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ゴルフスイング

下田信司

インパクトのオーバーハンドアップを修正して圧倒的に上達しましょう!

最新の科学的な検証によると、ボールが曲がる原因としては、スイング軌道のミスよりもインパクトでのフェースの向きのミスのほうがはるかに影響が大きいということが解明されています。

つまり、単純にアドレスでターゲットに対して真っすぐに構えたフェースの向きが、インパクトで再現できないからボールが曲がるというわけです。

この事実から、ボールを狙ったところに真っすぐに打つためのスイングでは「アドレスで構えたとおりの向きに正確にクラブフェースを戻す」ということが一番重要だということが分かります。

文字にすると簡単ですが、そこが難しいと思われているゴルファーの方は多いはずです。

今回は、そんなゴルファーの方が少しでもシンプルにスイングできるように、ボールが曲がる原因とその改善方法について深く踏み込んで考えてみたいと思います。

インパクトでアドレスのフェース向きを再現するために押さえておくべき2つの関係性

インパクトで正確にアドレスのフェース向きを再現するための正確なスイングをするためには、次の2つの関係性を理解しておく必要があります。

1.インパクトでのフェースの向きとシャフトの角度との関係

2.切り返しの動きとインパクトでのシャフトの角度との関係

この関係性を理解することで、ミスの原因だけではなく、ゴルフスイングの真実というものが見えてくるはずです。

インパクトでのフェース向きとシャフト角度の関係

通常、ダウンスイングからインパクトでは、振り下ろすクラブにスピードがつくためクラブが先のほうに倒れる(ヘッドが前方に垂れ下がる)トウダウンという現象が起きます。

そのためインパクトでのシャフトの角度は、アドレス時のシャフトの角度より少しだけ立った形になります。

身体の動きで言うと、アドレスした時よりもインパクトの方がややハンドアップの形になるということです。

このトウダウン(ハンドアップ)の動きによって、クラブフェースは開く動きになります。

しかし、それと同時にダウンスイング~インパクトではシャフトのしなり戻りでクラブフェースが閉じる動きも加わってきます。

スピードがついたスイングでは、このトウダウンによるフェースが開く動きと、シャフトのしなり戻りによるフェースが閉じる動きが相殺されてクラブフェースが真っすぐなインパクト、つまりアドレスのフェースの向きが再現されたインパクトが作られます。

フェースの向きを狂わせるオーバーハンドアップ

しかし、多くの方が、ある動きのミスによってこのインパクトのハンドアップの動きが大きくなるという変則的な動きをしています。

いわゆる上の写真のようにアドレス時よりも大きく手元が浮いたインパクトです。

この動きを私の理論ではインパクトのオーバーハンドアップと呼びます。

私は、このインパクトのオーバーハンドアップの動きがクラブフェースをアドレスでセットした向きに正確に戻せない最大の原因であり、さまざまなミスの連鎖を生む根本的な原因であると考えています。

ボールが左右に曲がるメカニズムと上達を妨げるサイクル

先ほどご説明したように、ハンドアップの動きによってクラブフェースは開く動きとなります。

ハンドアップの動きが大きくなると、それによってクラブフェースの開きも大きくなります。

つまり、オーバーハンドアップの動きになるとインパクトでアドレスのフェースの向きが再現できず、ボールがつかまらないスライスボールのミスが出てしまいます。

次にスライスとは逆のフック系のミスというのは、このオーバーハンドアップからのフェースの開き過ぎによるスライスのミスを防ごうとして、強引に手(クラブフェース)を返すことで生まれるミスだと考えられます。

つまり、左右どちらのミスもまずはオーバーハンドアップの動きが元になっているということです。

そして、その両方を経験した後に陥ってしまうのが、右ミスを嫌がって左、今度は左ミスを嫌がってまた右というミスの連鎖を引き起こすサイクルです。

まさにそのサイクルから抜け出せなくなってしまうことで、上達できない迷路にどっぷりとハマってしまうのです。

切り返しの動きとインパクトのオーバーハンドアップとの関係

ボールが左右に曲がる迷路から抜け出すためには、根本的な原因であるインパクトのオーバーハンドアップの動きを修正するしかありません。

そこで、2つ目のトップからダウンスイングへの切り返しの動きと、インパクトのオーバーハンドアップとの関係性を理解することが重要になります。

先ほど、ある動きのミスによってハンドアップの動きが大きくなると書きました。

そのある動きのミスとういのが、トップからダウンスイングへの切り返しの動きのミスです。

切り返しの動きのミスとは、バックスイング上げたクラブ(シャフト)の軌道よりも切り返しでクラブ(シャフト)を立てて下ろしてしまうことです。

切り返しでクラブが立つと上の写真のように上げたクラブ軌道(赤ライン)に対して下ろすクラブ軌道(青ライン)がクロスした形になります。

この現象を私の理論では切り返しのミスからのクロスダウンと呼んでいます。

実はこの切り返しのミスからのクロスダウン現象こそが手元が浮いたインパクトになる唯一の原因なのです。

この切り返しでクラブが立つ動きが大きくなるほどクロスダウンの動きも大きくなり、それに比例してインパクトでのハンドアップの動きも大きくなります。

切り返しがよくなればインパクトのオーバーハンドアップも改善される

逆に切り返しでクラブが立たなくなれば、クロスダウンの動きも修正され、自然にインパクトのオーバーハンドアップも抑えられます。

そうなるとインパクトでのフェースの向きも、アドレスでのクラブの向きを再現でき、ボールは曲がらなくなります。

つまり、ボールが曲がる問題は切り返しの動きをよくすることでほぼ解決できるということです。

オーバーハンドアップが直ればミート率が上がる

このオーバーハンドアップを抑えたインパクトになると必ずミート率が上がります。

また、ミート率が上がることで飛距離も伸びます。

ミート率が上がり飛距離が伸びると当然スコアメイクも楽になります。

そういう意味で、インパクトのオーバーハンドアップを修正することがゴルフ上達への一番の近道になると言っても過言ではありません。

ボールが真っすぐに飛ばないとお悩みの方は、ぜひご自分のインパクトがオーバーハンドアップになっていないかをチェックしてみることをおすすめします。