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Fagio

もう100は打たない!常に90台で回るための考え方とは?

ゴルフを始めてから、なかなかできなかった100切りを一度経験してみると、徐々に90台で上がることができるようになってくると思います。

けれど、90台で喜々として上がる日もあれば、まだまだ100を超えたスコアを叩いて、シュンと頭を垂らしてしまうことも。

安定して100切りをするためには、それなりのスコアやショットごとの考え方を学び、現状の自分とどう違うのかを知る必要があり、それに向かって、練習や改善をすることが必要になります。

ここでは、安定して100切りをするのに具体的にどのように考えていったらいいのかをご紹介していきます。

90台で回るのに、飛距離は必要ない!

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「ティーショットでドライバーを持って、誰よりも飛ばしたい!」そう考える方は多いと思います。

しかし、安定して100切りを目指すなら、飛距離を伸ばそうと大振りするよりも、確実に次打を打っていける場所に打っていくことが必要になります。

力いっぱいフルスイングするよりも、7~8割程度の力でスイングするほうが、曲がりませんし、飛距離も安定します。

「300ヤードドライブ」は無理だとしても、せめて250ヤードは飛ばしたい……そう考える人もいると思いますが、ドライバーなら、200ヤードも飛べば実は十分です。

考えてみてください。例えば、350ヤードのパー4の場合、ティーショットが200ヤードも飛べば、セカンドショットでグリーンを狙う場合でも、ピンまで150ヤード。アイアンで、十分パーオンを狙えます。

また、ドライバーだけでなく、他の番手においても、「飛距離を伸ばそう」と考える必要はありません。

仮に、他の同伴者が150ヤードで7番アイアンを持つ人たちであるとしましょう。その場合、自分も7番アイアンで150ヤードを飛ばせるよう努力するのではなく、150ヤードが打てる6番アイアンを持てばいいだけの話なのです。

90台で回ろうと、スコアアップのため、飛距離を伸ばそうと日々練習に打ち込んでいる人は、根本的に考え方を変える必要があるのです。

90台で安定するためのスコアの考え方

90台で回り切るためには、パーを取る必要はありません。

計算してみてください。ボギーが9個、ダブルボギーが9個でも、トータル27オーバーの99点。見事に目標にしていた90台です。

「パーを取るために使用クラブを選んでいた」という人は、一度、その意識を捨ててみて、「トリプルボギー以上で上がらない」ことを目標にしてみましょう。

パーを取りにいってしまうと、パーを取らなければならないという強い気持ちが力みに変わり、スイングに影響を与えてしまう可能性があります。

力みのあるスイングはナイスショットにはつながらず、思い切りダフってしまったり、トップしてしまったりと、ミスショットを招いてしまいます。

それがハザードにつかまってしまったときには、狙っていたパーどころか、ダブルボギーですら上がれなかったという結果になりかねません。

「パーを取る必要はない。ボギーでいい」

この意識でいることで、無理をせず、安全なゴルフができるようになっていきます。

プロゴルファーでさえ、危ない場面では冒険をせず、刻むことが多いのです。

ボギーオン2パットでボギー、パターが入って1パットでパー、入らなくてもダブルボギー。

この方法でスコアを重ねていくことによって、意外と簡単に100が切れていきますよ。

90台で安定するための、ティーショットの考え方

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上記で飛距離について触れていますが、その考え方の通り、ティーショットについても、より多くの飛距離というのは必要ありません(遠くまで飛ばしたいという気持ちはわかりますが)。

90台で安定するために大切なティーショットとは、「トラブルになる場所に打たない」ことです。

7~8割の力で振ったドライバーなら、飛距離はなくともまっすぐフェアウェイをとらえていくのに、「飛ばしてやろう」と思い切り力の入ったスイングをしてしまうと、ボールが曲がってしまい、OBゾーンや、ペナルティエリアに入っていってしまう可能性があります。

ドライバーで200ヤードまっすぐに飛ばすだけでパーオンの可能性を残すのに、250ヤードや300ヤード飛ばすことを狙ったボールがOBになってしまえば、同じ場所から3打目として打ち直さなければなりません。

