ゴルフスイング
Taddy Bear
バンカー・コンプレックスに良く効くクスリはしっかり振り抜くこと!
ガードバンカーにつかまり、大叩きした経験、誰でも1度や2度はあるはず。この経験、けっこう刷り込まれますよね。
打ち方はわかっていても、この刷り込みが体を萎縮させている場合があります。ボールや砂と一緒に、バンカー・コンプレックスもしっかり振り抜いて吹き飛ばしちゃいましょう。
バンカーショットになると体が萎縮するワケ
バンカーを苦手としている人のスイングには2つの共通点があります。
1つは腰が思いっきり引けていること。もう1つは手先だけでフォローを取ろうとしていること。
もっと悪いと、フォローすら取れていない場合もあります。
こういった人たちが、アプローチで同じように腰が引けて手打ちをしているかというと意外にそうでもなく、そこそこピンに寄るピッチショットを放っていたりします。
明らかにバンカー・コンプレックスですね。
ちなみに、ここで言うコンプレックスとは、普段使われる「劣等的」という意味合いではありません。
コンプレックス本来の意味、心理的要素が無意識に重なり合う複合的な感情のことです。
たぶん、苦手としている人でもバンカーショットの打ち方ぐらいは知っているでしょう。たとえ大まかであっても。
だから顕在的な意識としては、ボールを左足寄りにして、手前からクラブヘッドを入れて、砂を払うように打とうとしているはず。
しかし無意識には過去の記憶が刻まれていて、顕在的な意識にブレーキをかけているわけですね。
クリーンヒットしてグリーンをオーバー、そしてOB。砂に深くサンドウェッジが潜って脱出失敗。リーディングエッジでヒットしてバンカーのアゴに突き刺さったり。
そして、何回打っても脱出できず、全身が砂まみれになったり。
ゴルフの失敗は数あれど、バンカーを脱出できなかった時(それから連続シャンク)は本当に気分が凹みます。
もちろん、筆者も経験あり(しかも、何度も)。
まさに、悪夢ですね。
バンカーが併設されている練習場へ行こう!
バンカー・コンプレックスに良く効くクスリはバンカーショットの上達です。でも、そのクスリの処方は練習しかありません。
打ち方だけを頭で理解しても、それは顕在的な意識内であり、無意識下の複合的な感情を排除することはできないのです。
練習で体に覚え込ませることがコンプレックスの排除につながる最善策。
とはいえ、練習したくてもホームグラウンドにしている練習場にバンカーが設置してあるとは限りません。
これが、バンカー・コンプレックスを増長させている原因の1つ。
他のショットは練習で上手くなっているのに、バンカーショットだけは練習不足のため、他のショットとのスキルに差ができてしまうわけですね。
そこにバンカーがなかったら、バンカーを設置している練習場を探しましょう。多少、遠くてもバンカーショットが上手くなれると思えば、足も動くでしょ?
ちなみに筆者の知人女性、前述した共通点を持っていたのでそれを指摘したところ、速やかにバンカー設置の練習場を探し、電車とバスを乗り継いでバンカーショットを練習、わずか2〜3回行っただけで見事バンカー・コンプレックスを排除しました。
その知人女性、とくにアスリートというわけではありません。バンカーショットなんて、コンプレックスを排除してコツさえつかめばそんなに難しい技術ではない、という証です。
スタンスやフェースを開かなくてもボールは上がる!
それではバンカーショットの復習。
ボールの位置は左かかと寄り、スタンスはオープン、フェースは開いてボールの手前に打ち込み、砂のエクスプロージョンでボールを上げる……。
これが、一般的なバンカーショットの打ち方。
頭ではわかっていても、これ、実践するのって難しくないですか?
普段からサンドウェッジのフェースを開き、オープンスタンスで打つ練習、していますか?
オープンスタンスにすると体重は右足にかかりやすくなるので、意識して左足に乗せます。
スイング軌道は左足つま先方向にフォローを取らなければなりません。
この2点を練習でしっかり覚えておかないと、本番で不安を覚え、バンカー・コンプレックスが頭を持ち上げてきます。
まずは、慣れているピッチショットと同じようにバンカーショットを打ってみましょう。
フェースを開かなくても、オープンスタンスにしなくても、ボールは意外とカンタンにバンカーから出るものなのです。
上達すればバンカーショットも楽しくなる!
ボール位置は左かかと寄り。スタンスはスクエアで、やや広め。
ショットの際、ブレないようにしっかりと踏みしめてください。
なお、足で砂をグリグリして足場を固める光景を目にしますが、これ、過度に行うとライの改善となり、ルール違反になります(2打罰)。
体重は最初から左側にかけておきます。そのままフォローを取れるようになれば、腰が引けることはありません。
サンドウェッジのフェースは開かず、ターゲットに対してスクエアに構えます。サンドウェッジにはバウンス角があるので、スクエアな状態でもソールが砂の上で滑るように設計されています。
そして大切なのが、上半身を回転させ、トップ位置と同じ高さまでしっかりと振り抜くこと。
無理に腰を回す必要はありませんが、右膝を送るように心がければスムーズに振り抜けます。
練習の時ならば、距離を気にせずフィニッシュ位置まで振り切っても構いません。スムーズに振り抜けると、ドスンという強い砂の抵抗はなく、サクッと軽い感触が残ります。
これを体感できれば大成功。
慣れてきたら、ピンまで短い距離やアゴの高いバンカーの時のために、オープンスタンスで打つバンカーショットを練習しましょう。
大きなトップ位置を作っても正確なバンカーショットをすれば飛び過ぎることはありません。
バンカーショットに自信が出ると「バンカーに入れたくない!」というコンプレックスの連鎖を防ぐことができ、大胆な戦略コースを取ることができます。
バンカーショットも練習を重ねれば、他のショットと同じくらい楽しくなりますよ。