ゴルフスイング
宮下芳雄@プロゴルファー
渋野日向子をマネしたいところ、マネできないところ
渋野選手ファンのアマチュアゴルファー「渋野ちゃんをマネしたいんだけど、どこをマネしたらいいのかな? そもそもマネできないところがあったら事前に知っておきたいです」
そんな疑問にお答えします。
【本記事の内容】
・掌屈(左手の甲が空を向く)はマネするな!
・ダウンスイングは骨盤の回転を主導的に行う
・アプローチは片手打ちで練習をする
・ヘッドアップに注意してパッティングをする
・緊張感のある実戦的なパッティング練習をする
この5本立てです。
渋野選手のゴルフを参考にして成長したい方は、ぜひじっくりとご覧ください。
目次
掌屈(左手の甲が空を向く)はマネするな!
渋野選手の特徴の一つでもある掌屈(しょうくつ・トップポジションで左手の甲が空を向く動作)ですね。
じつは彼女、その掌屈を直したほうが良いのではと悩んでいた時期があったそうです。
ちなみにこの掌屈を行うとフェース面がクローズになりやすく、球筋がドローボールになり飛距離を出しやすくなります。
そして渋野選手の師匠である青木コーチは個性だからという理由で、この掌屈をあえて改善しなかったそうです。
つまり、「個性=自然な動き」だから直さなかったという考えなのです。
そんなこともありアマチュアゴルファーさんは無理にトップポジションで掌屈にしなくてもよいと私は考えています。
しかしこう書くと「私はどうしても渋野選手の掌屈をマネしたい。飛距離が出るなら試したい」と思う方もいるでしょう。
そんな方は、まず左手の甲が空を向くように左手首のストレッチから始めてみてくださいね。
でも、「そこまでして……。ストレッチは面倒くさいな」と思う方は掌屈はマネしなくて大丈夫です。
ダウンスイングは骨盤の回転を主導的に行う
渋野選手は、ステップ・アップ・ツアーを主戦場にしていた2018年と大ブレイクをした2019年とでは、インパクト時のフォームがまるで別人になっています。
具体的に何がどのように変わったのかを挙げてみましょう。
【前傾角度】
2019年はアドレス時の前傾角度をインパクトでもキープできている。さらに結果的に手元も浮かなくなっている。
加えてフェースローテーションが少なくなっている。ちなみに2018年は、インパクトでかなり前傾角度が伸び上がっていました。
【骨盤の回転】
2019年はインパクト時に左右のお尻が後方から見えている。さらに骨盤はインパクトで止まることなく回転し続けている。
2018年は骨盤を止めて腕を振るスイングスタイルでした。
これを見て分かることは、渋野選手はPGAツアー上位の選手と同じように、ダウンスイングで骨盤の回転を主導的に行うスイングスタイルに変化しています。
さらにフェースローテーションをかなり抑えたスイングに変化しました。
このスイングは、骨盤の回転で飛距離を出し、フェースローテーションを抑えることにより方向性を高めることができます。
そんなこともあり、アマチュアゴルファーさんに目指してしてほしいスイングですね。
アプローチは片手打ちで練習をする
渋野選手は、学生時代からプロになった今も片手1本でアプローチショットの練習をしています。
じつはこの練習、中級者から上級者ゴルファーにはA級の栄養素があります。
その理由は2つです。
1.クラブの重さを利用してクラブを振る感覚が身につく
2.体幹を使った打ち方ができるようになる
これによりクラブ、手、体をすべて同調させてアプローチショットをすることができます。
言葉を言い換えると「手打ちの抑制」をすることができるのです。
しかし、腕の力が弱かったり、基本動作がまだできていない人には副作用の危険性があります。
具体的には、片手でクラブを振ることにより、クラブの重さに腕の力が負けてしまい逆に手打ちがひどくなってしまうことがあるのです。
そんなこともあり、初心者ゴルファーさんや腕の力が弱い女子ゴルファーさんはゴルフフィットネスなどで腕の力を強化したり、正しいフォームをしっかり身に付けてから、片手でアプローチ練習をしてほしいと思います。
ヘッドアップに注意してパッティングをする
渋野選手は、ヘッドアップに注意してからパッティングが向上したとのことです。
ヘッドアップをしないことに、あらためて意識してみると意外な発見や気づきがあります。
例えば「ミート率がアップする」「開閉のタイミングが合うようになる」などなどです。
「ヘッドアップをしない!」ことは言い古されたアドバイスですが、それゆえに油断をしてしまい、おろそかになってしまっていることがあるのです。
Gridge読者のみなさんも、ぜひ一度ヘッドアップに注意してパッティングをしてみてくださいね。
緊張感のある実戦的なパッティング練習をする
渋野選手は、男気あふれる(?)強気のパッティングが武器です。
そんな彼女が毎日行っているのが「9ホール疑似パット練習」です。
すでにゴルフ雑誌やテレビ等で読んだり見たりしてご存じの方も多いと思います。
1メートルから50センチずつ距離を伸ばしながら場所の違う9ヵ所からパッティングをする練習です。
9ヵ所からパッティングをする際、3回ミスをしたら最初の1メートルからやり直すルールとのことです。
この練習により、試合に近いストレスや緊張感を感じながら練習をすることができるのです。
Gridge読者の皆さんも、ただ普通にパッティングをするのではなく、実戦に近い状況でぜひ練習をしてほしいなと思います。
今回は以上です。
皆さんも渋野選手を参考にしてゴルフ上達を目指してくださいね。
ではHave a nice winter golf!