ゴルフスイング
飛太郎
「小さいから飛ばない」は言い訳?小柄な「世界一」から学ぶスイング
こんにちは! 飛太郎です。
僕も参加させていただいている、ドライバーの飛距離を競うドラコン競技。
皆さんはどのようなイメージをお持ちでしょうか。
プロレスラーのように大きい人が、力任せに、ただ飛ばすだけの世界…
そうお考えの方もきっと多い事でしょう。
日本国内の強豪選手にも事実そういった方が存在し、そして規格外のパワーを発揮されています。
ですが昨今では、その限りではなくなりつつあります。
今回ご紹介させて頂くのは
そういったイメージを払拭するに十分な、一人の「世界一」の選手です。
力とは? スイングとは? スピードとは?
彼の姿を見る事で、それらをより正しく、そしてシンプルに理解する事ができるかも知れません。
「ゴルフは飛距離だけではない」という方にも一見の価値ありです!
きっと素晴らしい気付きが得られる事、請け合いです。
「力」とは筋力だけではない、それを体現した選手
カナダ出身の若きゴルファー、ジェイミー・サドロウスキー選手。
身長180センチ、体重76キロ。
2メートル前後の巨人ひしめく、世界のドラコン界では本人も認める通り、明らかに小柄。
一見すると細身でさえあるその身体。
それでもその身体から繰り出される強烈なスイングは、彼を2008、2009年の二度にわたり世界王者へ導きました。
ドライバーショットの公式最長飛距離はなんと475ヤード!
彼が他の筋骨隆々な超人たちを凌駕し、一度目の世界王者に輝いた時、それまでの「飛距離は絶対的な筋力、質量で出す」という概念は覆りました。
もちろん、誤解なきよう。
「力」が必要ないという事ではありません。
大きな体躯、ずば抜けた筋力は、それだけでも素晴らしいアドバンテージである事は曲げようのない事実だと僕は考えています。
しかし「力」とは、一体どのようなものなのか。
「筋力」だけなのか、そうではないのか。
それらを根本的に見直すのに、彼の出現は十分過ぎるほどに鮮烈であったと考えます。
そこに一つの気付きを得られたなら、ラウンドや競技ゴルフの別を問わず、大きな進歩を刻む事ができるのではないか?
僕はそう確信したと同時に、自身のドラコン競技参加への勇気を、彼からもらいました。
あらゆる「力」を最大限に発揮する
彼のスイングで注目すべきは、その「力」の生み出し方にあります。
表面的に見てしまうと、彼のダイナミックで柔軟な動きに驚嘆するだけで終わってしまいますが、ぜひ何度も見ていただきたいのです。
彼がその超人的な飛距離を、いかにしてその小柄な身体から繰り出しているのか。
アドレスからテークバック、トップ、ダウンスイング、インパクト、フォロー…
それらすべての工程で、彼は他の選手に比べて適度にリラックスしている事にお気付きでしょうか。
飛ばしに圧倒的な力感が必要だというのなら、彼はその理論とは対極にいます。
しかし彼は世界チャンピオンになった、という事実。
私見ではありますが、すべてのゴルファーのヒントになる要素が、彼のスイングには含まれています。
地面反力、重力、遠心力、捻転力など、脚力や腕力という類のもの以外の力を、彼はフルに稼働させる事ができるのです。
もちろん、それらの力を活用するための筋力や瞬発力は必要でしょう。
ゴルフがスポーツである限り、ゴルファーがアスリートである限り、鍛錬は必要不可欠です。
しかし彼は、体重76キロの人間でもそれらを十分に活用できたなら、これだけの事が実現できると証明してくれています。
世間で飛び交う「飛距離は必要か、不要か」という議論も不毛であると考えざるを得ません。
決して「飛ばなきゃダメ」などという暴論を述べるつもりはありませんが、「自分は非力だから飛ばない」と諦めるのは余りにも早計だと僕は思うのです。
そして、もし今よりもっと飛距離を伸ばせるのだとしたら…もったいないとは思いませんか?
スイングに必要な「力」とは何か?
それを見直せば、きっともっとゴルフは楽しくなるに違いありません。
並みいる巨漢を飛び越えた「小柄な世界一」が、僕らに大きな可能性を示してくれているのですから。