ゴルフクラブ
Nick Jagger
なんと、サンドウェッジの歴史的名器を500円でゲット!
何気なく立ち寄ったリサイクルショップの片隅に1本のサンドウェッジ(写真・上)がありました。
シャフトには「¥500」というシールが貼られていました。
「うそ~…」、私は心の中でそう思いながら、財布の中から500円玉を即座に出しました。
私はクラブコレクターでもクラブオタクでもありません。
しかし、この伝説の名器がポツンと寂し気な表情を浮かべているような気がしたのです。
青木功、ジャンボ尾崎、倉本昌弘も使っていた「リンクス・マスターモデル」
ベテランゴルファーであれば、リンクスの「マスターモデル」というサンドウェッジ(SW)をご存知の方も多いことでしょう。
マスターモデルは1971年に発売され、すでに50年近くが経過しています。
元々はアイアンセットとして発売されましたが、そのSWだけがクローズアップされました。
というのも、当時の日本ツアーの主役である青木功、ジャンボ尾崎、倉本昌弘らが使用し、上級者たちに絶大な人気があったのです。
「SWはマスターモデルでないと…」と、当時はこだわるゴルファーも多かったのですが、クリーブランドのTA588やタイトリストのボーケイシリーズといった現代の名器の登場もあり、現在はリサイクルショップの片隅に寂しく置かれているのです。
青木のオリエンタルマジックを支えたSW
マスターモデルの人気は特に日本でのものでした。
アメリカPGAツアーでも使用率は高かったのですが、70年代から80年代にかけては、ウイルソンのダイナパワーウェッジが全盛だったのです。
日本での異常なほどの人気の背景には、日本の芝質や硬い砂のバンカーに、マスターモデルのグースネックやバウンスの形状にあったからと言われていますが、なんといっても、何度もサンドセーブ率第1位になるほどのバンカーショット名手で、「オリエンタルマジック」と称された青木功の活躍が大きかったのでしょう。
全米オープンでのニクラウスとの4日間に渡る死闘、ハワイアンオープンでの日本人初のPGAツアー優勝、これらの華々しいこれらの活躍の傍らにはマスターモデルがあったのです。
これが日本のアマチュアゴルファーにも絶大な人気を集めた最大の理由でしょう。
復刻版のマスターモデルもあるのです
現在復刻版としてリンクスゴルフから「オールドマスター」なるモデルも発売されています。
現在でも色あせないマスターモデルの独特の形状を残し、ネックはやや短くなり、全体的にすっきりした形状になり、イマ風のウェッジのエッセンスも同時に感じさせます。
アプローチウェッジのラインアップも現代のゴルファーにはうれしいところです。
旧モデルを中古で探すのもよし(ネットで検索したところ、3000円くらいからありますよ)、最新モデルを手にするもよし、サンドウェッジ選びの参考にしてみてください。
えっ、私の500円で買ったサンドウェッジはですって?
新しいグリップと交換工賃が1500円かかりました。
引き出したお金より手数料のほうが高かった気分です。