ゴルフスイング
Luke
下半身リードがゴルフを難しくしている!~A・スコットと石川遼の違いは?
こんにちは、ライターのLukeです。
『自分のタイミングでボールを打つ』という、ゴルフ上達のためのツボを外してしまう原因の1つが、下半身リードという身体の動き方です。
今回は下半身リードの問題点を、石川遼選手とアダム・スコット選手のスイング写真を使って説明します。
下半身の正しい使い方とは?
ゴルフスイングにとって、下半身の使い方は非常に重要なポイントです。
自分のタイミングでボールが打てるように下半身を使えれば、ゴルフは簡単になります。
ところがそこで問題になってくるのが、下半身リードというスイング理論。
下半身と上半身の捻転差でボールを飛ばす。手打ちにならないように、下半身が先導してダウンスイングを開始する。
このような下半身リードという考え方がゴルフスイングの基本になっています。
しかし最新のスポーツ理論と道具の進化から考えれば、逆に下半身を先行させないようにスイングしたほうが、ゴルフは断然簡単になり、スコアアップに直結するようになるのです。
その点を考えてみましょう。
下半身リードの真実を解説
この写真は石川遼選手のトップスイング。
一直線に伸びた左腕の延長戦上にボールが位置しているトップの形は、前の写真のアダム・スコット選手と同様の美しい形ですね。
このままダウンスイングに入れば、すんなりとスイングプレーンに乗って、タイミングよくボールを打つことができるのに、下半身リードだとそうは簡単にはいきません。
石川遼選手のスイングは下半身リードの動きなので、トップからダウンスイングに切り替わる時に、腰から先に「クィッ」と左側に回転しますが、腰が先行する動きに連れられて、実際は上半身も少し左に回転します。
その時に手元(グリップ位置)も一緒に動くので、ダウンスイングを開始する時は、写真のトップの位置よりも手元がアウト側に移動するはずです。
ここが大きな問題点です。
手元がアウト側の状態でダウンスイングを開始すれば、スイングプレーンよりもアウト側の軌道になります。
つまりカット軌道になるはずです。
ところが石川遼選手は、カット軌道のスイングにはなっていません。それはなぜなのか?
下半身リードを成功させるのは難しい!
石川遼選手のインパクトの写真です。
腰の向きがアドレス時よりも大きく左に開いていて、上半身もかなり開いた状態のインパクトになっています。
このインパクトの体勢では、どう見てもカット軌道のスイングになっているはずなのに、石川遼選手はドローヒッターなので、イン側からしっかりとクラブヘッドが入っています。
いったいどんなマジックを使っているのでしょうか?
実は石川遼選手は、下半身リードによってアウト側に移動しているはずの手元の位置を、そのままダウンスイングに入らずに、イン側にループさせるようにコントロールしています。
イン側にループさせるようにダウンスイングに入り、右肘が脇腹に当たるくらいに腕を絞ることで、開いた上半身でもカット軌道にならずに、イン側からスイングできるようになります。
このように不自然なくらいにイン側にループさせるスイングなので、下半身リードなのに、カット軌道にはならないのです。
しかしこの石川遼選手のような動き方は、非常に難しく、アマチュアゴルファーが簡単にマスターできるものではありません。
そもそもバックスイングとダウンスイングの動き方は、まったく別物になっています。
そしてなによりも、自分のタイミングで打つことは困難になります。
下半身を先行させなければスイングは簡単になる!
今度はアダム・スコット選手のインパクトの写真です。
下半身は石川遼選手のようには開いておらず、上半身もアドレスに近い状態。
このインパクトの形なら、普通にスイングしてもカット軌道にならないことが分かると思います。
トップの形が同じなのに、インパクトの形は大違い。
この違いを生み出しているのは、アダム・スコット選手が下半身リードを行っていないからです。
アダム・スコット選手は、世界で最もオンプレーンなスイングをする選手。バックスイングとダウンスイングの動き方は、ほぼ同じになっています。
このように下半身リードを意識しなければ、そして下半身に遅れないようにスイングすることができれば、石川遼選手のような難しい動きは必要ありません。
そして、『自分のタイミングでボールを打つ』というゴルフ上達のためのツボも、外さないように進むことができるでしょう。