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ゴルフスイング

飛太郎

【起承転結記事、転の巻】その努力、効果的ですか?

こんにちは、飛太郎です。

一括してしまうと長くなるため4分割にしてお送りしております、起承転結記事の第三弾、今回は【転の巻】です。

飛距離アップを目指す方にはきっとお役に立つ内容だと思っておりますので、ご愛読くださっている数少ない皆様方には、もうしばしのお付き合いをお願いします。

不器用な僕でもぶっ飛ばせるようになった訳ですから、きっと皆様ならもっと良い効果が得られると確信してます。

さて今回の【転の巻】では、ドラコン競技者というよりも、どちらかと言えばトレーナーとしての観点からの本質的な内容になります。

さっそく参りましょう。

コツを呼び寄せるただ一つの方法は「努力」。なんですが・・・

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前回までの記事で僕は、センスのなさなんてものは、ほんの一匙(さじ)のコツをつかむ事で容易く払拭できてしまうと述べてきました。

そして、そのコツを呼び寄せるための手段はたった一つ、「努力」であるとも。

それは何もゴルフだけに限った話ではないでしょう。

仕事や勉強、歌を唄うにしても料理をするにしても、自転車に乗ることにだって。

すべてに必ずコツが存在します。

ゴルフの飛距離をアップさせることなど、その最たるものだと僕はハッキリ断言できます。

まだ人生半分しか生きてないような若輩者の僕が言うのもなんですが、そのコツをいかにしてつかむかという行為こそが「努力」なのだと思うのです。

そして、その「努力」の方向性を勘違いしてしまう人が非常に多いため、いわゆる「成長が速い人」と「そうでない人」の差が生じてしまう訳です。

僕の専門であるトレーニングを例に挙げて申し上げると、非常に分かりやすいので引用しますが、そこでももちろん同じような現象が起きます。

同じ年齢、同じ性別、同じ背格好のAさんとBさん、二人のクライアントさんがいたとします。

6か月間、同じ内容のトレーニングメニューをセットして、トレーニングを開始します。

6か月後、Aさんは明らかに引き締まり、数値上にも変化が見られたにも関わらず、Bさんにはそれほど変化がありません。

なぜでしょう?

その差が語る、「努力の質」の違い。

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たった6か月という条件下なので、表題のイラストは極端ですが(笑)。

しかし、ケースによってはその極端な差が生じてしまうのも、決して珍しくはありません。

同じ条件のトレーニングをしていて、なぜそこにAさんとBさんのような差が表れるのか?

それを多くの人が「センス・才能」で片付けてしまいがちなんです。Aさんには才能があったんだ、と。

ゴルフにおいてもそうです。

飛距離がどんどん伸びる、スコアが格段に良くなるなど、著しく成長していく人を横目に、「彼には才能がある」と寂しい事を言って片付けてしまう人、見かけたことはありませんか?

何度も申しますが、誰にだって「才能・センス」なんてものはあります。

グングン成長する人は、ただ努力というものの「本質」を理解しているだけなんです。

だから、コツをつかむのも速いんです。

もちろん、思うように成長できない人が努力をしていないと言う訳ではありません。

ただ両者の間に厳然たる「差」があるのは事実で、その差を生み出すのが「努力の質」の違いだと申し上げているんです。

それをこの【転の巻】の最後にお伝えし、締め括ります。

【インプット・アウトプット】そこに偏りはありませんか?

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先ほどのAさんとBさんの両者には、実は絶対的な違いがありました。

それは、Aさんは与えられたトレーニングメニューをただこなすだけではなく、正しいフォームや意識するべき筋肉部位、そして食事内容に至るまで、トレーナーの僕に詳しくアドバイスを求め、吸収しようとしていました。

つまり、インプットをご自身の納得がいくまで行った訳です。

対してBさんはと言うと、もちろん真面目に取り組んでくれてはいましたが、フォームの是正や食事や休息などのアドバイスをしても、心ここにあらずです。

どうやらトレーニングメニューをこなすのがただ楽しくなったのか、いつしか重量を挙げることだけに喜びを見出してしまいました。

つまりBさんはインプットを疎かにして、さらに間違ったアウトプットを積み重ねていった訳です。

結果Aさんの肉体は、酸素を多く含み柔軟性に富んだ状態で、故障なくメリハリの付いた成長を見せてくれました。

対してBさんは、正しくないフォームで続けたベンチプレスが起因して、乳酸によってやたら腕だけパンパンに膨れ上がり、さらには僕のメニューを無視して重量を上げていたため、三角筋と肘を痛めたとカミングアウトしてきました。

現在、Bさんに関しては0からやり直していただいています。

このまま看過してしまえば、1年ともたず最悪の事態、つまり大ケガを招くと判断したからです。

大切なのは、努力というたった一言の中にはインプットとアウトプットが存在し、そのどちらもが欠けてはならないものだということ。

そして、いずれかに偏ってしまうとそれらは成長を大きく阻害する性質を持つということ。

Aさんはトレーニングのコツをつかみ、Bさんは「ふりだしに戻る」となってしまった訳ですから。

ゴルフにおいてもまったく同じだと思います。

「4スタンス理論」や「Aスイング理論」など、数多くの理論やセオリーが存在しますね。

しかしそれをインプット、つまり理論を読み漁ることばかりして、ご自身のスイングに体現できていない人がたくさんいらっしゃいます。

インプットした瞬間から「自分はマスターした」と勘違いされるのかも知れませんが、アウトプットが不足して頭でっかちになっている訳です。

教え魔さんの中にゴルフの上手い人を見た事がないのも、それが関連しているのだと思えてなりません。

当然その一方で、目的意識も曖昧なまま練習場に通い、何百球もひたすら打ちまくるのは、努力とは程遠いのは言うまでもありません。

その行為は、インプットも前提に存在しないばかりか、アウトプットですらないからです。

何を以て「正しい努力」と呼ぶのか。

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ゴルフの神様でもない限り、何が「正しい努力」なのかを、100%語ることはできないかも知れません。

しかし、ゴルフには明確に「数値」が存在します。

スコア、飛距離、フェアウェイキープ率、パーオン率、ヘッドスピード、なんでもいいです。

それらが向上する=成長と見るならば、その成長目的に対してどのような切り口からアプローチするかが重要でしょう。

それらの目的に対して好ましいアンサーが見出せた時に初めて、「正しい努力だった」と言えるのではないでしょうか。

そしてまとめますが、その好ましいアンサーが見えてくる直前に、必ず「コツ」をつかむ瞬間があるということ。

禅問答のようになってしまいますが、努力とコツって、そういった相関関係にあると僕は経験上、痛感しています。

その経験則から、次回の記事以降にお送りする予定の新シリーズでは、「飛距離アップに関するコツ」をお伝えしていこうと考えております。

個人的な意見になりますが、センスなんてものを語るのは、まず「努力とコツ」の連鎖反応を何度も経験されてからでも遅くないと思っています。

たぶん・・・その経験をしてしまえば、センスなんて言葉はご自身の思考から消えると思います。

そしてその連鎖反応を効率的に発生させるには、インプットとアウトプットの両立こそがカギであると考えます。

知的好奇心、あるいは自己顕示欲に任せて知入、いわゆるインプットだけ行うことは、誰にでもできてしまう容易な事なんです。

せっかくの理論を机上の空論にしてしまう前に、キチンとアウトプットも行い、思考と肉体の両側面でバランス良く学習する事が絶対不可欠だと僕は思っています。

さて、これまでの「起承転」までを踏まえて、次回は【結の巻】にて、新シリーズの本旨につなげていきたいと考えております。

それではまた。 飛太郎でした。