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ゴルフスイング

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なぜオーバースイングになるの?原因と治すための3つの練習方法

自分では普通にスイングをしているつもりなのに、「オーバースイングですね」と言われたことはありませんか?

「そんなことない」と思いながらも、自分のスイングの動画などを観てみると、振っているイメージとはまったく違ったスイングをしている自分が映っていて、そこで初めて、オーバースイングになってしまっているんだ、と気付く人も多いようです。

そもそも、オーバースイングになる原因には何があるのでしょうか? オーバースイングを治したい場合の練習方法も一緒に見ていきましょう。

オーバースイングとは

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普通にスイングをしているつもりでも、いつの間にかそうなってしまっているオーバースイングとは、一体なんなのでしょう?

オーバースイングとは、バックスイングの際に、必要以上に大きく振りかぶってしまうことをいいます。その振りかぶりが極端に大きな場合は、テークバックした時の視界の左端に、なんと自分の振り上げているクラブヘッドが見えてしまうことも。

そしてそれは、通常のスイングでは飛球線方向に並行か、やや左を差すレイドオフの形が美しいとされている中で、右を向いてしまう「シャフトクロス」の形を取ってしまうことも。

シャフトクロスは、スライス、引っ掛け、ダフリなど、良くない結果を生み出してしまうと言われています。

少しでも遠くに飛ばしたくて、その気持ちからクラブを振り上げてしまう人もいるようですが、オーバースイングをすることにより、その飛距離が失われてしまっているかもしれません。

また、大きく振りかぶるのは良いものの、アドレス時の位置に上手く手が戻ってこず、ボールがフェースに上手くヒットしないことも。

オーバースイングは様々なミスショットの原因となってしまう可能性があるのです。

オーバースイングをしているプロゴルファーもいるけど……

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様々なミスショットの原因となってしまう可能性があるといっても、すべてのオーバースイングが必ずしも悪いものだとは言い切れません。

実際に、テレビ中継や試合会場でトーナメントを戦っているプロゴルファーを見てみると、オーバースイングをそのままに戦っている選手も多くいます。

日本人では横峯さくら選手、福嶋晃子選手、海外ではババ・ワトソン選手、ジョン・デーリー選手などが有名です。

しかし、彼ら彼女らは、決して飛距離も安定性も他の選手に劣ることなく、むしろ“飛ばし屋”と称賛されている人たちです。

これを見ると、「オーバースイング=悪いもの」、とは決して言い切れないですよね。

実は、上記で例に挙げた横峯さくら選手ですが、トップこそオーバーになっているものの、その後の流れはスイングプレーンにしっかり乗ったダウンスイングで、インパクトを迎えています。

オーバースイングのトップからダウンスイングに入る瞬間、上半身と下半身の捻転差が最大となり、そこから、低くてランの出るパワーフェードが生まれます。

高めのドローボールで飛距離を稼ぐ女子プロが多い中、横峯さくら選手は、ドローボールに比べると飛距離の落ちるフェードをあえて低く打つことにより、ボールが落ちてからのランを多く稼いでいます。

フェードボールの特徴は、グリーン上でもボールが止まりやすいこと。2打目をウッドのクラブで打ったとしても、しっかりとグリーンを狙って打っていける強さがあります。

ジュニアゴルファーに時々見られる、インパクトゾーンでジャンプをすることでクラブのヘッドスピードを加速させる動きも特徴的。

彼女を見ると、ついトップの大きさでオーバースイングに目が行ってしまいますが、基本に忠実なスイングであると言えます。

一口にオーバースイングと言っても、彼女の場合は、トップをオーバーさせることにより、良いリズムでスイングをしているため、良いオーバースイングをしていると言えるのです。

なぜオーバースイングになるの? その原因

では、上記の横峯さくら選手とは違い、治したほうが良いオーバースイングとはどんなものでしょう?

そのようなオーバースイングになってしまう主な原因を3つに分けて考えてみました。

1.スイングのゆるみが多い

オーバースイングとは、文字通り、通常のスイングより大きく動いてしまっている部分があるため、発生するものです。

スイングをする際、ゆるみやすいのは、膝、左肘、手首の三点です。

身体を捻転させろと言われたことがある人もいると思いますが、その捻転を意識し過ぎてしまうことで、膝がゆるんでいる人も見受けられますし、テークバックの際、左肘を身体に巻きつけるように曲げ過ぎてしまい、肘がゆるんでしまっていることも考えられます。

左肘がゆるんでしまうと、右肘が身体から離れて浮いてしまい、余計に大きく振り上げてしまいます。

そして、トップの位置で手首がしっかり固定できず、ゆるんで曲がり過ぎてしまっている場合も、クラブやクラブヘッドの動きが大きくなってしまい、結果、オーバースイングになってしまうのです。

