ゴルフスイング
クレンショウ木村
ツアープロが考える、ゴルフのショートゲームにおける攻略方法とは?
こんにちは。クレンショウ木村です。今年は暖冬ということで、寒い中でもまだ、雪は降ってないというところも多いようです。冬場での皆さんのプレイはいかがですか?
特に冬場は、夏場と違い芝が枯れていて、アプローチなどのショートゲームが難しくなっています。
そういう場合、ツアープロはどのように考えているかを紐解いていきたいと思います。これは、実際いろんなツアープロとラウンドした時の考え方を聞いたものです。
ゴルフにおけるショートゲームが大事な理由とは?!
ゴルフのショートゲームというと、主にアプローチとパッティングになります。さらに、バンカーショットというのもあります。
これら、ショートゲームはショットと違います。
ツアープロのように300ヤード以上のドライバーショットを真っすぐ飛ばすというのは、ほとんどのアマチュアには無理に近いような難易度ですが、ショートゲームに関して言えば、ツアープロと同等になれる可能性を秘めています。
ツアープロが、ショットと同様、またはそれ以上に大事だと考えているのがショートゲームです。
その理由は、スコアに直結するからです。よく言われていることですが、300ヤード飛ばしたショットも、1センチメートルのパットも同じ1打です。
例えば、2019年のパーオン率を見てみると、JGTOメンバーのトップは、ガン・チャルングンで、73.63パーセントです。
逆に言えば、26.37パーセントは、パーオンを逃しています。まあ、大きなトラブルがない限り約4ホールに1回は、アプローチが必要になるということですね。
つまり、18ホールで、4~5回アプローチの機会があるわけです。
この4~5回のアプローチやバンカーを寄せて、1パットでホールアウトできれば、ボギーを打つ回数が格段に減ることになります。
つまり、ここでショートゲームが上手くいくかどうかで、ラウンドで4~5打変わってくるということになります。
そのため、どのプロもショートゲームに磨きをかけることになります。
ツアープロが考えるショートゲームの攻略のポイントとは?!
まず、ショートゲームの中でアプローチの考え方です。
アプローチといってもいろいろな種類があるのですが、はじめにツアープロが考えることは、グリーンを狙う場合、外した時のリスクを考えます。
要は、“簡単なアプローチが残るかどうか?”がはじめに考えるポイントです。
そのためツアープロは、ヤーデージブックなどにグリーン周りで外してはいけない部分を書き込み、それを見ながらグリーンのどこをどのような弾道で狙うかを決めます。
では、グリーン周りで簡単なアプローチが残る場所とはどこでしょうか?
それは、ピンまで上りのラインが残り、芝がある程度順目であり、グリーンエッジからピンまでの距離が適度にあるところです。
この逆が外してはいけないところで、ピンまで下りのラインで、芝が逆目、グリーンエッジからピンまでの距離が近過ぎるなどの場所です。
ツアープロがアプローチ方法をどのように選択しているか?
もちろん、ツアープロによってもアプローチ方法の違いがあり、同じライ、同じピン位置であっても、アプローチ方法は異なることもあります。しかし、根本の考え方は同じです。
その考え方は、“成功率が高く、致命的な失敗がないアプローチ”です。
例えば、冬場のアプローチで、ピンまで15ヤード、エッジまで8ヤード、ピンまでやや上りの状況だとします。
ただし、ボールのライにはほとんど芝がなく、土の上にあるのと変わらないような状況だとします。
これは、状況的には、ボールのライだけが難しい状況です。芝がほとんどない状況というのは、ボールの下にクラブが入るスペースがないということになります。
ここで、先ほどの根本の考え方に当てはめます。
アマチュアレベルでは、サンドウェッジでアプローチすると、致命的な失敗が起こる可能性が高くなるので、サンドウェッジのアプローチは、まず選択しないほうがいいですね。
ツアープロでも、例えばショーン・ノリスプロのようにグリーン外からでもパターで寄せるのが得意な選手なら、間違いなくパターでのアプローチだと思います。
しかし、ウェッジでのアプローチが得意なプロは、ボール位置を右に置いて、サンドウェッジで低く打ち出し、少しランを使うアプローチを選択する場合もあります。
このようなアプローチを選択するプロは、エッジまで8ヤードの距離+グリーン上で7ヤードの距離感よりもサンドウェッジでのアプローチのほうが、ピンによる確率が高くて、このようなライでも絶対失敗しないという自信があるからですね。
まとめ
このように、ツアープロがショートゲームでどのような方法を選択するかはプロによって違ってきますが、根本の考え方は同じになります。
また、アプローチのミスの可能性を予見し、このようなミスの場合でも、最悪、このあたりの結果にはなるというような一種の保険のような考え方も取り入れています。
例えば、先ほどの土の上に近い状態の芝からのアプローチでは、致命傷なミスは、ダフってグリーンに乗らないとか、トップしてグリーンオーバーということになります。
そのミスを防ぐための工夫をテクニックの中で使っています。少しダフっても少しトップしても、ピンの近くに止まるような打ち方ですね。
テクニックの話はまた別の機会に設けるとして、まずは、今の技術の中で、“成功率が高く、致命的な失敗がないアプローチ”を考えるとスコアの向上に役立つと思います。