ゴルフスイング
Yanagi@TPIトレーナー&ドラコンプロ
スイングが整わない原因はスキル不足?練習不足?プロの目で原因を解明せよ!!
Gridgeをお楽しみの皆さん、こんにちは!! TPIトレーナー&JPDAドラコンプロのYanagiです。
ようやく春が近づき、日々の練習にも熱が入ってきたのではないでしょうか?
冬の間に、筋トレをして飛距離アップを目指した人、寒さに負けず練習場で打ちこんできた人、ゴルフシーズンの開幕が楽しみですね!!
さて今回は、みなさんの上達を加速させるために必要な身体とスイングの関係について、「TPIトレーナー」という立場から、世界的なレッスン基準で解説していこうと思います。
思い通りのスイングができないのは、練習不足だから? いえいえ……もっと別の場所に原因があることが多いのです。
目次
ドローボールで飛距離を伸ばしたいAさんの場合
今回の記事では、「ドローボールを打ちたいAさん」というゴルファーを例にして話を進めていきましょう。
「Aさん」は熱心なゴルファーで、ハンディキャップはシングルの腕前。目標は高く「クラチャン」になること! 美しいスイングで安定したフェードが持ち球です。
一方でフルバックでの競技となると、やや飛距離不足を感じる今日この頃……。
ティーショットでアドバンテージを取り、セカンドはミドルアイアン以下でチャンスを作っていきたいのですが、セカンドでどうしても飛距離が残ってしまいます。
パーオンこそするものの、バーディーチャンスとはいきません。
もちろん、ロングアイアンの精度を上げていくことも選択肢の1つですが、ライバルと比べアイアンの精度は悪くありません。
むしろ安定したフェードが持ち球ですから、精度では勝っていると感じることが多いでしょう。
となると、やはりドライバーの飛距離を伸ばしたい……。
左ドッグレッグのパー5はビッグドローで2オン&イーグルチャンスを作っていきたいと考えています。
黙々と「ドリル」に取り組むAさん
幸いにもアマチュアゴルファーの多くが「スライス」に悩むため、「ドローボールの打ち方」や「ドローボール習得のドリル」といった情報は、ネットやゴルフ専門書にあふれています。
また競技ゴルファーとしてゴルフ場での知り合いも多く、片手シングル(ハンディキャップ5以下)や所属プロとゴルフ談義をすることもありますから、「ドローボール」を打つためのコツやテクニックの情報収集に困ることはありません。
「なるほど……」
Aさんは、いろいろな情報の中から「自分に合いそうなドリル」を3つほどピックアップして練習することにしました。
もちろん、シングルゴルファーのAさんですから、世の中にあふれたゴルフ情報の中から、「正しい知識」をピックアップしています。
練習熱心なAさんは、飛距離アップに向けてドローボールの習得を目指し練習場へ向かいました。
今回Aさんは、「もっとシャローに打てるスイング」を習得することを目指し、黙々とドリルに取り組みます。
ドリルに取り組み始めた1ヶ月後のAさん
どんなに仕事が忙しくても、週に2回は練習場へ足を運びました。
そして、練習時間の多くを「ドロー習得ドリル」に割き、わずかながらもスイングの変化を感じています。
練習場では、納得のいくドローボールを打てることも多くなってきました。
「このままいけば、春までにはドローが身に付きそうだ……」
そう思いながら、来週のプライベートラウンドでは「ドローボール」を軸にゴルフを組み立ててみようと考えています。
練習の成果はいかに?! ラウンド結果は?
いよいよ、プライベートラウンド当日。気心の知れたゴルフ仲間と楽しみながらのラウンドです。
ここで良い結果を残し、春のゴルフシーズンへ弾みをつけたいところ。
いよいよラウンド開始……。
2月にしては気温が高く、ウォーミングアップもしっかり行い準備万端です。そして1番ホールのティーショットは……。
「ナイスショット!!」
美しいドローボールに仲間からどよめきが起こります。
Aさんは表情こそ変えないものの、心の中ではガッツポーズ。最高の滑り出しです。
その調子のままに前半は順調にパーを重ね、冬のラウンドとしては十分な手応えを感じたAさん。
しかし、10番ホールあたりから、徐々にティーショットに違和感を覚え始めます。
「さっきのホールはちょっとつかまり過ぎたな……」
こう感じ始めたら最後、ティーショットがバラけ始め、後半はボギー先行……。
上がってみると結局はいつも通りのスコアでした。
ここで考えてみたいこと
さて、ここまでは架空の話を進めてきましたが、スコアこそ違えど似たような経験をしたことがある人は多いはずです。
100切り、90切り、80切りとそれぞれの壁に挑戦している人は、現状の弱点を分析し、スイング改造(整える)に励んでいることでしょう。
練習熱心な性格のAさんは、不断の努力の末に70台まできていますから、この調子でドリルを続けていれば、いつかは人が羨むようなドローボールのティーショットを打てる日が来ると思います。
しかし、ここで皆さんに考えていただきたいことは、Aさんが「ドリル」によってドローボールを習得する道のりが最短であったかということです。
まずは身体の「特性」や「制限」を評価すべき
多くのゴルファーは、課題解決に向けた「テクニック」を探し、「ドリル」によって習得を試みます。
しかし、まず最初に取り組んでもらいたいのは「ドリル」に励むことではなく、自分自身の身体の「特性」や「制限」を評価してほしいのです。
過去のスポーツ経験やケガ、ライフスタイルによって、私たちの体は千差万別。皆さんが参考にしたプロと同じような筋力や柔軟性を持ち合わせてはいません。
身体が柔らかい人もいれば、硬い人もいます。筋肉隆々の方もいれば、スラッとした方もいます。
そして、自分自身の身体の中でも、左右のバランスが違います。
自分の身体は「何が得意」で「どんな動きが不得意」かを知らずして、効率的な練習はできません。
今回のAさんはデスクワーカーであったため、「肩」や「骨盤」の動きに制限がありました。
そのため、身体が疲れてきた後半は、「身体のクセ」が出やすくなり、ややカット軌道に、上体が起きるような動きが出てしまうと想定して記事を書き進めました。
架空の話ではありますが、このようなケースが多くあります。
みなさんも何か練習に取り組む際は、「ドリル」に励むより先に「身体の特徴」を分析することから始めてください!
自己分析よりも本格的に「身体的な特徴」を知りたい方は、お近くのTPIトレーナーにご相談ください。
きっと、ゴルフスイングの改善がスピードアップしますよ!!
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