Gride

gettyimages/940548196
getty

ゴルフスイング

Nick Jagger

プロのように低く飛び出してキュキュッと止まるアプローチはどう打つの?

トーナメント中継を観ていると、こんなシーンをよく見かけます。

カップまで約30ヤード、アドレスに入ったプロがサンドウェッジを振り下ろすと、ボールはギャラリーや視聴者がイメージしていたスピードより速く、しかも低く飛び出していく……。

「あっ、これ大きいよ」、あるいは「もしかして、トップ?」と思った瞬間、ボールはカップの手前5~6ヤードの場所に落下、そして2バウンド目あたりでキュキュッと急ブレーキがかかり、ピンそばOKに寄って、「さすが、プロのテクニックはすごい」と、感心しちゃいますよね。

サンドウェッジのフェースは開かない

getty

なぜ、プロが放つアプローチショットは、あんなにバックスピンがかかるのでしょうか?

それは、ボールにスピンがかかる仕組みを知っているからなのです。

アマチュアゴルファーの中には、スピンをかけるというと、サンドウェッジのクラブフェースを開いて、カット打ちをする人が少なくありません。

確かに、その打ち方でもスピンはかかりますが、プロのような低い弾道にはなりません。

クラブフェースを開けば、ロフトが大きくなりますから、ボールが上がってしまうのが道理です。

この方法は、スピンではなく、むしろボールの高さで止める打ち方です。

意識としては低いフックボールを打つイメージ

getty

しかし、アプローチショットはボールを上げては距離感が出にくいのです。

ボールを低く出して、尚かつスピンをかけるには、まずクラブフェースは開きません。

その上でスピンをかけるには、入射角をシャロー(緩やかに)にすることです。

そして、グリップの位置を低く保つことで、ボールをより長くフェースに乗せることがポイントになります。

意識としては、ダウンブローでボールをつかまえます。

つまり、低いフックボールを打つイメージです。

間違っても、すくい打ちや横から払う打ち方をしては、スピンはかかりません。

また、インパクトを緩めてもいけません。少しくらいオーバーさせる気持ちで、クラブヘッドを加速させます。

練習場の硬いマットから打つ

getty

この打ち方をマスターするためには、高等テクニックだけにかなりの練習量が必要ですが、残念ながら練習場のマットでは上手くいきません。

その理由は、クラブヘッドが滑るため、ミスをしても気付かないからです。

練習場でならば、むしろ足場に敷いている硬いマットの上にボールを置いて打ってみましょう。

少しでも手前からクラブヘッドが入れば跳ね返されてしまいますから、ボールだけをクリーンにとらえることができたかすぐにわかります。

とは言え、ベストなのは芝の上からの練習であることは言うまでもありません。

ゴルフ場にアプローチ練習場があれば、たっぷり練習をやっておきたいテクニックです。

また、無視できないのがボールのタイプです。

アマチュアの多くが使うディスタンス系のボールは、スピンをかけるには、はっきりいって不向きです。

プロがスピン系のボールを使用するのは、スコアメイクのために、飛距離よりも止まることのほうが重要だからです。