ゴルフスイング
飛太郎
ゴルフスイングの微妙なロジックたち 「蹴り足」編
こんにちは! 飛太郎です。
今回はズバリ「蹴り足」についてお話しします。
これも頻繁に耳にし、また目にするロジックかと思います。
恥ずかしながら、飛太郎自身はコレが一番理解するのに時間が掛かりました(笑)。
足のどこで? 何を? どのようにして? 蹴れば良いのか。
それでは今回もご一緒に参りましょう!
足で地面を蹴る、それはわかるのだけど……足のどこで?
「蹴り足」なのだから当然、足の裏で地面を蹴るわけですが、まず疑問符が付くのは「どこで蹴れば良いか?」という部分ではないでしょうか?
一口に「足の裏」と言っても、部位はいろいろあります。
つま先・母指球(ぼしきゅう)・小指球(しょうしきゅう)・土踏まず・カカト……どこで蹴れば良いのでしょう?
例えば写真のように、僕らが普段から何の疑問も持たずに行っている「歩行」でも、地面を蹴っています。
多くの方が無意識かと思いますが、最後まで地面に接地しているのは、ここではつま先になりますね。
では蹴っているのは「つま先」でしょうか?
もちろん、広義ではつま先も含まれるでしょう。
しかし、最後まで地面に接地しているのがつま先でも、筋力の関係上つま先だけで「エネルギーを地面に伝える」のは、短距離走などのアスリートでもない限り難しいんです。
意識すべきは「母指球」
ゴルフにおいても歩行においても、「どこでエネルギーを集約し、地面に伝えているか」がとても重要になってきます。
その役割を担うのはズバリ、「母指球(親指の付け根から土踏まずの間の隆起した部分)」です。
歩行の際も、立って姿勢を保持している時も、もちろんゴルフスイングでも、この母指球が大いに仕事をしてくれています。
ですから、このロジックはストレートに受け取ると誤解しやすいと感じます。
「蹴る」という表現は「エネルギーを地面に伝える」と置き換えると理解しやすいかも知れません。
では、次に疑問符が付くのは「どうやって蹴れば良いか?」ですね。
ここで重要になってくるのが、アドレスからフィニッシュに至るまでの「体重配分」だと僕は考えています。
地面にエネルギーを伝える蹴り足、そのために必要な備えとは?
写真はマキロイ選手の切り返し場面ですが、両脚のつま先、そして両脚の膝にご注目いただきたいです。
つま先、カカトのどちら寄りに体重は配分されているでしょうか?
これもズバリ母指球であり、ややつま先寄りと言えます。
なぜそう言い切れるか、ご説明します。
1つ目に、まず前傾角度が適正に保持されていること。
もしもカカト寄りに荷重が乗っているのなら、マキロイ選手ほどのスイングテンポ・スイングスピードであれば、遠心力に引き起こされ、起き上がるような形で前傾角度が崩れるでしょう。
2つ目に、両膝の角度。
これも、もしカカト寄り荷重であったなら、いかに強靭な足腰をしていても右膝はどうしても伸び上がる動きをします。
3つ目に、これはわかりづらいかも知れませんが、切り返しの時点で両脚のカカトがほんの少し浮いていることが確認できます。
カカト荷重であれば、少なくとも右足カカトはこの時点で接地しているはずなのです。
マキロイ選手の蹴り足が強烈なのは皆さんご存知の通りです。
彼がそのための「備え」としてまず母指球に主軸を置いていることは、ここでご理解いただけるのではないでしょうか。
「どうやって蹴れば良いか」というよりも、こうして母指球に荷重を置くことができていれば、歩行と同じように自然と地面を蹴ることはできます。
ただし……コレがなかなかキツいんです。
母指球を上手く使うためには……?
僕の知人のプロゴルファーは、「つま先6に対してカカト4」といった配分でアドレスしていると言います。
上述したように、母指球を上手く使うためにはそうする必要があるんですね。
「本当のゴルフスイングは結構キツい」と言われるゆえんには、実はこの母指球に秘密があります。
なぜならつま先寄りの体重配分にするためには、ふくらはぎや太腿、お尻の筋肉を上手く活用しなければならないからです。
そうなると、ある程度の筋力が求められます。
ゴルフにおいて「上半身より下半身を鍛えろ」と言われる理由は、ここにも大きな理由があるのかも知れません。
※もちろん、カカト寄りの荷重で上手くショットできる人もたくさんいらっしゃいますし、「こうでなければならない」というものではないと僕は思います。
ゴルフにおいて、方向性と飛距離を両立させるために「前傾角度」は命です。
そしてその前傾角度を維持するには、母指球で上体を支える。
母指球で支えるからこそ、「蹴り足」が実現できる。
……と、こう連鎖反応を示してくれるのだと僕は考えています。
腰と背中を故障してからずっとカカト荷重だった僕は、前傾角度の安定と蹴り足の体感がなかなかシックリこない時期をずいぶん長く過ごしました。
そんな僕が「これだ!」と実感したのが、この母指球のチカラを借りた瞬間です。
ぜひ一度お試しください。
それではまた! 飛太郎でした。