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ゴルフクラブ

セベケン

クラブの進化をちゃんと理解しないと、その恩恵を享受できない?

よく、クラブやボールは進化した! という言葉を聞くようになって久しいですね。

ボールなんか、プラス◯ヤード! といううたい文句が昔から出ていますが、そうすると30年も経つと、非力な女子でも300ヤードくらいになってるような勢いです。

クラブのほうも同じで、そのまま鵜呑みにすれば、私でも400ヤードくらい飛んでいるはず? な、訳ないですよね!

ということで、どのへんを見ていけば、進化の真価を見極められるか? の参考までに!

アイアンの進化、真価は?

例えば、上のソールの厚い大きめのキャビティーアイアンと、下のソールの薄い一枚板の、いわゆるマッスルバックと言われてるアイアンの、どっちがやさしいと思います?

両方とも3番アイアンですが、たいていの人は、上のキャビティーアイアンだと思いますよね!

ところがです、コースで使ってみると、下のマッスルバックのほうが、容易に球が上がって、ユーティリティに近いくらいの感じで打てます。

ロフトが寝ているから? いいえ、ほぼ同じロフトなんです。

それは、ボールに対しての重心位置の高さ、低さから来ているんです。

キャビティーのソールは厚くて、そういった意味では低重心ですが、周辺から上部にかけても、厚みをもたせています。

ということで、小振りで縦幅の短い、下のマッスルバックのほうが、ボールに対しては低重心になるということです。

見かけで判断すると、実際に使ったときの感じとズレたりすることも、多々あるのです。

ウッドで比較すると……

ドライバーに関しては、チタンドライバーの出だしの頃に比べ、ほぼ2倍の体積になりましたよね!

これでだいぶ、ミート率の低い人も助けられていると思います。

10度の460ccのほうが、15度の3番ウッドよりやさしく感じる人も多いのではないでしょうか?

ただし、芯でとらえたときの飛距離ということに関しては……個人的実験のデータでは、それほど変わりません。

むしろ、300cc前後のクラブのほうが、前へ前へと出ていって、オーバードライブすることもしばしば!

何が進化したかと言うと「平均飛距離」です。アベレージが良くなるということですね。

それに、シャフトも軽量化され、仮に力任せに振っても、そこそこのヘッドスピードが出るようになりました。アベレージゴルファーの味方です。

ところが、プロレベルになってくると、一概に大きいことは良いことだ! とも言えなくなってきます。

シャフトの短尺化やヘッドも460ccに満たないものを好む人も増えました。

元々ミート率が高いプロなので、アイアンやフェアウェイウッドの流れから、重心距離が極端に変わるドライバーは扱いにくいという現象が起こるからです。

ということで、進化といえども、万人に向くというわけでもないのです。

じゃ、パターは?

パターも、ドライバーと足並みを揃えるかのごとくに、大型化して来ましたね!

ゴルフショップの平置きに、昔より本数を置けなくなりました。

乗用カートのパター入れも、ヘッドカバーの装着もあって、まるで假屋崎生花のようです。

この進化も「アベレージ力」を上げるには、だいぶ貢献したと思います。

フェースバランスのパターも多く、ヘッドの開閉が起きづらいというところも、ドライバー同様、ミスヒットの割合を減らしていると思います。

ヘッドも大きいので、多少当たる位置がズレても、同じように転がっていきます。

ところがです、先の男子プロの試合で、池田勇太プロが、L字パターを使って優勝しました!

しかも「L字やさしい!」と。なんで? って思うでしょ!

プロの言う「やさしい」は、実際に使った時のクラブヘッドの挙動にあります。

通常難しいとされるL字パターは、ヘッドの開閉が起こりやすい。ということは? 

技術力のあるプロにとっては逆に、開閉を感じてフェース面をスクエアに保つという、自分を含めた自動修正のやさしさがあるわけです。

それに、ランニングアプローチの延長上で打てるという、別のゲームにしなくても済み、ゴルフをシンプル化できるということです。

ということで、一概に進化と言っても、使う人の技量や、イメージ的にやさしくなる! といったものも含まれますので、賢いゴルファーは実際の差を見極めて使うと、ゴルフがより深く楽しめますよ!

※決して新製品の否定ではないので! m(_ _)m