熱中症、心筋梗塞……真夏のゴルフは危険がいっぱい

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よりによって、関東地方が気温40度を計測した日にコンペがありまして、あまりの暑さにマジで死ぬんじゃないかと思いました。

普段はノンアルコールのビールを飲むこともありますが、この暑さのためにランチでビールを思わず飲んでしまいました。

ハーフを終え、クラブハウスで飲んだ大ジョッキのおいしさは格別な一杯だったことは、言うまでもありません。

しかし、この一杯が死をもたらす原因になることもあるのです。

ラウンド中の飲酒は自殺行為!?

ラウンド中の飲酒は自殺行為!?

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クラブハウスでのランチやコース内の売店で、ビールなどのアルコール類を飲まれるゴルファーは多いかと思います。

真夏の暑い時期であれば、ビールをがぶ飲み。

寒い冬には、体を温めようとプレー前から熱燗などを飲むゴルファーもいるでしょう。

お酒好きが集まるコンペや接待ゴルフなどでは、ラウンド中のランチすら宴会のようになっている光景もときどき見かけます。

あるアンケート調査に寄りますと、ゴルフコースに来て、アルコール類を飲むゴルファーは、72パーセントにものぼるという結果が出ています。

とかく、日本のゴルフにはお酒がつきもののようです。

しかし、アルコールを体内に入れると、心臓や脳の血管にさらなる負担をかけることになってしまうのです。

ビールなどのアルコールを飲めば、一時的にはのどの渇きが癒されます。しかし、少し時間が経つと、逆に脱水症状を起こしやすくなってしまいます。

「お酒を飲んでしばらくするとのどが渇いてきた」このような経験のある人も多いことでしょう。

この「のどが渇く」というのは、脱水の初期症状なのです。

脱水症状とは、体内の水分と電解質が欠乏している状態をいいますが、これだけでも、症状がひどくなりますと、意識障害などを引き起こす危険なものです。

それに加え、血液の濃度が高くなり、血液の循環が悪くなるために、動脈硬化を持っていたりすると血管が詰まりやすくなるのです。

また、アルコールによって血圧が急激に上がります。血圧が上がり、心拍数も多くなるのですが、その状態でショットを打って、さらに心臓に負担をかけると、かなり危険な状態になることは明らかです。

確かに、適度なアルコールは筋肉や血管の緊張を除き、精神的にもリラックスさせる作用があります。

しかし、一方で、アルコールは運動感覚や平衡感覚を鈍らせ、プレーそのものにも悪影響しか及ぼしません。

しかも、酔い心地で気持ちだけは大きくなり、体はついていけず、無理な動きをすることにもなります。

その結果、内臓ばかりでなく、筋肉なども傷めることになります。

アルコールはスコアにも悪影響しか及ぼさない

アルコールはスコアにも悪影響しか及ぼさない

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周囲にゴルフ場も多い伊豆のある大学病院の循環器科では、急性心筋梗塞をゴルフのプレー中に起こした9例(男性・平均年齢55歳)について追跡調査を行いました。

その結果、9人のうち、2人が前半のハーフで発作を起こしており、うち1人はクラブハウスで朝食を摂りながら飲酒をしていました。

午後に発作を起こした7人では、ランチで4人が飲酒をしていました。

要するに、発作を起こした9人のうち、5人が倒れる少し前に飲酒をしていたことになります。

ちなみに、この9例のうち8例は、長期間、1日20本以上の喫煙歴がありました。飲酒に加え、このような喫煙歴があると、さらに危険度が増すといえるでしょう。

また別の調査では、急性心筋梗塞を起こした11人(男性・平均年齢53歳)のうち、前半で発作を起こした人は4人おり、そのうち3人が朝食の時に飲酒していました。

午後のプレーで発作を起こしたのは5人で、うち2人がランチの時に飲酒しており、またランチ直後に発作を起こした人もまた、ランチで飲酒をしていました。

つまり、急性心筋梗塞を起こした11人のうち、6人が飲酒していたことになります。

さらに、アルコールを飲んでいないのに発作を起こした5人を調べてみると、4人が以前に狭心症と診断されたことある人たちでした。

アルコールを飲んで発作を起こした6人は、それまで心臓の異常は一度も診断されたことのない人たちでした。

要するに、これまで健康とされていた人たちが、アルコールによって発作が誘発されたわけです。

飲酒は体にもスコアにも悪い結果しか引き起こさないのです。

テニスやジョギングなど、ゴルフ以外のスポーツをする前や、スポーツをしている最中にアルコールを飲む人はいないはずです。

ここにも、私も含めてですが、ゴルフをスポーツではなく、遊びとしかとらえていない、日本のゴルファーの未熟さが浮き彫りになっているように思います。反省します。

夏のゴルフは要注意です

夏のゴルフは要注意です

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ある年の8月のことです。今年のような猛暑でした。

Tさんはコンペに出場するために、関東の某ゴルフ場に行きました。

暑いのは苦手のTさんでしたが、それを理由に断ることもできず、あまり気が乗らなかったそうです。

朝のスタート時から太陽が燦々(さんさん)と照りつけていました。

汗だくになりながらも4番ホールまで来たころには、あまりの暑さに目まいがしてくるほどでした。

しかし、他の人がプレーしているのに、自分だけ木陰で休むわけにもいかず、ひとりだけドリンクを買いにいくわけにもいきません。

4番ホールのグリーンまで来て、さらに暑さが増したように感じられました。

パットをして、ボールを目で追うTさんでしたが、急に気分が悪くなり、その場にうずくまってしまいました。

すぐにキャディーさんが連絡に走り、同伴者たちが木陰に運ぼうとしてくれたのですが、その頃にはもうTさんの意識はなく、数分後には息を引き取ってしまいました。

死因は心筋梗塞でした。

Tさんは、心臓の動脈硬化があったところに、猛暑の中でプレーしたことで水分が奪われ、脱水状態になり、血液の濃度が高くなって、血液が心臓に流れていかなくなったのではないかと考えられます。

アルコールとともに突然死の引き金になることが多いのが、このような真夏のプレーです。

気分が悪い、目まいがするなどの自覚症状があったら、リタイアすることです。

今年の暑さは異常です。危険です。私も涼しくなるまで、ゴルフの誘いは断ろうと思っています。
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Nick Jagger

元某ゴルフ雑誌編集長。ゴルフ取材歴30年以上。現在フリーランスのライターとして、単行本、ゴルフコミックの原作など多数執筆中。

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