ゴルフスイング
Yanagi@TPIトレーナー&ドラコンプロ
パワーフェードとフェードの違い~打ち方のポイント
飛距離が出るドロー、精度のフェードというイメージを持つ方が多いと思いますが、フェードの中には飛距離の出る「パワーフェード」も存在しています。
「パワーフェード」の定義は人によって多少違うと思いますが、ここでは「スピン量が少なくランが出やすいフェード」という位置づけで解説していきます。
「フェード」が「ドロー」より飛ばない理由
まず、「フェード」が「ドロー」より飛ばない理由について、おさらいしておきましょう。
飛距離を決めるのは、
・打ち出し角
・スピン量
・ボール初速
です。
同一人物が同じクラブでスイングするという前提では、「フェード」と「ドロー」を比較する場合、これらすべてにおいて「フェード」のほうが「ドロー」に比べて飛距離の出ないほうに数値がズレます。
機械がドライバーショットしてボールの回転軸を左右逆転しただけでは、「フェード」と「ドロー」に飛距離の差は生まれません。
「フェード」の打ち方と「ドロー」との違い
「フェード」は、ターゲットに対して左方向に打ち出されますが、これは「クラブフェース」は、「ターゲットライン」に対して閉じた状態でインパクトするためです。
インパクト時に「クラブフェース」が「クラブパス」の右を指していることで、スピン軸が右に傾くことで、ボールはターゲットの左方向からターゲットへ戻ってきます。
そして、この「クラブフェース」と「クラブパス」の関係を生み出す際、打ち出し角は高くなり、スピン量も増えやすいスイングになるのです。
■「フェード」と「ドロー」の打ち出し角の違い
「クラブフェース」をわずかに開いてインパクトすることで、「ダイナミックロフト」が増加します。
一方、ドローは「クラブフェース」をわずかに閉じてインパクトするので、「ダイナミックロフト」が減少します。
つまり、「フェード」は打ち出し角が高くなり、「ドロー」は打ち出し角が低くなります。
その人にとって適切なロフト角のドライバーを使っているという前提ならば、「フェード」は高く上がり過ぎのボールになります。
■「フェード」と「ドロー」のスピン量の違い
「フェード」を打つ場合、「ドロー」と比較して「クラブパス」は「アウト トゥ イン」になります。
「アウト トゥ イン」の軌道は「アタックアングル」を増加させますが、「ダイナミックロフト」と「アタックアングル」の差が大きくなると、スピン量が増加します。
そのため、「フェード」は「ドロー」と比較して「ラン」が出にくくなります。
■「フェード」と「ドロー」のボール初速の違い
「ダイナミックロフト」が増し、オープンフェースになることでインパクトの効率(スマッシュファクター)が低下し、ボール初速も落ちます。
インパクトの効率は、短いクラブになればなるほど低下していくのと同じ原理です。
スピン量が増えるということは、「ボール初速」に変換したかった運動エネルギーを「スピン量」に変換してしまうことで、そのためボール初速が低下するのです。
■飛距離が出る「フェード」=「パワーフェード」を打つポイント
先ほどの説明で、なぜ「フェード」が「ドロー」に比べて飛距離が出にくいのか、イメージできたと思います。
飛距離が出る「フェード」=「パワーフェード」を打つためには、
・ダイナミックロフトを減らす
・アタックアングルを減らす
という2つの課題をクリアする必要があります。
「パワーフェード」を打つためには、低スピン、低ロフトでインパクトする技術が必要なのです。
「パワーフェード」の打ち方
簡単に言うと、「パワーフェード」はインサイドからアタックし、クラブフェースをオープンの状態でインパクトすることで、右方向に打ち出し、さらに右に曲げていきます。
イメージとしては意図的に低弾道のプッシュフェードを打つという感じです。
「パワーフェード」を打つためには、インパクト時に「クラブフェース」が「クラブパス」の右を指している必要があります。
■「パワーフェード」のスタンス
「パワーフェード」は身体の向いている方向に対して右方向に打ち出し、さらにそこから右に曲がります。
そのため、身体全体をターゲットに対して左方向に向けてスタンスを取ります。
■「パワーフェード」のスイング軌道
「パワーフェード」を打つためには、アタックアングルを浅くしなければなりません。
そのため、スイング軌道としては「ドロー」を打つときと同様、ターゲットラインの内側からボールをとらえなければなりません。
■「パワーフェード」のフェースアングル
「パワーフェード」を打つ上で一番重要なのが、フェース面の管理です。
ハンドファーストがほどけてロフトが寝てしまったり、クラブが開いてしまうと、特大のスライスボールが飛びだし、OBゾーンへボールが消えていきます。
できる限りハンドファーストの状態をキープし、身体の回転で振り抜いていきましょう。
また、「フェース」を閉じてしまうと、いゆるチーピンになってしまい、左方向に打ち出してからフックボールになり、これもまたOBゾーンへボールが消えていきます。
ロフトは立てつつもフェースは返さないという、非常にデリケートなスイングが要求されますが、「パワーフェード」を打てるようになれば、「ドロー」も「フェード」も簡単に打てるようになります。
少しハードルの高いスイングですが、ぜひ挑戦してみてください!
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