ゴルフクラブ
ロマン派ゴルフ作家の篠原
新・貧打爆裂レポート『T//WORLD GS ドライバー』と『D1 SPEEDMONSTER ボール』
今回の貧打爆裂レポートは、2021年1月29日発売の本間ゴルフ『T//WORLD GS ドライバー』と『D1 SPEEDMONSTER ボール』です。
いつものようにコースに持ち込んで、ラウンドしました。本間ゴルフの新しいドライバーとボールの秘密に迫ります! 動画も含めての試打レポートです。
『T//WORLD GS ドライバー』には本気が詰まっている!
『T//WORLD(ツアーワールド)GS ドライバー』と『D1 SPEEDMONSTER(スピードモンスター)ボール』は、本間ゴルフが2021年1月29日に発売したクラブとボールです。
“WOW! +10”というコピーのドライバーです。+10ヤードを超える驚き、ということのようです。
ドライバーのコピーとして、良いセンスをしていると感心しました。
ボールのほうは“WOW! +5”というコピーです。ドライバーと同じように、+5ヤードを超える驚き、ということのようです。
今回は、本間ゴルフから強い要望があって、ドライバーとボールを一緒にテストすることになりました。
【試打クラブスペック】『T//WORLD GS ドライバー』
ヘッド素材 Ti811チタン合金
フェース Ti6-4チタン合金
ヘッド体積 460cc
シャフト SPEEDTUNED 48(S)
ロフト 9.5度(10.5度、11.5度もあり)
長さ 45.5インチ
ライ角 59.5度
価格(税別) 6万8000円
【試打ボールスペック】『D1 SPEEDMONSTER ボール』
構造 3ピース
カバー 新配合ソフトアイオノマーカバー
コア モンスターコア
レイヤー 新開発 Flexレイヤー
ディンプル 368個
カラー ホワイト(イエローもあり)
価格 オープン
『T//WORLD GS ドライバー』の「GS」は「GAIN SPEED TECHNOLOGY」の略で、意味は、“さらなるスピードの獲得”になるそうです。それらをコンセプトとして『GS シリーズ』は開発されたというのですから、期待が高まります。
“飛距離性能”と“やさしさ”の両立を目指して、5つのテクノロジーをドライバーに搭載しています。
一つ目は「クランクスリット」です。ソールのフェース寄りにあるクランク形状の溝です。インパクト時に、たわみ戻りを瞬時に生んで、ボールスピードをアップし、ミスヒットした時のギア効果を高め、弾道を補正する効果もあります。
次に「ラジアルフェース」です。フェースの裏側を打点を中心に放射状にリブを配置したことで、反発力を高め、反発エリアを最大化してボールスピードアップさせ、上下のヒットのブレに強くなった効果も生まれたそうです。
そして、「キールデザイン」です。タングステンウェイトをソール後方のヒール寄りに配置して、ドローバイアスを強めにしました。
さらに、本間ゴルフの必殺技である「ノンローテーティング・システム」でライ角やロフト角を無段階調整でき、最後に専用シャフト「SPEEDTUNED」を採用しました。
まとめると、『T//WORLD GS ドライバー』は、新素材や世界初みたいなテクノロジーではなく、本間ゴルフが蓄積したテクノロジーをブラッシュアップして高機能に仕上げたドライバーのようです。
アドレスビューのシェイプは海外ブランドのドライバーに見えます。これは、時代のトレンドということで、多くのゴルファーが求めた結果だと思います。
世界中のゴルファーが使いやすいドライバーだと感じさせます。良い感じです。
『D1 SPEEDMONSTER ボール』は、安価帯なのに飛距離性能がすごいということで大ヒットした『D1 ボール』の後継ボールです。
前モデルを超える飛びと、グリーン周りのアプローチでのスピン性能の向上をコンセプトにして開発をしたそうです。
『D1 SPEEDMONSTER ボール』は、ルール適合内で飛びを追求して、グリーン周りのスピン性能を向上するために、コアも、レイヤーも、カバーも新しくしました。
僕は、前モデルの『D1 ボール』を打ったことがないのですが、いろいろと噂は聞いていました。
今回の試打では、前モデルとの比較ではなく、新しいボールというつもりで考えようと思います。
確実にわかっていることは、“モンスター”という名称が付くボールには、それなりの覚悟が必要だということです。逆に、本間ゴルフには自信があるという証明なのだと感じました。
「『T//WORLD GS ドライバー 』は、どうしても『D1 SPEEDMONSTER ボール』でテストしてください」と要望されたことからも、本間ゴルフの本気を強く感じて、楽しみになりました。
『T//WORLD GS ドライバー』は多くのゴルファーを救う!
