プロゴルファーがアプローチショットでサンドウェッジを多用する理由

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アプローチショットのレッスン取材をすると、プロゴルファーからは口を揃えるかのように、「まず最初にパターを使えるかどうかを考えます。アプローチショットは転がしが最もミスが少ないからです」と返ってきます。

確かに、どのレッスン書にも、アマチュアゴルファーにとっては、ランニングアプローチが打ち方もやさしく、大きなミスにならないと書いてあります。

ところが、トーナメント中継を観ていると、プロはサンドウェッジでアプローチをしているシーンが圧倒的に多いような気がしませんか?

では、プロがサンドウェッジをなぜ多用するのか、その理由を考えてみましょう。

プロがアプローチでサンドウェッジを使う4つの理由

プロがアプローチでサンドウェッジを使う4つの理由

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アマチュアゴルファーでも、アプローチショットというと、どんな状況であってもサンドウェッジ1本で済ませようとするゴルファーも少なくありません。

確かに、プロゴルファーはサンドウェッジやロフト角60度以上のロブウェッジなどを多用していますが、ここではまずその理由を考えてみます。

プロがサンドウェッジを多用する理由は4つあります。

1.フルスイングしても、最も飛ばないクラブだから
2.シャフトが短いので、操作性がよい
3.ロフトがあるため、最も高いボールが打てて、なおかつスピン量が多い
4.クラブフェースを閉じたり、開いたりすることで、さまざまな球筋が打てる

確かに、この4つの条件はすべてのアプローチショットに対して便利に働きます。

アプローチショットは飛ばす必要はありませんし、さまざまなテクニックを駆使するためには、操作性がいいに越したことはありません。

その意味で、ロブショットやスピンでピタリと止めることができるサンドウェッジは、アプローチショットの最大の武器になるというわけです。

アマチュアにとって最も難しいサンドウェッジでの寄せ

アマチュアにとって最も難しいサンドウェッジでの寄せ

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ただし、です。

プロがサンドウェッジを駆使して、さまざまなライからピンに寄せられるのは、彼らがサンドウェッジを自分の手のように使い込んでいるからで、一言いえば、猛練習の賜物です。

本当のことを言ってしまえば、サンドウェッジはアマチュアゴルファーにとって、最も難しいクラブと言えるのです。

なぜならば、サンドウェッジは14本のクラブの中で最もロフトがあって、リーディングエッジが刺さりやすいクラブだからです。

ロフトの最も少ないパターと比べれば、サンドウェッジの難しさがよく分かるはずです。

バウンスを滑らせることを知らないアマチュアゴルファーにとって、サンドウェッジはミスショットを呼ぶクラブといってもいいでしょう。

というわけで、青木功の「ゴルフはゴロフ」という名言を思い出してください。

つまり、アプローチショットはボールをゴロゴロ転がしなさい、という意味なのです。

冒頭でプロが口を揃えて「まず、パターで寄せられないかを考えます」という理由は、パターならば、チャックリやトップなどのミスショットがまず生まれないからなのです。

ところが、ライが悪かったり、グリーンまでの距離があり過ぎたり、パターでは無理という状況となると、次に考えるのは「6番アイアンで転がせないだろうか?」ということです。

6番アイアンが無理ならば、7番、8番……とだんだんロフトのあるクラブになり、最後に止むを得ず使うのがサンドウェッジというわけです。

なぜ、アプローチは転がしたほうが簡単なのか?

なぜ、アプローチは転がしたほうが簡単なのか?

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青木功がなぜ最初に「パターで転がせないだろうか」と考えるのかは、ミスが少ないからだけではありません。

転がしたほうが距離感が合いやすいからです。

全英オープンの行われるスコットランドのリンクスコースでは、グリーンのはるか手前から、パターで転がすプレーヤーが多くいます。

これはリンクスコースは地面が硬いため、サンドウェッジではバウンスが弾かれるなどの危険性が高いからです。

また、グリーンのアンジュレーションが大きいため、ボールを高く上げた場合、落としどころをひとつ間違えたら、バンカーなどとんでもないところに行ってしまうからなのです。

その点、パターならば、打ち出す方向さえ間違えなければ、あとは距離感だけの問題だけです。

特別なテクニックはいりません。

ボールと目標の間にバンカーなどの障害物がなく、自分の距離感にさえ自信があれば、パターほど安全なクラブはないのです。

そもそもの話、距離感というのは、高いボールより低いボールのほうが合うのです。

例えば、グリーンエッジまで5ヤードのところに立っていて、カップはエッジから20ヤードという状況。

そこからボールを放り投げてカップに寄せようとしたら、どんなボールを投げますか?

おそらく大半の人がロブショットのような高いボールは投げないでしょう。放物線の高さはせいぜい1メートルくらいで投げますよね。

下手投げで、できるだけ低いボールをエッジから10ヤードくらい場所に落下させ、あとは転がりながらカップに寄っていく……そんなイメージでボールを投げる人が圧倒的に多いはずです。

ショートアイアンの転がしの練習をもっとしましょう

ショートアイアンの転がしの練習をもっとしましょう

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ボールを高く上げて距離感が出ないのは、手で投げる場合でも、クラブでボールを打つ場合でもまったく同じなのです。

それも、できるだけ早くボールをグリーンに落として、転がる距離を長めに見たほうがカップに寄りやすいのです。

だから、青木功はパターが無理であれば、6番アイアン、6番が無理なら7番アイアンというように、キャリーさせる距離が短くて済むクラブから順番に考えたわけです。

ところが、アマチュアゴルファーで、アプローチショットにショートアイアンを使う人はとても少ないようです。

実際、練習場で6~9番アイアンを使って、ランニングアプローチをしている人は滅多に見かけることはありません。

確かに、あまり面白い練習ではありませんし、ボール代がもったいないという気持ちもよく分かります。

しかし、本当にスコアアップしたいのであれば、ショートアイアンの転がしは絶対にマスターしておいて損はありません。

打ち方はパッティングのようにコツンとヒットするだけです。番手別の距離感さえつかめば、寄せワンの回数も増えること間違いなしです。

ぜひこの技を引き出しに入れるべく取り組んでみてください。
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Nick Jagger

元某ゴルフ雑誌編集長。ゴルフ取材歴30年以上。現在フリーランスのライターとして、単行本、ゴルフコミックの原作など多数執筆中。

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Cleveland RTX ZIPCORE 200901-1001

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