ビギナーのためのバンカーショット講座

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グリーンサイドのバンカーショットは、ほとんどの場合、「エクスプロージョンショット」、すなわち「砂を爆発させるショット」で対応します。

ボールを直接打つのではなく、ボールの手前にクラブヘッドを入れて、砂を爆発させます。その砂が飛び出す力で、ボールをグリーンに乗せるわけですが……。

なぜ、バンカーショットは砂を爆発させる?

なぜ、バンカーショットは砂を爆発させる?

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しかし、なぜ、そんな方法を取らなくてはいけないのでしょうか? 皆さんは、その理由について考えたことがありますか?

例えば、普通のアプローチショットのように、ボールをクリーンに打っても良さそうなものですよね。

それでボールがバンカーのアゴを越えて、思った場所に落とすことができるのならば、きっと誰もがそうしているのではないでしょうか。

実際、ジーン・サラゼンがサンドウェッジを考案する前までは、プロゴルファーは砂を爆発させずに、バンカーショットを打っていたのです。

ところが、当然のことですが、これが極めて難しかったのです。

バンカーの中にあるボールは、程度の差こそあれ、ボールの重さによって数ミリは沈んでいるのです。

砂に沈んでいるボールをクリーンに打つことは至難の業、というか不可能に近いでしょう。

クリーンに打とうとして、少しでもトップしてしまえば、ホームランになってしまうし、低く出てアゴに当たることもあります。

サンドウェッジのなかった昔は、プロでさえもバンカーからの脱出に苦戦していたのです。

そんなときに登場したのが、サンドウェッジです。

バンカーショットが苦手だったサラゼンは、クラブヘッドの底にバウンスのついたウェッジを発明したのです。

このソールの部分が丸く膨らんだウェッジを、少しフェースを開いて、ボールの手前に落とすと、砂が爆発したのです。

その力を利用すれば、ボールは簡単にバンカーから出るというわけです。

エクスプロージョンはアバウトなショット

エクスプロージョンはアバウトなショット

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というわけで、バンカーショットの打ち方は革命的に変わったのです。

ボールをクリーンに打とうと、ボールと砂が爆発している境界線ギリギリを狙うなんていう極めて成功率の低い打ち方をする必要はなくなりました。

とにかく、ボールの手前にバウンスを落としてやるだけで良くなったのですから。その落とし場所もアバウトでいいのです。

ボールの手前3センチくらいにヘッドを落とせば、きれいにスピンがかかりますが、手前10センチくらいの大ダフリであっても、出すだけならOKです。

プロゴルファーは、わざとダフらせて、飛ばないように距離をコントロールすることもあるほどです。

バンカーショットが苦手というビギナーは、とにかくボールの手前にバウンスを落とすことだけを意識してスイングしてみましょう。

「砂を爆発させる」と言いますと、ものすごい力が必要な気がするかもしれませんが、力なんて不要です。

肩を回したら、あとはトップにあるサンドウェッジのヘッドを、ボールの手前に落としてやるだけでいいのです。

距離感云々するのは、まずは1回でボールを出せるようになってからでいいのです。

サンドウェッジの刃から入れてはいけない理由

サンドウェッジの刃から入れてはいけない理由

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バンカーショットは、ボールの手前にバウンスを落とすだけでいいという話をしましたが、なかにはそのつもりでスイングしても、クラブヘッドが砂に突き刺さってしまうゴルファーも少なくないはずです。

こうしたゴルファーは「バンカーショットは、ボールの手前の砂にドーンとヘッドを入れてやればいいんだよ」と教わった人に多いようです。

問題となるのは「ドーンとヘッドを入れる」という表現にあります。

「ドーンと」という言い方をされると、バンカーショットには何やら力が必要なようなニュアンスがあります。

さらに「クラブヘッドを入れる」は、ヘッドを砂に打ち込みなさいと言っているようでもあります。

このようにして、ゴルフのビギナーは、サンドウェッジのリーディングエッジをなんとかボールの下に潜り込まそうとします。

そうしなければ、砂の下にヘッドが入っていかないと考えるわけです。

しかし、実際にそのような打ち方をすると、ヘッドは砂に突き刺さるばかりで抜けません。

それでは砂が思ったほど爆発しませんから、ボールはバンカーから出ないのです。

ところが、ビギナーのうちは、打ち込んでもボールが出ないと「まだ力が足りないのではないか」と考え、さらに力んでヘッドを打ち込みます。

力むから右肩が突っ込み、開いていたはずのフェースが閉じた状態で砂にめり込んでしまう……。

バンカーショットで何回も叩くという人は、たいていこうした悪循環に陥っています。

バンカーショットに力はいらない

バンカーショットに力はいらない

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バンカーショットとなると、中級レベルになっても、目一杯の力で砂にクラブヘッドを叩き込んでるゴルファーがいます。

長年の間違った経験で、バンカーショットには力が必要だと思い込んでいるように見えます。

確かに、ヘッドを抜かずにボールをバンカーから出そうとすれば、力がいるのも当然です。

しかし、こんな非効率でリスクの高い打ち方はありません。手首だって痛めかねないでしょう。

フルスイングをして、万が一リーディングエッジでボールをクリーンに打ってしまえば、大ホームランです。

そして、次はホームランが怖くなって、インパクトで緩んでしまうから、ボールが出ない……。

まさに蟻地獄ならぬバンカー地獄です。

バンカーショットに力は不要です。

確かにキャリーが10ヤード必要な場合には、芝の上からなら20~30ヤードをキャリーさせるくらいの気持ちは必要ですが、それとて別段力が必要というわけではありません。

20~30ヤードのアプローチに特別な力など不要なことは、ビギナーでさえ知っているはずです。

余計な力を入れず、ボールの手前にバウンスを落とす。この意識でバンカーの苦手意識を克服しましょう。
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Nick Jagger

元某ゴルフ雑誌編集長。ゴルフ取材歴30年以上。現在フリーランスのライターとして、単行本、ゴルフコミックの原作など多数執筆中。

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