストのジャスティン・ローズなど、シード選手の2割弱のトッププロがマッスルバックのアイアンを使用しているのです。
もう一つ注目すべき点があります。
『スリクソン Z-FORGED アイアン』は、マッスルバックでありながら最先端を詰め込んだアイアンだということです。
バックフェースの曲線が美しいマッスルバックアイアンであることは一目瞭然ですが、それを機能として強調するのには無理があります。
フェースサイドには、通なゴルファーを満足させるイケメンな工夫に溢れています。
狙いにピッタリと構えやすく、どこにも捻れや、歪みを感じさせないのです。
その工夫に隠れてわかりにくくなっていますが、フェースがこの手のマッスルバックとしては少し長めです。
これが、最新のマッスルバックアイアンとして重要ポイントです。詳細は後程説明します。
ハッキリとわかるのは、ソールです。
「TOUR V.T.SOLE」というV字型のソールなのです。フェースが長いとアイアンは抜けが悪くなるのですが、その弱点を完璧に消して、気分爽快な抜け具合を体感することができます。
最後に、フェースのスコアラインが番手別の彫刻溝になっているのです。特にショートアイアンでは、溝を深くして、溝の間隔を狭めて本数を増やしました。
マッスルバックのアイアンの魅力の一つは、スピンコントロールがしやすいことですから、このテクノロジーは頼りになりそうです。
5番~ピッチングウェッジ(PW)までのセットをお借りしました。シャフトは「N.S.PRO MODUS3 TOUR 120」のSフレックスです。
美しいことは知っていましたが、触れるとサラッとした手触りで高級感があります。
構えてみると、それだけで十分に『スリクソン Z-FORGED アイアン』はマッスルバックアイアンとして合格だとうれしくなりました。
マッスルなのに飛ぶなんて狡いと思わせる『Z-FORGED アイアン』
動画を見てください。
コースで3ラウンドも使ってしまいました。一言で書くと、予想の10倍ぐらい良かったです。
7番アイアンのロフトは33度で、昔のスタンダードなアイアンとほぼ同じです。
それなのに、飛ぶのです。僕が使っているアイアンもマッスルバックでロフトはほぼ同じですが、7番アイアンでキャリーが5ヤードぐらい『スリクソン Z-FORGED アイアン』のほうが飛びます。
ボールの高さは楽に出ます。マッスルバックらしい弾道で、まくれるほど(伸び上がって、失速すること)ではありませんが、スーッと伸びのある弾道です。
打音も良いです。高音で、残音がないクリアな音です。打ち応えもカチッとしていて、好感触です。
『スリクソン Z-FORGED アイアン』には特筆すべきことが2点あります。
1点は、左に行きづらいのです。これはフェースの長さが影響しているのと、フェースの形状が理由だと思われます。いわゆる「逃がし」が効いているのです。
これは快感でした。マッスルバックアイアンは、フルスイングしても引っかからないことが実は大切なのです。
市場には、この部分が甘いアイアンがけっこうあります。上手く逃がせるアイアンは、概して、飛距離性能が大人しいものですが、『スリクソン Z-FORGED アイアン』の飛距離性能はロフト以上でトップクラスです。
もう1点が、スピン性能です。
ミドルアイアンは普通ですが、ショートアイアンは強烈にスピンがかかります。
高低の打ち分けも敏感にできますから、上手く融合させれば、低めの弾道打ち出して、グリーンでスピンで戻り過ぎないようにするという楽しさを堪能できます。
アイアンに飛距離を求めないが、振り切ってボールを打ちたいゴルファーには本当にオススメです。
また、パワーヒッターで、アイアンでボールコントロールをしたいゴルファーにも『スリクソン Z-FORGED アイアン』はオススメです。
『スリクソン Z-FORGED アイアン』は、見た目はかなり難しそうに見えますが、マッスルバックアイアンとしての性能の良さで、かなりやさしく打てるアイアンです。
誰が言ったか「男は黙って、マッスルバック」。
何よりも、ゴルフにロマンを求めてしまうゴルファーに使ってほしいアイアンです。