日本プロゴルフ選手権に見る、石川選手とハン選手のメンタルの違い

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日本プロゴルフ選手権に見る、石川選手とハン選手のメンタルの違い

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2019年7月5~7日に開催された日本プロゴルフ選手権は見応えある試合でした。

選手の心の持ちようが優勝争いの中で決め手になったこともあるかと思います。

石川遼選手、おめでとう。

石川遼選手、日本プロゴルフ選手権の優勝、おめでとうございます。

ブレーオフのイーグルパットが入ったときの石川選手の喜びには、それまで彼が抑えてきた感情が爆発していました。

日本のゴルフファン、特に女性のファンには待ちに待った優勝でしょう。石川選手をサポートしてきた仲間からも涙が溢れていました。

今日(2019年7月7日)、筆者は、早朝から3時間のゴルフのテレビ観戦、その後3時間ゴルフの練習をして、午後にまた5時間のゴルフテレビ観戦という、ゴルフ三昧の一日でした。

非常に疲れたはずなのですが、石川選手の優勝で、還暦を1年も過ぎた筆者の心に強くチャレンジ魂を刻んでくれました。

この石川選手の優勝についての様々な意見や感想がネットに溢れることと思います。

筆者は少し観点を変えてレポートしたいと思います。

一打に集中

大会2日目(7月6日)の17番ホール(パー3)。このホールで石川選手の7番アイアンで打ったティーショットは池に入ってしまいました。

2019年のルール改正で、池はウォーターハザードではなく、RPA(レッド・ペナルティー・エリア)となっています。

赤いラインが引いてあり、それを越していれば、越したところから一打罰で打てますが、石川選手のボールが越しているかどうかで、5分くらいの裁定待ちがありました。

結局は越していないという判定となり、石川選手は、池の手前から60ヤード程度のアプローチショットを打ち、ピン手前4メートルに付けて、そのパットを入れてボギーでしのぎました。

当日のテレビ中継は、丸山茂樹プロ、佐藤信人プロ、牧野裕プロの解説でした。

牧野プロは大会側の立場もあったのですが、この3人のプロの話は、トッププロそして過去大会の優勝者ということもあり、非常に中継を面白くしていました。

2日目のホールアウト後のインタビューで、丸山プロが、石川選手の17番の池ポチャ後の心理状況を聞いていたのですが、この中継を筆者は非常に印象深く感じました。

丸山プロ達は、心の動揺がどうだったかを尋ねたのですが、石川選手はそれどころではなかった、一球一球を集中することだけを考えていたとのことでした。

まだ2日目ということもあり、最小限のロスで抑えることに集中できたようでした。

ハンジュンゴン選手の17番ホール

最終ラウンドの17番ホールで、ハンジュンゴン選手は、ティーショットを大きめのクラブで打ち、ショートしてRPAに入れてしまいました。

大きめのクラブを持ったことにより、微妙な力加減が弱い方向に出てしまったようです。

このようなことはプロの試合でも、我々アマチュアでもよくあるケースです。

大きめのクラブなので、しっかり打って上についたら下りのパットが長くなって嫌だな、という心理です。

そしてグリーンオン後の2メートル弱のボギーパットを外してしまいます。

ここでは、ハン選手は、3日目の石川選手のように、気持ちの切り替えが上手くできていなかったのではないでしょうか。

そのホールまで、何ホールかを長いパーパットでしのいできたハン選手でしたが、17番では気持ちの糸が切れたような表情をしていたのが印象的でした。

筆者の見立てでは、ハン選手は『気持ちの優しい好青年』です。

気が弱いというわけではないのですが、優しさがボールに伝わってしまったのではないかと思っています。

そして、大会会場のみならず日本中が待ちわびている石川選手の優勝へのヒール役に徹し切ることを、心のどこかで拒んだことは否定し切れません。

ゴルフが変わる

ゴルフが変わる

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大会1日目(7月5日)から、たまたま筆者は過去の書籍を引っ張り出してきて読んでいました。

『私が変わればゴルフが変わる』(ボブ・ロテラ著)です。

日本語版は1996年9月初版。23年前です。この書籍は筆者にとってのメンタルバイブルです。

ボブ・ロテラは当時のUSPGAツアーのトッププロ、ニック・プライスやデイビス・ラブIII世、ベン・クレンショーなどトップ選手達のメンタル及びショートゲームの指南役。