動画を見てください。
『T//WORLD GS ドライバー と D1 SPEEDMONSTER ボール』の試打は面白い体験になりました。
まずは『T//WORLD GS ドライバー』です。
いわゆる海外ブランドのドライバーのようなシェイプです。ストレートに見えるように、きれいにチューニングされています。アドレスビューは、ほぼ完璧です。
ソールを見ると、ウェイトの位置がヒール寄りで、ドローバイアスを感じます。でも、構えると、ドローな雰囲気はないのです。とても構えやすいドライバーです。
打ってみると、打音がとてもきれいで驚きました。
まず、音量がちょうど良く、音質が濡れた鞭のような締まった金属音です。パシーンではなく、パシッという擬音を当てたくなる音です。
日本人の上級者ゴルファーで打音にこだわる人が好きな傾向を知り尽くしていると感心しました。
『T//WORLD GS ドライバー』は、芯に当たると高めの中弾道、ややドローで、スピン量が少ないというよりは、初速が速いという強いボールが出ます。
飛距離性能はトップレベルです。試打した結果、平均飛距離は220ヤードでした。最も飛んだホールで235ヤードです。
右に打ち出して、少し戻ってくるドローも打てますが、むしろ、低めのフェードや、低めのドローが敏感に出ることがすごいと思いました。
使い慣れれば、イメージした弾道を自在に打てるドライバーになると感じました。
『T//WORLD GS ドライバー』は、ややとらえる挙動、少しつかまるドライバーが好きなゴルファーにオススメです。基本的には大きなドローとかではなく、ストレートに飛ぼうとしてくれます。
ただ、もしかすると、ボールの性能に寄るところが大きいのかもしれません。潰れる系のボールは、ストレートに飛ぼうとする傾向があるからです。
欠点ではなく、良いところなのですが、敏感に弾道に反応が出ます。
曲げたいと思って、そのように打てば、弾道が変わります。フェードは小さめですが、ドローはややドローの次に、グッと強く曲がるボールになります。ドローボールの弾道の段階がきれいな正比例ではなく、急に反応が良くなる感じです。
『T//WORLD GS ドライバー』を使いこなすというのは、こういう特性を上手に引き出すことだと言えます。
ドライバーに愛着が湧きやすいのも、オススメのポイントです。
『D1 SPEEDMONSTER ボール』は、トップレベルに飛ぶボールに分類されます。基本的には、飛距離では普通のボールには負けません。
ディスタンス系のボールで、カバーがアイオノマーのボールの高性能化は最近のトレンドではありますが、『D1 SPEEDMONSTER ボール』は、ドライバーの飛距離は出て、アイアンもそれなりに止まって、ショートゲームにも大きな問題はない、というハイレベルでの合格点が取れるボールです。
ボールは潰れる感があり、フェースに乗っている感覚と、やや軽めではありますが、芯感もあります。
潰れて、柔らかく感じるボールは、市場に溢れています。その中で、『D1 SPEEDMONSTER ボール』は、打感を上手く調整してあると思います。軽過ぎず、やや重い打ち応えが良いのです。
軽過ぎて、手応えがないボールは、使っていて、ここ一番で信頼できないと個人的には感じてしまいます。
『T//WORLD GS ドライバー』で、飛距離10ヤードアップは、誰でも体験できるわけではなく、一定の条件を満たしたゴルファーだけだと思います。残念ですが、僕も10ヤードアップまでの実感はできませんでした。
でも、この渋いドライバーは、現状売れているドライバーに満足できなかったゴルファーや、しっくりきていないゴルファーを救ってくれる可能性があるのです。
諦めないゴルファーのためのドライバーが、『T//WORLD GS ドライバー』です。
『D1 SPEEDMONSTER ボール』も、コストパフォーマンスを考えると、素晴らしい機能を持っているボールで、安価だけど我慢しないで使えて、飛距離性能が優れているボールが欲しいゴルファーにオススメします。
すべてが合格点ですが、飛び抜けてスペシャルな項目はない宿命のボールなのかもしれません。
『D1 SPEEDMONSTER ボール』が安価帯のボールですが、安かろう悪かろうを感じさせません。
高価格帯のボールと比較して、負けないボールです。
『T//WORLD GS ドライバー』と『D1 SPEEDMONSTER ボール』は、本間ゴルフのジャストナウを詰め込んだゴルファーへの贈り物のような気がしました。
ゴルフにおいて、スコアはお金で買えると言いますが、高額をかけなくとも、それが実現できる可能性があります。
本間ゴルフは高額な価格帯の用具だけではなく、安価な価格帯の用具にもちゃんと力を入れているのです。せっかくなので、試してみるのが正解です。