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ゴルフクラブ

モハメドアリモト

【徹底研究!クラブで癖球を矯正する処方箋。フック編】☆失敗しない、クラブ選びのヒント教えます。

プレイヤーの球筋に対する悩みは十人十色!スイング改造で矯正する事はもちろん重要ですが、クラブの調整でも出来る事はたくさんあります。

それに、次回新しくクラブを買い替える場合クラブの特性をシッカリ抑えておけば『思い描く弾道』に近づけるクラブスペックを選択できたり、『失敗したくないミス』を軽減できたりとクラブに対する知識を持っているのは上達への近道でもあります。

そこで、タイプ別に合わせ数回に分けて対処法をご紹介したいと思います。

今回の処方箋は『フック』でお悩みの方のみにスポットをあててのお話になりますので、少し偏った内容になりますが『フック・引っ掛け』でお悩みの方には役に立つ内容ですので、最後迄お付き合い下さいませ。

では、はじまりはじまり・・・。

其の①、球が左に行きにくい(引っ掛けにくい)ヘッドの構造とは?

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クラブヘッドには構造上、インパクトでヘッドが返り易い形状とそうでない形状があります。

その形状の違いは、クラブスペック(数値)で『重心距離』と『重心アングル』という数値で見る事が出来ます。

『重心距離』とは、シャフト軸線からスイートスポット(フェース面上の重心位置)までの距離のことで、その数値(距離)が長ければ長いほどヘッドは返りが遅くなります。

ちなみに、数値で40ミリ以上は長めといわれています(ドライバーの場合)。という事は、ヘッドがインパクトで左(フック方向)に向きづらく、これは『フック解消』の一要素に使えます。

次に『フェースアングル』。

この数値は、簡単に説明すると、クラブを正しくソールした時にフェースが向く角度・向きをいい、当然フック側(左側)にフェースが向くクラブは、インパクトでも被って当たり易いという事に成ります。

シャフト垂線に対しプラスマイナスの度合いで表わされます。0がストレート、+がフック、-がスライス側になります。

これらを総括すると、重心距離が長くフェースアングルがマイナス数値のヘッドは、左に行きにくいモデルであるという事です。

覚えておいて下さい。

其の②、シャフトはどんな特性のものがよいか?(1)

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シャフト特性で、スイングのミスや悪い癖を考慮せずにタイプ分けすると『引っ掛け癖』や『フック』に合うシャフトと云うと、

『中〜手元』にキックポイントがあるシャフトが適しているといえるでしょう。

インパクトでシッカリ打ちに行ってもシャフトが余計な動きをせず、切り返すタイミングを取り易いシャフトになります。

しかし、これは“スイング軌道が安定している方”や“上級者”に当てはまる内容で、“軌道・及び球筋が安定しない方”や“ビギナー・アベレージ”にとってはこれを選択しても良い結果が出ることは、なかなか難しいでしょう。

そこで、引っ掛けの『大きな要因』の一つである『手打ち』を抑制する事に効果的なシャフト選びは、まず!『少し重目のシャフト』を試してみる事をおススメ致します。

これは、現在お使いのシャフト(クラブ)よりも少し重くしてみるという事です。

クラブ総重量が重くなるという事は、打ち急ぎや過度な手打ちを抑制出来るのでおススメです。

それと、その際、シャフトの硬さは上げない方が良いと思います。

なぜかは次の項目で説明致します!

其の③、シャフトはどんな特性のものがよいか?(2)

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上記の続きですが、なぜ?硬さは今より上げない(ex.SからXへ、RからSへ等)方が良いか?という理由は、飛距離が落ち易くなるため、『最初は、前よりも真っ直ぐ行くが、そのうちに球が安定しなくなる』という失敗が起こりがちだからです。

よく、『シャフトが自分には柔らか過ぎるから曲がる』という理論でとにかく硬くされる方がいらっしゃいますが、僕はその理論はおススメしません。

結果、『シャフトを重くしたから、それに従って硬さも少し硬くなった!』というのなら、大丈夫ですが・・・。

まずは、クラブ総重量を上げて簡単に手では振れなくし、“身体全体を使ったスイング”で打ち急ぎや、過度な右手のリリースを抑え、球筋が安定してきた所で『インパクトでシャフトが走らない』元調子系シャフトを選択したり、切り返しから中間部がしなりタイミングをとり易い中元調子のシャフトを選んだりと、より左に行きにくいシャフトに的を絞って行くような選び方がよいでしょう。

要は、テイクバックからフィニッシュまでタイミングよく振り抜けるシャフトが『引っ掛け』ないシャフト選びの一番大事な事だと思います!

其の④、総括して『引っ掛からない』ヘッドとシャフトの組み合わせは?

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それでは、上記の内容から『引っ掛からないヘッド』と『引っ掛からないシャフト』で組み合わせるとどんな仕様になるか、考えてみましょう!

まず、ヘッドは重心距離の長めの40ミリ以上の数値が出ているモノを選びます。

ついでにフェースアングルも、マイナスの値に近いもの(いわゆる、開き顔)を選びます。

コレだけでもかなり左(引っ掛け)には行かない選択です。

そして、シャフトですがまずは今使用のシャフトより少し重目のモノから試して行きます。

この時、この組み合わせでシッカリ振り抜け球筋はストレートか、落ち際でやや右目(フェード)に落ちていればベストです!

ボールがコースボールに変わったり、ロケーションが広くなると球筋は捕まり易くなる事が多いのでこんな感じで選びます。

もし、球筋がまだ左に行くようであればシャフトの調子を見直したり、硬めにして微調整を掛けていきます。

逆にヘッドを重心距離が短い小顔モデルで選び、シャフトがしっかり目のしなりの少ないモデルと組み合わせても大丈夫です。

ポイントは、ヘッドか?シャフト?のどちらかで左に行かない要素をシッカリ考慮しておく事です。

其の⑤、今回のまとめ

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いかがでしたか?

今回は、『引っ掛け』にお悩みの方に焦点をあてて、クラブの特性を活かした組み合わせ方の基礎を紹介させていただきました。

今回紹介した内容にさらにプラスさせてグリップの太さを工夫してみたり、クラブを組み上げる際にヘッドの挿し方を工夫してみたり・・・と他にも色んな対処の方法があります。

フィッティングで重要な事は、クラブを使う人のスイングパターンや、そのクラブに対する感じ方でそこをどのように工夫できるかが、“癖球に強いクラブ”にカスタマイズする上で必要な解決方法だと思います。

『引っ掛け』でお悩みの方は、ぜひ一度、今ご使用中のクラブが『どんな特性を持ってるクラブなのか?』とか『ヘッドは捕まり易い設計になっていないか?』『シャフトの調子は・・・』など調べてみてはいかがでしょうか?

案外、クラブの調整で簡単に球筋が変わる事がありますよ!

では、今回も最後まで読んでいただきましてありがとうございました。      

〜最高の1打とその次のステップのために〜
また次回まで。。。
押忍・感謝