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ゴルフスイング

しだしんご

ヘッドスピードと飛距離の両方を効率的に上げるための3ステップ

こんにちは♪

ヘッドスピードを上げて飛距離を伸ばすためにはどうすればいいのか? われわれアマチュアゴルファーの永遠のテーマですね。

ヘッドスピードは、人それぞれの過去のスポーツ歴や、身長、体格など、フィジカル面で差が出ることは当然あります。

しかし、体格の割にヘッドスピードが遅かったり、ヘッドスピードが速い割に飛距離が出ないなんて人が多くいるのも事実です。

反対に、身長もそれほど高くなく、細身の女性プロゴルファーが平然と250ヤード以上飛ばす……。

これには何か秘密がありそうです。

それを解明するためには、ゴルフクラブの機能を最大限に利用した、効率的なクラブの使い方を理解することから始まります。

走り幅跳びの「助走」「踏み切り」「跳躍」の3ステップがヒント

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ゴルフスイングは、大きく分けて「テークバック」「インパクト」「フォロー」の3つに分類されます。

ゴルフスイングは一連の流れの中で行われるものなので、この分類にはあまり意味がないように思われますが、それぞれのパートごとにクラブがどのように動くと効率的にヘッドが走ってボールを遠くに飛ばせるかを考えるためには役に立ちます。

ゴルフにおいてヘッドスピードを最大限に上げて飛距離を伸ばすためには、各パートで「体がどう動くか」というよりも「クラブ(ヘッド)がどう動くか」を考えることが重要であり、それを理解することでゴルフクラブの機能を100パーセント使い切ることができます。

こうして自分の持っているヘッドスピードを限界まで出し切ることができ、さらには効率の高いインパクト(ミート率の高いインパクト)を実現することができるので、飛距離が飛躍的にアップします。

その3つのパートを分けて考えるにあたり、わかりやすくするために「走り幅跳び」を例にご説明したいと思います。

走り幅跳びも、大きく「助走」「踏み切り」「跳躍」の3つに分類することができます。

「助走」ではスタートから踏切板の手前までグングン加速していき、「踏み切り」で一気に助走のパワーをジャンプに変換。

「跳躍」では距離がロスしないように姿勢を整えて着地に至ります。

この過程はゴルフスイングにも同じように置き換えることができ、この「助走」と「踏み切り」と「跳躍」が上手くいくと、ヘッドスピードと飛距離が格段にアップすることになります。

【助走】テークバックで加速させながらシャフトを順しなりさせる

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走り幅跳びにおける助走には、当然ながらスピードが必要です。

走り幅跳びの選手の中に、ジョギングのようにゆっくりと走っている選手は見たことありませんし、何より遠くに飛べなさそうです。踏み切りで大きなジャンプに変換するためには、助走のスピードが不可欠なのです。

これをゴルフスイングに置き換えると、助走は「テークバック」に該当します。

よく、テークバックでスイングプレーンをなぞるようにゆっくり丁寧にクラブを上げている人を見かけますが、これは助走でジョギングをしているようなもの。

ある程度速さのあるテークバックで、クラブ(シャフト)に「ある力」を蓄積させる必要があります。

それが「順しなり」です。

飛球線とは反対方向にシャフトがしなることを「順しなり」と呼びます。

ムチを想像するとわかりやすいと思いますが、ムチを速く振るためには、いったんムチの先端を目標とは反対方向にしならせる必要があります。

これと同じ現象を、ゴルフクラブにも発生させます。こうすることで、インパクトで最大のパワーを発揮する力をシャフトに蓄えたことになります。

反対に、テークバックでシャフトをまったくしならせないことは、走り幅跳びの助走がないようなもの。

1メートルも飛べれば御の字でしょう。

【踏み込み】グリップスピードを急減速してシャフトを逆しなりさせる

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前の項目で「順しなり」というパワーをシャフトに溜め込みましたので、これを何らかの方法で開放しなければなりません。

その開放した状態を、「逆しなり」と呼びます。

「逆しなり」とは「順しなり」とは反対に、シャフトが飛球線方向にしなることを言います。

「逆しなり」を起こした瞬間、クラブヘッドは急加速し、シャフト軸を中心にヘッドが閉じる方向に回転。同時にフェース面が上を向くことで「高弾道のつかまったボール」が飛び出します。

そして、この「順しなり」から「逆しなり」に変換させるための方法が、走り幅跳びにおける「踏み込み」にあたります。

では実際にどのように行えばいいのか?

それは「グリップを急激に止める動作」です。

先ほどのムチの話を思い出してください。

ムチを振るためにあらかじめ先端を後方に振りました(つまり「順しなり」を発生させた)。

ここからムチを前方に「ビュン!」と速く振るためにはどうすればよいでしょうか?

そうです。振る瞬間に手を止めるのが正解です。

速く振ろうと、いつまでも手を前方に振ったまま動いていては、ムチの先端は前に振られることはありません。

つまり急激なスピードとパワーをクラブヘッドに与える「逆しなり」を発生させるためには、そのパワーの源となる「順しなり」が必須であり、それを「逆しなり」に変換させるためにはインパクト直前で手に急激にブレーキをかけてグリップスピードを減速させる必要があるのです。

【跳躍】急激に加速したヘッドに引っ張られて大きなフォローになる

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急激に加速してインパクトを迎えたヘッドは、その勢いのままフォローからフィニッシュまで自然に動いていきます。

この動きを阻害しないためにも、しっかりとフィニッシュの形を取るようにだけ注意します。

決して途中で止めたりしてはいけません。上手くインパクト付近でヘッドが急加速すれば、フォローで腕が伸び、勝手に大きなスイングアークが作られます。

この3ステップを踏むことにより、クラブヘッドには大きな遠心力が働き、ボールには爆発的な力が加えられます。

ただ単に腕を速く振っても無駄だということがおわかりになったと思います。腕を振れば振るだけ、ヘッドが減速してしまうからです。

ゴルフクラブの機能を十分に理解していただいて、ご自身のスイングにぜひ取り入れてみてください♪