ローカルルールでプレイング4のティーを使う場合もありますが、ショートホール(パー3)でそのティーを使ってしまうと、パー3のホールで手前から4打目となってしまい、ダブルボギーに収めようとするには、とても狭き門になってしまいます。

ティーショットの役割は、飛ばすことではなく、グリーンに乗せるための次のショットを打ちやすくすること。それを意識してショットしてみてくださいね。

90台で安定するための、セカンドショットの考え方

セカンドショットでは、「頑張ってグリーンに乗せる必要はない」。これを覚えておいてください。

90台で安定するためには、「ボギーオン」を心掛けていきましょう。

もちろん、グリーン周りに何もなく、距離的にもパーオンが狙える状況であれば、狙っていっても構いません。そこでパーオンしてパーを取ることで、スコアに一つ余裕ができてきます。

けれど、アゴの高いバンカーや、少しでも奥に行ってしまうとOBになってしまうようなリスクが見て取れる場合であれば、セカンドショットで勇気を持って「刻む」ことも戦略の一つです。

また、ティーショットにも言えることですが、セカンドショットにおいても、自分の“持ち球”を把握しておくことが大切です。

曲がるボールには、左に曲がる「ドローボール」と、右に曲がる「フェードボール」がありますが、自分のボールが、実際に打ってみないとどちらに曲がるかわからないというボールでは、実戦で怖くて使うことができません。

自分の持ち球はドローボールで左に曲がるので、少し右端を狙って打つことで真ん中に飛んでいく、など、安心してショットを打つことが可能になります。

このボールの曲がりを安定させるには、スイングの安定が必要になりますので、その点を意識しながら日々練習していくことが大切になります。

90台で安定するための、アプローチの考え方

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パーオンを狙わず、セカンドショットを刻んで、グリーン周りまでボールを運ぶことに成功しました。

その次は、いよいよグリーンに直接ボールを乗せていく、アプローチショットです。

アプローチで最ももったいないことは、ショットしたときにダフってしまう「ザックリ」の現象と、トップしてしまい、グリーンに乗せるどころかグリーンを通過して、奥のラフやバンカーにボールが行ってしまうことです。

そのアプローチがボギーオン、ダブルボギーオンだったとしても、乗せて2パットでボギーかダブルボギーです。90台を切るためには、まだ許されるスコアなのです。

そのため、アプローチでは、「グリーンに乗ればOK」という、気楽な考えを持つことがいいでしょう。

もしできることなら、ピンの位置とグリーンの状態を見て、どこに乗せるのがパターが打ちやすいか考えながら打つことで、パット数を減らすことができます。

「1ピン以内に寄せよう」と狙う気持ちと技術は、90台のゴルフには必要ありません。あくまでも力を抜いて、練習通りにリズムを大切に打っていきましょう。

アプローチがダフったりトップしたりしてしまう人は、左体重にしてハンドファーストに構え、そのまま打つことで、それが解消されるかもしれません。トライしてみてください。

90台で安定するための、パターの考え方

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90台で安定するためには、パターを必ずしも1パットで入れる必要はありません。

むしろ、確実にボギーオンを狙ってボールをグリーンに乗せていけば、2パットでもボギー、3パットしてしまったとしても、ダブルボギーです。スコアの考え方からすれば、1パットが1ラウンドを通してないような状況でも、まだまだ90台が狙えるスコアです。

パターは、ドライバーを始めとした他のクラブとは打ち方が違うクラブですので、パター専用の練習をすることで、上達が見込めるクラブと言えます。

パターの上達を望む人は、プレー前の数分間だけゴルフ場の練習グリーンでパター練習をするだけではなく、自宅でも練習しましょう。

パターマットを購入し、毎日寝る前の15分を練習にあてるだけで、上達が見込めるでしょう。

ゴルフショップなどで販売されているパターマットは、平坦なものと、カップの手前が盛り上がって、途中から上り傾斜になっているものがありますが、初めのうちは平坦なものを取り入れるとやりやすいです。

