一般男性よりも女子プロのほうが飛距離が出るのはなぜ?

お気に入り
飛距離を伸ばすためには、まずヘッドスピードを上げて、理想的な打ち出し角とスピン量のボールを打つことです。

それ以外に、実はもうひとつ大事なことがあります。

それは「ミート率」を上げることです。

「ミート率」というのは、ひと言で言いますと、クラブフェースの芯で打つ確率です。

ヘッドスピードが40メートル/秒(m/s)の女子プロゴルファーが、43m/sの一般アマチュア男性ゴルファーよりも飛距離が出る理由は、ボールの打ち出し角やバックスピンの量が適正というだけではなく、ミート率が高いというのも大きな理由なのです。

ミート率が上がれば、ボールの初速がアップする

ミート率が上がれば、ボールの初速がアップする

getty

「ミート率」というのは、「ボールの初速÷ヘッドスピード」で求められる数値です。プロゴルファーであれば、男女を問わず、たいていは1.4以上あります。

この数字がアマチュアゴルファーとなると、1.2~1.3くらいまで落ちます。

これでは、ヘッドスピードに応じたパワーがボールに100パーセント伝わりませんから、飛距離が落ちるのも当然のことなのです。

つまり、飛距離を伸ばすためには、単にヘッドスピードをアップさせるだけではなく、「ボールの初速」をアップさせる必要があるということです。

先の公式で言いますと、「ボールの初速=ヘッドスピード×ミート率」ですから、ミート率がアップすれば、ボールの初速もアップし、したがって飛距離もアップするということが理解できるでしょう。

インパクトは点ではなく、ゾーンでとらえること

インパクトは点ではなく、ゾーンでとらえること

getty

それでは、どうしたらミート率がアップするのでしょうか?

「クラブフェースの芯」でボールをヒットすると言いますと、インパクトばかりに意識が集中してしまいがちになりますが、それよりも大事なことは「スイング軌道」なのです。

プロとアマチュアゴルファーのドライバーショットでのインパクトからフォロースルーにかけてのクラブヘッドとボールの軌跡を比較してみると、プロのそれはクラブヘッドが最下点を過ぎ、アッパー軌道でボールをヒットしています。

そして、その後、ボールとクラブヘッドの軌道は見事に一致しています。

一方、アマチュアゴルファーの多くは、最下点がインパクトの後にあり、飛んでいくボールとクラブヘッドの軌道がずれてしまっているのです。

プロのインパクトというのは、言ってみれば点ではなく線(ゾーン)になっており、ボールを「押している」とも言えるのです。

だから、ミート率が良くなるだけでなく、ボールを「押す」ことで、より大きな飛距離が得られるというわけです。

それでは、プロのようなスイング軌道で振るためには、どうすればいいのでしょう?

それには、アドレスでの上体の前傾角度をインパクトまでは絶対にキープすることです。

また、腕は完全に脱力し、打ちにいかないこと。そして、インパクト後は、ほぼ左足に体重が乗り切ること。

この3つがポイントになります。

言ってみれば、これはゴルフスイングの基本中の基本なのですが、これらができればミート率が上がるのはもちろんのこと、完全にモノにすれば、シングルハンデになれる可能性も高くなるでしょう。

クラブを速く振るほど、ヘッドスピードは上がらない

クラブを速く振るほど、ヘッドスピードは上がらない

getty

ミート率をアップさせるといっても上限があります。上限がある以上は、ヘッドスピードをアップさせるしかありません。

そこでアマチュアゴルファーは勘違いを起こしてしまいます。

ヘッドスピード上げようと、ほとんどのアベレージゴルファーは、クラブを速く振ろうとしてしまうのです。

この大きな勘違いから抜け出せない限り、シングルハンデどころか、90の壁もなかなか切ることはできないでしょう。

なぜならば、クラブを速く振ろうとすればするほど、ヘッドスピードは上がらず、さらにスイング軌道も乱れるからです。

ゴルフスイングとは、まず体が回転し、次に両肩から伸びている両腕と両手が回転、そして、最後に両手に握ったクラブの先端にあるヘッドが回転するという順で成立しています。

つまり、体の回転→両腕、両手の回転→クラブヘッドの回転と連動していくわけですが、「速く振ろう」という意識が強いと、「体の回転」を忘れてしまい、「両腕、両手の回転」のスピードを上げようとしてしまうのです。

これでは、手や腕に力が入るばかりで、スイングがバラバラになってしまいます。両腕、両手の回転速度を上げるためには、体の回転速度を上げなくてはならないのです。

それには、上半身をもっと捻転させる必要があります。

飛ばしたい時ほど、上体を深く捻転させる

飛ばしたい時ほど、上体を深く捻転させる

getty

捻転された上半身には、元に戻ろうとする力が自然に働き、その力が体の回転速度を決めるからです。

だから、プロゴルファーはアマチュアに「もっと肩を回しなさい」と、口を酸っぱくして言うのです。

例えば、女子だったら宮里藍、男子だったらアーニー・エルスなどは、ゆっくりスイングしているように見えて、しっかりボールを飛ばしているのは、上半身をしっかり捻転させているに他ならないのです。

彼らには、腕を速く振ろうとか、ボールを強くヒットしようなどという意識はまったくありません。

むしろ、両腕は完全に脱力し、グリップも緩く握っています。

しかし、上半身をしっかり捻転させ、前傾角度が変わることなくインパクトを迎えれば、黙っていてもクラブヘッドはボールにジャストミートすると思ってスイングしています。

ここ一番飛ばしたいドラコンホールなどでは、普段よりも上体を深く捻転させようと思うだけでいいのです。

ミート率を上げること、上半身や腕を脱力し、しっかり捻転すること。このことを忘れずに、練習やラウンドに臨んでみてください。
お気に入り
Nick Jagger

元某ゴルフ雑誌編集長。ゴルフ取材歴30年以上。現在フリーランスのライターとして、単行本、ゴルフコミックの原作など多数執筆中。

このライターについてもっと見る >

カートに追加されました。