ライ角って知ってる?(その1)これが合っていないとミスも出るし上達もしない!?

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日本人の成人男性の平均身長は170センチくらいでしょうか。

160センチくらいの小柄の人もいますし、180センチ以上の大柄の人もいます。

一方、ゴルフクラブの長さは、長尺ドライバーなどを除けば、ほとんど同じ長さです。

市販のアイアンクラブは、5番アイアンで38インチ前後のモデルが圧倒的に多いことに、皆さんは疑問を持ちませんか?

身長180センチのゴルファーも160センチのゴルファーも同じような長さのクラブを使っていることに、です。

ゴルフショップには、多くのクラブがありますが、身長別のクラブがないというのは不思議ですよね。

身長の低い人と高い人では、両手をダラリと下ろしたときの高さが10センチ以上違います。

それにも関わらず、ほとんどのゴルファーが同じ長さのクラブを使うというのは不自然でしょう。

実際、ジュニア用のゴルフクラブはシャフトが短くなっているのに……。

小柄なゴルファーと大柄なゴルファーが同じ長さのクラブを使えば、当然のことながらセットアップのときのボールの位置や構え方が違ってきます。

そして、その際、とても大きな意味をもってくるのが「ライ角」なのです。

重要なのはアイアンのライ角

重要なのはアイアンのライ角

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「ライ角」とは、ゴルフクラブのソール(ウッドの場合)や、スコアライン(アイアンの場合)が、水平になるように地面に置いたときに、水平面とシャフトの中心線が作り出す角度のことです(異なる計測方法もあります)。

簡単に言えば、シャフトの傾き具合を示す数値で、大きなライ角を「アップライト」、小さなものは「フラット」といいます。

現在、国内で市販されている平均的なライ角は、ドライバーで60度前後、5番アイアンで61度前後です。

さて、このライ角ですが、ウッドよりアイアンのほうが大きな影響があるのです。

なぜならば、ウッドはソールが丸いため、インパクト時のライ角が少しくらい違っていても、飛距離や方向性にほとんど影響を与えないからです。

また、ウッドはアイアンよりもロフト角が小さいため、ライ角が少々違っても、クラブフェースの向きが大きくズレるということがないのです。

アイアンは、正しいライ角でインパクトしたときにはじめて距離と方向性が合うように作られているのです。

逆に言えば、正しいライ角でインパクトした瞬間の写真を撮ってみれば、同じライ角のクラブを使っているゴルファーならば、全員がそのときのクラブの傾きが同じでなければならないということになります。

身長が高い人はフラット、低い人はアップライトなクラブを使う

身長が高い人はフラット、低い人はアップライトなクラブを使う

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例えば、身長160センチのAさんと180センチのBさんというゴルファーが、同じライ角、同じ長さのシャフトのアイアンを使っているとすると、そのときのふたりのアドレスには大きな違いが当然出てきます。

身長の低いAさんの前傾角度は浅く、ボールとの距離も近いのに対して、身長の高いBさんの前傾角度は深く、また腕が長い分だけボールとの距離が遠くなります。

アドレスだけでなく、この違いは当然インパクトにも表れます。

さて、問題はすべてのゴルファーが、自分の現在使っているクラブのライ角に合ったセットアップやスイングができているかどうかという点です。

身長の低いAさんが、ライ角の大き過ぎるクラブを使うとどうなるでしょう?

クラブのライ角にしたがって構えますと、Aさんにとってはグリップの位置が高くなるため、不自然なまでにハンドアップしなくてはいけなくなります。ボールとの距離が近過ぎることもミスショットの原因になるはずです。

反対に身長の高いBさんのセットアップの姿勢は、クラブに合わせて構えますと、前傾姿勢が深過ぎ、またグリップの位置も低くなり過ぎてしまいます。

つまり、Bさんにとっては、そのクラブはライ角が小さ過ぎるということになります。

Bさんはもっとアップライトなクラブにしなくてはいけないのです。

クラブに合わせたスイングでは上達は難しい

クラブに合わせたスイングでは上達は難しい

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というわけで、自然なアドレスを作るためには、アイアンのライ角が適正でなければならないということが理解できたかと思います。

ところが、大半のアマチュアゴルファーはこの大事なライ角に対して、あまりにも無関心というか無頓着ではないでしょうか?

なかには、ライ角という言葉も概念も知らないゴルファーがいるほどです。

大枚はたいて買ってきたゴルフクラブになんの疑問も持たず、使い続けているゴルファーも珍しくありません。

このようなアマチュアゴルファーは、別の言い方をすれば、「ゴルフクラブに合わせてスイングをしている」ということが言えるでしょう。

確かに、長い間使っていれば、クラブに合わせたスイングができるようになるかもしれません。

しかし、それが自分に合っていないスイングを固めることになってしまうと、レベルアップが難しくなり、ゴルファーにとってはちょっとした悲劇かもしれません。

自分に合っていないスイングは、体に不自然な動きを強要しますから、スイングを固めるのにも時間がかかりますし、格好だってよくなく、お世辞にも美しいスイングとは言えないはずです。

あるいは、クラブに合わせることができずに、永遠にミスショットを繰り返すというのも悲し過ぎます。

そうです、そもそもの話、ライ角が合っていないと、構造的にも、アイアンというクラブは、ミスショットが出やすくなるのです。
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Nick Jagger

元某ゴルフ雑誌編集長。ゴルフ取材歴30年以上。現在フリーランスのライターとして、単行本、ゴルフコミックの原作など多数執筆中。

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