本番のグリーンをイメージしながら、自分が狙った方向にまっすぐ打てているかどうかを確認し、短い距離から長い距離まで、打っていきましょう。

グリーンの速さはその日によって違いますので、「この振り幅で何歩」などの計測は、自宅練習では必要ありません。

「まっすぐ打つための練習」であるということを念頭におき、実践してみましょう。

バンカーは寄せずに“出す”ことだけを考えよう

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バンカーが苦手と感じている人は多く、特にグリーン周りのアゴが高いバンカーであると、1打で出なかったり、ボールに直接クラブが当たってしまい、狙った距離よりも大きく打ってしまう(いわゆる“ホームラン”)などで、ミスにつながってしまう可能性が大きいです。

バンカーを徹底的に避けたマネジメントができればそれに越したことはないのですが、避け続けていても、ミスショットが出てしまったり、風やアンラッキーな跳ね方をしたりして、バンカーに入ってしまうときもあります。

このとき、苦手だからといってその対策をしていないと、1打も2打も余分に打ってしまうこともあり、結果的にダブルボギーどころか、トリプルボギー、ダブルパーなど、大叩きにつながってしまいます。

バンカーを出す練習は、とても大事です。しかし、90台で上がるためには、必ずしもバンカーショットで「寄せる」必要はありません。狙いは、ただ「出す」だけでいいのです。

こう考えると、アプローチ同様、少し気楽にバンカーショットを打つことができませんか? 仮に、その1打でピンに寄っていってくれれば、これほどうれしいことはありません。

苦手な人は、バンカーショットであるからといろいろと難しく考えることはなく、いつもよりボールを左に置いて、少しだけフェースを開き、腰を落として下半身を安定させてから、狙った距離よりも大きめの振り幅で打ってみてください。

簡単に思えますが、これだけで、バンカーは出るようになりますよ。

90台で安定するためにしてはいけないことは?

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いろいろと一打一打のショットについて記載してきましたが、どのショットにおいても、90台で安定するために“最もしてはいけないこと”をしないように気を付けていきましょう。

それは、OBです。

ティーショットの部分でも少し触れましたが、OBを出すことは、前進もできず、ペナルティをもらい、その同じ場所からもう1打を打たなければいけない、とてももったいない行為です。

どんなにドライバーショットが飛んだとしても、曲がって白杭を越えれば、それはOBとなってしまい、打ち直しとなります。

グリーンのギリギリのいいところを狙ったセカンドショットでも、距離感が違って横や奥にある白杭を越えてしまえば、それは同じくOBとなってしまいます。前進することはできません。

「右にOBをするくらいなら、左の池に入れたほうがいい」と言うゴルファーもいるくらいです。そして、それもひとつの立派なマネジメントです。

池に入ってしまっても、少なくとも前進はできる上に、3打目としてプレーが再開できるのです。運が良ければ、池に入らずに、無事にセカンドショットを打つことも可能になります。

90台を安定して出すためには、まずはOBをなくす、または減らすこと。これを意識して、各ホールの戦略をしっかりと立てていくことが重要になります。

ナイスショットがなくても100は切れる!

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いろいろと記述してきました。そしてここで、もうひとつ重要な考え方があります。

それは、「90台で上がるためのショットに、ナイスショットは必要がない」ということです。

エッと驚いた方もいると思いますが、これは事実です。

ゴルフは、ミスのスポーツです。あれだけ安定してアンダーパーで上がってくるプロゴルファーでも、実は狙った距離を打てていないなど、18ホールの中で、ミスを何度もしているのです。

ドライバーでティーショットを打ったとき、ボールが上がらず、地面を這うような低いボールが出てしまったとします。

しかし、これもOBにさえならなければ、打った場所より前進していますし、ボールは意外と転がっていく場合がありますので、同伴者と変わらない位置でセカンドショットを打てる可能性があります。

逆に、高く上がり過ぎてしまって距離が稼げない、「テンプラ」のボールが出てしまったとしましょう。

これも、そのままOBにならなければ、いつもより少し距離が出なかっただけで、どのみちセカンドショットは刻むことも選択肢の一つのため、2打目3打目で十分リカバリーができるものです。

ゴルフの100切りに、誰もが歓声を上げるような「ナイスショット」が必要ではありません。大切なのは、そのあとのリカバリーなのです。

80台を出すために大切はことは?

