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ゴルフスイング

Fagio

覚えておけば役に立つ!パンチショットの打ち方を身につけよう!

アイアンショットは、常にほぼ平らな場所から打てるドライバーとは違い、臨機応変に対応していかなければなりません。

フェアウェイ以外にボールが行くこともしばしばでしょう。

そんな時にはいろいろなショットが打てないといけないんですが、中でも役に立つのがパンチショットです。ノックダウンショットとも呼ばれています。

そのパンチショットを身につけるためにも、パンチショットの打ち方やメリットなどを見ていきましょう。

パンチショットとはいったいどんなアイアンショットなのか?

スコアアップのカギとなる一つが、トラブル時や難コンディション時にアイアンショットでいかにリカバリーできるかです。

そこで重要性が増してくるのがパンチショットなのです。

ゴルフでは、“パンチ”という言葉を「強いインパクト」という意味で使います。

そのショットですから、力を入れてボールを叩くようなショットのことをパンチショットと呼びます。

パンチショットは低い弾道のボールを打ちたいときに効果的です。

ボールを上げたくないときにこのショットが打てれば、よりコース攻略の幅が広がるでしょう。

風が強いときや林からの脱出にパンチショットは有効!

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では、パンチショットはどういうときに有効なのでしょうか。

まず、向かい風が強いときに有効です。

普通にアイアンショットを打ってしまうとボールが高く上がり、風の影響をもろに受けてしまいます。これでは飛距離が稼げません。

ここでパンチショットを使うと低い弾道でボールが飛び、ランでも距離を稼ぐことができます。

また林に打ち込んでしまったときなども有効です。

ボールを上げてしまうと、枝や葉っぱに当たってしまいますが、パンチショットを使うことで枝の下の空間を抜くことができるのです。

パンチショットの打ち方とは?

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ラウンド中にはパンチショットが有効な場面がたくさんあります。そこでいろいろなところで有効に使えるパンチショットの打ち方を各ポイントごとに見ていきたいと思います。

アドレスのボール位置は通常よりも右側に

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普通のアイアンショットでは、ボールをスタンスの中央、短いクラブになるにつれ右側へ移動させているゴルファーが多いでしょう。

この通常のショットを打つよりもさらにスタンスの右側へボールをセットしましょう。

これは低いボールを打ちたいので、ヘッド軌道が最下点を通過するポイントよりもさらに手前にインパクトを持っていきたいからですね。

通常ショットを打つときよりも1個から1個半くらい、ボールを右側にセットしてアドレスをしましょう。

パンチショットのアドレスは基本のハンドファースト

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パンチショットでは低いボールを打っていきたいので、インパクトでロフトを立てなければなりません。

そのためアドレスのとき手の形はハンドファーストにしておきましょう。ショットでは基本とされていますよね。パンチショットも通常のショットも基本は同じです。

ロフトを立ててボールにコンタクトさせたいから、と必要以上にロフトを立てる必要はありません。

ボールをいつものアドレスより右に置いたら、フェースを打ちたい方向へ真っすぐセットしてあげるだけで大丈夫です。

すると自然とハンドファーストの形になります。

トップは小さくコンパクトに

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いよいよボールを打つのですが、パンチショットでは大きくバックスイングを取りません。トップの形を小さくコンパクトにするのがパンチショットのコツです。

トップで手を大きく振り上げるイメージは捨てて、アドレスから体を捻転させただけで勝手にクラブが上がります。そこから大きくヘッドをテークバックに入れてはいけません。

あくまで体を回してトップを作る、それから体を戻してボールに当てるスイングを目指します。

体の回転を使って上から“バチン!”と引っ叩くように

アドレスでハンドファーストに構えていますので、捻じった体を戻してくるだけで自然に上からクラブが入ってきます。

パンチショットでは小細工不要で、体を戻してくるだけで大丈夫です。そのまま戻ってきたフェースをボールの上から叩くだけです。

手を振る、フェースに乗せるなどのイメージは必要なく、打ちたい方向を決めてスイングの始動をしたら、あとは戻してくるだけでボールは打てるんです。

小さなバックスイング、小さなトップから回転だけを使ってスイングしましょう。

フォローは取らない! インパクトを強く当てるだけ

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小さなスイングからボールをインパクトしたら、フォローも大きく取りません。ボールを打ったらそこでスイングは終わりです。

カットに打つ、フェースをかぶせてつかまえる、などの意識は必要ありません。インパクトを強く上から当てるだけで大丈夫です。

フォローを大きく取ってしまうと、球筋を手元で操作しようとしてしまいます。これではせっかくパンチショットのメリットでもある、コンパクトなスイングで打てる操作性、再現性の高さが犠牲になってしまう可能性も出てきます。

パンチショットを打つときは、フォローは取らず強く当てるだけを意識しましょう。

ロフトが立った状態だから低い出球に

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ハンドファーストにアドレスをして、ボールもいつものスタンスより右に置くパンチショットは自然とインパクトでロフトが立ちます。

そのため低いボールが打てるようになります。

低いボールをヘッドコントロールやスイングを変えて打つよりも、コンパクトに強くスイングできるパンチショットのほうがより簡単に低い出球を打てるようになるのです。

またロフトが立ったまま、手元をあまり操作せず体でスイングする特徴がありますよね。通常のショットのようにリストのリリースを大きく使わないので、インパクト時のロフト角が変わりにくいんです。

その結果、ボールの高さが低く、安定したボールが打てるようになります。

パンチショットを打つときのスタンスの広さはどれくらい?