2.手が主体になっている

オーバースイングの2つ目の原因として、「手打ち」でスイングしてしまっていることが挙げられます。

トップで左肘が大きく曲がってしまっている人、このような人は、手打ちでスイングをしてしまっている可能性が高いです。

バックスイングで左肘を大きく曲げてしまうと、その曲げた分をダウンスイングのどこかで伸ばさなければならず、振り遅れなどの原因につながります。

スイングをする際の大きなポイントとして、腕と下半身が同調していること、という点があります。

腕に目いっぱい力を入れてボールを打ちにいくのではなく、下半身の捻転や切り返しの動きに合わせて、腕が同調して振られるものが、理想のスイングと言われています。

腕の力を使うとその力で大きく飛距離が出ると勘違いされがちですが、下半身の捻転のパワーをボールに伝えたほうが、安定して大きな飛距離を出すことができるのです。

バックスイングの際、体重移動を伴わなかったり、スウェーしてしまっている人も、身体が同調せず、手打ちになってしまっているかもしれません。

自分は何が原因で手打ちになっているかをしっかり見極めることが大切でしょう。

3.バックスイングのテンポが早過ぎる

テークバックをしたときにトップのポジションで必要になることが、肘と手首で、クラブの惰性にストップをかけることです。

個人個人のリズムにもよりますが、腰を切り返してダウンスイングに入るきっかけを、このストップで作っている人も多くいます。

しかし、特にバックスイングのテンポが早過ぎる場合、ストッパーの役割をする肘と手首が遠心力の大きくかかったクラブを支え切ることができず、クラブは大きく上がり、トップが深くなってしまいます。

結果、オーバースイングになってしまうのです。これは、特に腕力のない女性のオーバースイングに多い原因となるようです。

オーバースイングを治すための練習方法:アイアンで連続素振り

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自分がオーバースイングになってしまっていると気付いたとき、どんなオーバースイングの治し方があるのでしょうか?

いくつか紹介しますので、試してみて、自分のやりやすいもので練習してみてください。

まずは、アイアンを持ちましょう。

使うのは、ロングアイアンでもショートアイアンでも良いですが、短いほうが振りやすく、感覚を身に着けることができると思います。

特にこだわりがなければ、ピッチングウェッジや9番アイアンを持ってください。

用意ができたら、アドレスを取り、リズム良く、バックスイングからトップ、ダウンスイングまで、クラブを振ります。

そしてそれを、一度だけでやめるのではなく、何度も止まらずに繰り返しましょう。

これは「連続素振り」というもので、実際にしてみると分かるのですが、軸が安定し、良いリズムで振れるようになり、切り返しのタイミングが自然に身に着くなどの効果のある練習方法です。

これをすると、テークバックの時間が無意識に短くなり、テークバックの後半で余計な動きができなくなり、オーバースイングの度合いが減っていくのです。

オーバースイングを治すための練習方法:低い位置からフルフィニッシュ

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次に、肘と手首の関節を曲げ過ぎていることによるオーバースイングに効く練習をご紹介します。

スイングを正面(顔が正面から見える位置)から見て、スイングの腕の振りを時計盤にあてはめ、テークバックを8時~9時の場所に持ってきます。それ以上は腕を上げず、腰を切り返してフィニッシュをしっかり取る、という練習です。

始めはそのような低い場所からフィニッシュに持っていくのに違和感があると思いますが、反復練習を繰り返すことで、身体が自然と慣れていきます。

ポイントは、腕の力を抜いて、腰の切り返しに引っ張られるような形で腕を下ろすということ。

腕や身体の反動を利用しなくても腰の切り返しが行えるということを体感できます。

それが体感できた後の段階として、腕を8時~9時の位置に持ってきた段階で、手首のコックを入れてみましょう。手首は、横にも縦にも曲げることができますが、正しいコックは縦に動かすものです。

このコックを入れることで、クラブヘッドが上がり、シャフトライン上にクラブが上がります。

肩を無理に大きく入れなくてもクラブが上がるため、身体を必要以上に動かす必要もなくなり、オーバースイングの改善につながります。

オーバースイングを治すための練習方法:テークバックのリズムをゆっくりにする

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最後は、自分のテークバックのスイングリズムを見直してみるというものです。

オーバースイングになっている人の多くは、テークバックでクラブを早く振り過ぎて、ストッパー役である肘や手首によるストッパーがかからず、オーバースイングが起こってしまっているということは前述した通り。

これをゆっくり上げることを意識するだけで、クラブの遠心力に負けず、しっかりと肘や手首でクラブを支えることができます。

上げる位置の目安としては、上げたときのシャフトが、飛球線に対してまっすぐか、やや左を向く位置です。

ゆっくり上げても遠心力はかかり、クラブが流れていってしまう慣性が働きますので、意識した位置よりも少し下のイメージで、スリークォーターか、ハーフスイングくらいで止めるイメージを持てば、ちょうどいい位置でトップが作れると思います。

人によっては、その位置を「物足りない」「もうちょっと上げればもっと飛距離が出るのではないか」と不満に思うかもしれません。

けれど、トップの位置をコンパクトに抑えることで、身体のバランス、軌道のズレが起きにくくなり、スイングの再現性が増すことになります。

そのためには、少し物足りないと思っても、ゆっくりと一定のリズムでテークバックを取るようにしてみてください。

早く振っていた時とのボールの違いがわかると思いますよ。

まずは自分がオーバースイングなのかどうかをチェックすることから始めよう!

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アマチュアのゴルファーで、オーバースイングになっていることに気付いてすらいない人は、数多くいます。

オーバースイングは、一見飛距離が出て飛ばすことに有効に思えますが、振り遅れやスライスやダフリなど、様々なミスの原因になりかねないスイングです。

プロゴルファーで、あえてオーバースイングを取り入れている人以外は、それを治すことで飛距離アップやスコアアップにつながります。

オーバースイングになってしまっている原因や、その練習方法は様々あります。

まずは、自分のスイングはオーバースイングなのかどうか、なっているのならば何が原因なのか(複数の動きが原因になっている場合もあります)、それを治すためにはどういった練習方法を取り入れるといいのか、一つ一つ確認しながら実践していくといいでしょう。