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さて、ここまで、100を切り、90台をコンスタントに出す考え方や方法を詳しく見てきました。これを実践することで、90台は出していけると思います。

しかし、世の中には、90台だけでなく、80台、70台を安定して出している、さらに上級者たちが存在します。

彼らと、90台を出したい人たちとの、どんな違いがあるのでしょうか? まずは、80台を安定して出す人たちです。

80台を安定して出す人たちは、「アプローチ」を重視しています。

80台を安定して出すには、すべてのホールでボギーを取っていって、どこかでパーを取る、というスコアの考え方がいいです。

すべてボギーオン2パットを狙っていけば、パーオンするのか、1パット圏内にアプローチが寄っていくのか、とにかくパーチャンスはめぐってきます。

ボギーでいいやと思いながら、そのパーチャンスで確実にパーを取ることができれば、もう80台となります。

パーチャンスを引き寄せるためには、アプローチが鍵となります。

90台を安定して出すのに、アプローチの精度は必要ないと記載しました。正しくは、近くに狙って寄せていくのではなく、乗ればいいという考え方です。

しかし、80台を出していく人たちは、そのままではいけません。そこに到達するのに必要なのは、アプローチです。

同じボギーオンにしておいて、アプローチでいい場所につけることができれば、パーチャンスが増えていきます。

90台を出したい人たちと80台を出したい人たちには、この点に違いが生じています。

70台を出すために大切なことは?

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それでは、もっと上の、70台を狙っている人たちにとって大切なことはなんでしょうか?

70台ともなると、79点でも全体で7オーバー。これを安定して出せるようになり、ハンディキャップが減っていくことで、多くのアマチュアゴルファーが目指す存在である、「シングルプレーヤー」となれます。

ここを狙う人たちに必要なのは、ドライバーの飛距離と、パターです。

90台を出したい人たちに「捨てろ」と言った飛距離が、ここにきて必要になってきます。もちろん、曲がらずまっすぐの飛んでいく弾道で、かつ飛距離が必要です。

フェアウェイにボールを置ければいいという考えではなく、狙った位置にボールを置くことが重要になります。そこから、セカンドショットで、グリーンを狙っていきます。

ただ、飛距離がなくても70台を連発する人もいます。そういった人たちは、2打目のフェアウェイウッドやユーティリティなどのロングショットの精度が高いです。

いずれにせよ、ドライバーやフェアウェイウッドなどの長い距離を打つクラブが得意でないと、70台は厳しいでしょう。

また、パターも重要です。

70台を出すためには、79点でも7オーバー、均等に回ったとしても、前半3オーバー、後半4オーバー(またはその逆)のスコアが必要です。ハーフ9ホールですので、半分以上をパーで収めなければなりません。

そのような中で、せっかく狙った通りにパーオンしたにも関わらず、3パットしてしまったとなると、ボギーが一つ増えてしまいます。

「3パットはグリーン上のOB」という言葉も存在します。OBは、90台を出したい人でも、やってはいけないことだったはずです。

クラブを変えてみることも一つの選択肢

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ボールが思ったように飛ばない、ゴルフが上達しない、そんな原因の一つにクラブとの相性があるかもしれません。

特に、初めはいい感じで振れていて気に入っていたのに、ゴルフ歴が長くなるにつれて、振りづらくなってきたという方は、クラブとの相性を見直してみましょう。

人間はクラブと同じように作られたものではないので、同じクラブで同じように振っていても、時が経つにつれ、筋力の向上や低下などにより、使用クラブが合わないクラブになってしまっている可能性があるのです。

もし、クラブを握ってもしっくりこないと感じる場合は、思い切ってクラブを買い替えることで、ゴルフが上達するかもしれません。

クラブ選びは、スイングを磨くのと同じくらい重要だと言えます。どんなに美しいスイングを身に着けたとしても、クラブが合っていなければ、ボールを正確に前に飛ばすことは難しくなります。

自分で調べてみるのもいいですし、ショップの店員やゴルフに詳しい人に聞きながら、クラブ選びをするのもいいです。

クラブを変える際は、しっかりと試打をして、感触を確かめてから買いましょう。

まとめ

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90台を安定して出したい人に向けて、その考え方を中心にご紹介しました。

100がコンスタントに切れてくると、ゴルフがどんどん楽しくなっていきます! 90台で安定するようになったら、80台、70台と、いまは想像がつかないかもしれませんが、その世界を目指して、ゴルフの腕を磨いていってくださいね。