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パンチショットを打つときは、どれくらいのスタンスの広さがいいのでしょうか。

スタンスの広さは、体の回転を強く使いたい場合は狭め、極力スイングを安定させたい場合は広めに取るようにします。

パンチショットの体重配分は左足体重で

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パンチショットを打つとき、インパクトで強くボールを打ちたいのですが、あまり体重移動を使わないほうが低く強いボールが打ちやすくなります。

体重配分は左足に6割、右足に4割くらいのイメージでアドレスをするようにしましょう。

バックスイング、トップ、インパクト、フォローと一連の動作中でも体重配分を変えてはいけません。

左足体重でボールをインパクトすることで、よりロフトを立ててボールが打てるようになります。

パンチショットってどんなクラブで打ってもいいの?

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パンチショットと言えばアイアンをイメージしますが、フェアウェイウッドやユーティリティでパンチショットをしても大丈夫です。

むしろ上級者は上手にフェアウェイウッドやユーティリティのパンチショットを取り入れているんです。

フェアウェイウッドやユーティリティを短く持って、ボールの上からガツン! と当てるようにスイングしています。パンチショットはフォローを取らない打ち方なので、クラブを大きく振り上げようとする動作は入りません。

どうしても地面から飛距離がほしいときには、ウッドやユーティリティを下から打とうとあおり打ちになっている人が多いのです。

そこでパンチショットならば上からヘッドをボールに叩きつけるだけです。ボールを上げようとか、距離を出そうとか、余計な雑念が入らずにボールを打てるんですよね。

結果として、そこまで距離を落とさずに方向性を維持したショットが打てます。

パンチショットって飛距離はどれくらい落ちる?

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小さなトップからフォローを取らないスイングでもあるパンチショットでは、普通のショットと比較して飛距離が落ちてしまうのを懸念される方も多いでしょう。

しかし飛距離はほぼ落ちないと考えて大丈夫です。ロフトを立ててインパクトをするので、それだけ強い弾道が打てるようになり、さらにはランも通常より多く出ます。

むしろ通常のスイングよりもコンパクトなスイングな分、ボールのバラつきが少ないんですよね。

そのためアマチュアゴルファーの場合、パンチショットのほうが平均飛距離が伸びているという方までいるほどです。

パンチショットは再現性が高まるので安定性が増す、さらには飛距離もほとんど落ちないのです。

ライン出しもパンチショットで

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体の回転を使って小さくショットするパンチショットは、ライン出しにも非常に向いています。

なにせアドレスからインパクトまで腕を使わずに、体の回転だけでスイングしますのでフェースの開閉が非常に少ないんです。

ということはインパクトでフェースの向きも安定しますので、狙った方向に打ちやすいメリットがあるんですね。

狭いフェアウェイを狙っていきたい、左右からハザードが迫っている、などのケースでは、積極的にパンチショットでライン出しをしていきましょう。

パンチショットをイメージしやすいYouTube動画をチェック

ゆったりしたバックスイングから、低く強い弾道のパンチショットを打っている動画がこちらです。

力強い捻転から繰り出される低いパンチショットは、糸を引くような弾道でとってもきれいですね。

一見するとかなりしっかり振っているようにも見えますが、腕や手首を強く使っているわけではありません。体をしっかり捻転させて上から力強くボールを潰すように打ち込んでいます。

タイガーが魅せた! スティンガーショット

タイガー・ウッズの代名詞とも言えるスティンガーショット。このスティンガーショットも、低く力強い弾道で飛んでいくパンチショットの一種と言えます。

少し動画が古いのであまり画質は良くありませんが、両サイドに立ち並ぶ木よりも低い弾道でボールが飛び出していくのが分かると思います。

ここまでボールを低く、力強く打ち出すには体幹やヘッドスピードが必要になりますが、腕の力を極力抑えて体の捻転で打っていけるようにインパクトをすれば、近い弾道のボールが打てるようになるはずです。

腕の力を使わないので、むしろシニアや女性の方にも覚えていただきたい打ち方です。

パンチショットは背中で打て!?

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パンチショットに限らずゴルフのスイングでは、肩を回すとか腹筋に力を入れる、腰で回転する、などと言われるケースが多いと思います。

しかしパンチショットで体の捻転を使うときは、ぜひ背中を意識してほしいと思います。

ゴルフスイングでは知らない内に体を使っていますが、中でも背中はよく使う筋肉であると同時に、非常に大きな筋肉で、スイングの力強さに与える影響は大きいのです。

腕についている筋肉は、マッチョな男性だってそこまで大きなパワーを生み出せるわけではありません。逆に背中の筋肉は小柄な方やシニア、女性だって大きな力を生み出せるんです。

コンパクトなスイングであるパンチショットだからこそ、背中の大きな筋肉を意識してスイングしてみましょう。

パンチショットの危険性とは!

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アイアンショットの幅を広げてくれるパンチショットですが、簡単に打てそうだからこそ危険も潜んでいます。

それは手首への負担です。思いっきりスイングしているのにも関わらずインパクトの瞬間にクラブを止めるのですから、手首に負担がかかってきます。

初心者は特に手だけで止めようとするためさらに負担がかかり、最悪の場合、手首を痛めてしまいます。そうならないように、体の回転を使って上手くスイングの勢いを殺してあげるようにフィニッシュを取りましょう。

パンチショットを自在に操れるようになると、状況や場面、飛距離などに応じてショットの引き出しが増やせます。

引き出しが増えるのでそれだけ、様々な状況で最適な選択をしやすくなるんですよね。

パンチショットについて様々な角度から見てみました。アイアンショットの幅が大きく広がるパンチショットをぜひ試してみて、ラウンド時のスコアメイクに役立ててください!