これらのプロの名前を覚えておられるあなたは、USPGAツアー通か、もしくはかなりのオールドファンですね(笑)。

それはともかく、その書籍にたまたま、石川選手の池ポチャの心理につながることが書いてありました。

第2章の中の「ゴルフに完璧を望んではいけない」という項目です。そこにはこのように書いてあります。


成功したプロたちが優れている点のひとつは、自分のミスショットを受け入れ、しかし即座に忘れ、次の一打に完全に集中することである。

その例として挙げられているのが、 ボブ・ロテラがコーチを務めていたトム・カイトが池ポチャした後に、集中して次のウェッジショットを見事に打ってパットをねじ込み、プレーオフで勝利をつかんだという逸話です。

今回の石川選手とまったく一緒のシチュエーションじゃないですか!

書はこのあと、次のように書いています。

自分のショットに何があってもすべてを受け入れること。受け入ることが基盤づくりの最後の足固めになる。

トム・カイト選手は、翌週、完璧なゴルフで連続優勝したということですが、さて石川選手はそれに倣えるのか、楽しみです。

優勝インタビュー

勝利後の石川選手の優勝インタビューで、筆者は3つのことに注目しました。

1つめは、自分のためだけではなく、周りの人のために戦える人は強い、ということです。

石川選手は、この勝利までに支えてくれたスタッフ(石川選手はチームと言っていました)やファン、観戦のギャラリーに感謝したいと述べていました。

2つめは、謙虚な気持ち、気持ちの切り替えがプラスに働くということ。

大会3日目は36ホールの戦いになりました。最初の18ホールの前半で石川選手は連続ダブルボギーを喫しました。

石川選手は、インタビューで、この連続ダブルボギー後に、挑戦者の気持ちでやろうとした、と述べています。

この気持ちの切り替えが、16番ホールからの3連続バーディーにつながったのでしょう。2日目のボギーをバーディーで帳消しにしました。

3つめは、体の変化への対処ということ。

過去、体の変化にうまく対処できなかったという趣旨のことを述べていました。

石川選手からすると、少年期から青年期になったときの体の変化ということなのでしょう。

少しの体の変化でもゴルフのスコアに影響することは、あらゆるゴルファーについてまわる難題です。

昨日と今日という短期間でも体調は変わります。

石川選手は、もう少し長い期間の体調変化がもたらす影響、上手くゴルフとの折り合いをつけることが難しいと感じたのでしょうか。

石川選手はその切り替えに数年を要し、やっと噛み合わせることができた、ということなのでしょう。

石川遼は復活したのか

石川遼プロの復活に関して、過去、様々な人が取り上げ、様々な意見が述べられてきました。

筆者は、「石川選手はいつか復活できる!」意見派でした。

なぜそう思っていたのか。

1つは石川選手のショートゲームの巧さです。

USPGAツアーに挑戦していた時には、違う面に時間をかけて変えようとしていたように思いますが、時を経てようやく自分の良さを活かせる態勢ができたのではないかと筆者は見ています。

2つ目はメンタルの強さ。

石川選手の場合はもともと備わったものだと筆者は思うのですが、持ち前の明るさ、前向きに考えられる性格が戻ってきて、最近はいい集中力が出てきているのだと思います。

2日目のテレビでの解説で、佐藤信人プロは、今の石川選手のルーティーンが、迷いなく1つのことに決めてできてきていると言っていました。

昔のイケイケゴルフも良かったのですが、自分の持ち味を活かした冷静さと集中のゴルフもある意味大きな魅力です。

先ほどの書籍『私が変わればゴルフが変わる』の「あなたを支えてくれるもの」の項目で次のことが書いてあります。


ショット前の手順をきちんと踏んではじめて、ショットの安定感が培われるのだ

今の石川選手は、持ち球のドローボールに集中して、同じルーティーンを踏んで、ショットに向かっているように感じます。

この得意なことを活かすことが、今後の石川選手の活躍を約束してくれるように筆者は感じています。

将来も石川選手に壁が立ちはだかることもあるでしょうが、彼ならいつも前向きに戦っていってくれるでしょう。

その姿が多くのファンの心をつかんでいるのだろうと、筆者は今回の大会で強く感じたのでした。

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ゴルフ歴40年、ゴルフ業界経験16年ですが、現在はいちゴルファーです。 ハンディキャップは6までいきましたが、諸々の理由で現在のスコアは85前後、たまには90以上打ってしまうことも。 ゴルフをライフワークとして、様々な面から探求しております。

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