ゴルフクラブ
Nick Jagger
打ち方勘違いしていませんか?ユーティリティクラブはアイアンのつもりで!
近年のクラブセッティングはプロ、アマを問わず、10年前とはずいぶん変わりました。
一般的にはウッドは1、3、5番に、3、4番アイアンといったロングアイアンを抜き、代わりにユーティリティクラブやショートウッドを入れ、アイアンは5番から、そしてウェッジ3本にパターという構成の人が多いのではないでしょうか?
ロングアイアンが姿を消した理由として、アイアンクラブのストロングロフト化が進み、ボールが上がりにくくなったこと、やさしく打てるユーティリティクラブが増えたことが挙げられます。
実際はフェアウェイウッドのほうがボールを上げやすい
ユーティリティクラブはやさしいクラブだという先入観を、アマチュアゴルファーの多くの人が持っていることでしょう。まず、これが一番の勘違いです。
確かにロングアイアンよりは物理的にボールは上がりますが、実際はフェアウェイウッドのほうが、構造上はるかに上がりやすいのです。
また、固定観念からか、払い打ちをしている人が多いように思われます。
ユーティリティクラブには、ウッド型やアイアン型のモデルがありますが、基本的にはロングアイアンの機能を持ったクラブです。
ですから、本来はアイアンショットのようなイメージで打つクラブなのです。
悪いライからでも少しダウンブローに打ち込んでいったほうが、ミスの確率が少ないという構造になっているのです。
しかし、ロングアイアンとしての感覚でバッグに入れている人は意外に少なく、多くの人は距離を稼ぐフェアウェイウッドの仲間という感覚を持っているのではないでしょうか?
ボールの位置はもっとセンター寄りにセットする
知っておいてほしい知識として、ロフト角21度前後は4番アイアンの代用品と思ってください。
また、18度のロフトならば5番ウッドと同じですが、実際の長さは標準で41インチ前後なので、5番ウッドよりも短いのです。
それがアマチュアゴルファーが打ちやすい、振りやすいと感じる理由です。
実際には打ちやすいと思うあまり、5番ウッドと同じ感覚でボールを左に置き過ぎているという傾向が見られます。
しかし、5番ウッドよりも短いのですから、本来はもっと体のセンター寄りに置かなければいけません。
ユーティリティクラブでミスショットが多いというゴルファーは、5番ウッドと同じように打とうとしてるのではないでしょうか?
クラブが長くなるほど、ボールポジションは左になり、短くなるほど、体の中心に寄せていくことを考慮すると、ユーティリティクラブはミドルアイアンと同じ感覚で扱ったほうが、クラブの特性を最大限に生かせるのです。
ロングアイアンというクラブは、フェースの芯でヒットしなければボールは上がりません。
その点、ユーティリティは緩く低重心であり、スイートスポットもロングアイアンと比べると広いのでボールは上がりやすく、またクラブフェースの上部に当たってもスピン量の少ない強いボールを打つことができます。
ですから、自分でコントロールしなくても、打点(ボールの位置)を変えれば、スピンコントロールも意外と簡単にできるのです。
アイアン感覚でウッドの弾道を描くクラブ
例えば200ヤード前後の長いパー3で3番アイアンの代用として、ティーアップをして、普通に気持ちよく振り切れば、ウッドのような高い弾道になり、グリーンに止めやすくなります。
ベアグラウンドのような悪いライからも、少しボールを右寄りに置いて、普通にスイングするだけで、強いボールを打つことができるクラブなのです。
ユーティリティクラブは欧米では「ハイブリッド(異種混合)クラブ」と呼ばれているのも、アイアン感覚でウッドのようなボールが打てるからです。
基本的には、アマチュアゴルファーはウッド寄りの用途で使用している人が多いようですが、飛距離ベースではなく、ミドルアイアンのように方向性を重視して、アイアン感覚で打つことができれば、悪いライ、パー5のセカンドショット、長いパー3のティーショットなどのさまざまなシーンでお助けクラブになることでしょう。