Gride

https://www.golf.com/news/2019/03/07/phil-mickelson-righty-ob-fence/

プロゴルファー

こせきよういち

フィルはリカバリーの挑戦者~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#114

先週の米ツアー競技「アーノルド・パーマー招待」で、ネット上でもっとも話題を集めたのが、大会初日のフィル・ミケルソンのこの一打でした。

ミケルソンには“リカバリーショットの名手”というイメージがあります。

もちろんそれは、彼が単にショット巧者だからではなく、かつてのセベ・バレステロス同様、しばしばティーショットを大きく曲げてトラブルエリアにまで打ち込む――でも、そこからのリカバリーに果敢に挑戦するプレーヤーだからです。

アンプレヤブルを選択せず、わずかなチャンスにかけた一打

「アーノルド・パーマー招待」初日の10番ホール。

ミケルソンのティーショットは左サイドのOBの境界線であるネットの向う側に。

幸いボールはぎりぎりインバウンドに残っていました。

普通の選手なら、ここは無理せず、アンプレヤブルの救済を選択するところでしょう。

でも、わずかでもチャンスがあれば挑戦するのがミケルソン。悪くてもボールはネットのこちら側に出せると踏んだのかもしれません。

そして、右打ちでフルショット!

しかし、ボールはネットに絡み、そして少し間を置いて、彼の足元のOBエリアにポトリ。

チャレンジは失敗に終わりました。

さて、このケース、昨年までならボールが元あった位置にドロップしなければなりませんでした。

でも、現ルールでは、元あった位置を基点にそこから1クラブレングス以内にドロップすることができます。

結果、ミケルソンはネットのこちら側に救済のドロップ。そこから第4打をプレーすることになりました。

それにしても、右打ちスウィングの見事なこと――実際彼は右打ちでも70台でラウンドできるという話です。

そして、ネットをまたぐ際の足の上げ方。

随所で“魅せて”くれるのです。

OBフェンスの向こう側からコツンとリカバリー

ミケルソンがOBエリアからリカバリーを試みたのはこれが初めてではありません。

2016年の「ファーマーズ・インシュランス・オープン」2日目に、上掲動画のシーンがありました。

ミケルソンのボールは、OBの境界線であるフェンスの下辺の隙間、ぎりぎりセーフの位置に止まっていました。

そこで彼はフェンスの向こう側に出て、コツンとインバウンズに打ち出したのです。

しかし、ミケルソンのボールってなぜかドラマチックなところ、ミケルソンにおかしなプレーを誘うところによく止まるようです(笑)。

ギャラリースタンド越しのリカバリー

最後は、OBエリアではありませんが、今年の「ジェネシス・オープン」2日目に見られた、ギャラリースタンド奥からのミラクルなリカバリーショットです。

18番グリーンを狙ったミケルソンのショットは大きく右に曲がり、ボールは隣の10番ティに。

そこからのプレーの線には、巨大なギャラリースタンドがかかるのですが、おそらく救済に適当なエリアがなかったのでしょう。

そのままリカバリーのアプローチ。高々と上った一打はギャラリースタンドを越えて、見事にグリーンをとらえたのでした(ただし、パーセーブは失敗)。

ミケルソンにはこれからも、他の選手にはできない(しようとしない?)、こうした素晴らしいリカバリーショットを期待しましょう。