ゴルフスイング
レッスンプロ・クラフトマン 河野
中学時代の友人が突然来店しました(その4)フェアウェイウッドを上手く打つには?
こんにちは。
レッスンプロ・クラフトマンの河野です。
今回は、2ヶ月レッスンに来なかった同級生が元のハンデに戻ってしまったことと、苦手なフェアウェイウッドを打てるようにするお話です。
2ヶ月のブランク
中学時代の友人〇井から、2ヶ月振りにメールが来ました。
「調子が悪く、ハンデが19に戻ってしまった」とのメールが来ました。メールで、次のレッスンの日時を決めました。
当日、スイングを見ると以前と変わらないスイングです。元に戻ってしまっています。
私「以前のスイングに戻っているよ」
〇井「やっぱり、そうなんだ」
私「2ヶ月もレッスンの間が空いたら、自分の一番やりやすいスイングに戻るよ」
私「64歳で、過去に1度もなったことのないシングルを目指すなら、ちゃんと覚悟したほうがいいよ」
〇井「少し忙しかったから来れなかったんだよ」
私「64歳でシングルを目指すなら、ラストチャンスだよ。体力も感性も落ちるばかりだから」
〇井「やはり、ゴルファーなら一度はシングルになりたいよ」
私「俺の生徒様の中で、70歳でシングルプレイヤーになった人がいるよ」
〇井「すごいね」
私「その方は68歳の時にハンデ12で頭打ちになって、悩んで、ネットで俺のことを調べて来て、生徒になってくれたのだけど、週に1回のレッスンで、2年掛かったけど念願のシングルプレイヤーになれたよ」
70歳でシングル
〇井「俺はまだ現役だからいろいろやることがあってさ」
私「そうだろうな、でも先月何回ゴルフをした?」
〇井「4回かな」
私「スイングを変えている時にラウンドすれば、当然元に戻るよ。4回のラウンドを3回にして、ビッグキャリーゴルフショップに来る時間を作ったほうがいいと思うよ」
〇井「ラウンド仲間から誘われるからな」
私「仲間とゴルフをするのは楽しいよ、その仲間の中にシングルプレイヤーはいる?」
〇井「いない」
私「その仲間の中でシングルプレイヤーになれそうな人はいる?」
〇井「いない」
私「即答だね」
〇井「その仲間の中では、俺は上手いほうだもの」
私「ゴルフ仲間は、同じようなレベルの人が集まるから、上手くなると、自然に上手い仲間ができて来るよ」
〇井「そうだろうな」
フェアウェイウッドは、一番難しいクラブ
私「シングルプレイヤーになると決意したら、本気にならないと簡単に越えられる壁ではないよ」
〇井「家から遠いけど、できるだけ来るよ」
私「それで、今何が一番上手くいかないの?」
〇井「フェアウェイウッドがダメだ」
私「フェアウェイウッドは一番難しいクラブで、スイングの完成度を表すバロメーターみたいなクラブだよ」
〇井「スイングが良くないということだ」
私「〇井は、元々のオーバースイングと少しのシャフトクロスに戻ってしまっているのが原因だよ。コンパクトなトップにしないとミート率は上がらないよ」
〇井「右脇を閉めて、出前持ちスタイルのトップにするんだよな」
私「そう、分かってるけどできないんだな」
〇井「つい飛ばしたくて、手を高く上げてしまうんだよな」
私「気持ちは分かるよ。でも、右脇が閉まっていれば腕と体が一体だけど、脇が開けば手が自由になり、結果、体と連動しない手打ちになってしまうんだよ」
〇井「コンパクトなトップだと、振ってる、という満足感がないんだよな」
私「それは、ボールを上から叩き付ける打ち方で、筋肉の強さを使う打ち方だからだよ。大切なのは、強さよりも速さがなんだよ」
〇井「何となく分かる」
ゴムホースの素振り
私「ボールを遠くへ飛ばす打ち方は、インパクトでヘッドスピードが最速になるようにする振り方だよ。それは、シャフトが逆シナリをするようにスナップを使い、その結果フォロースルーの取れるスイングになるんだ。それには、インパクトからその先のフォロースルーを重視したスイングを作って行ったほうが上達は早いよ」
〇井「確かに俺も仲間もフォロースルーが決まる奴はいないもんな」
私「そこが、プロとの違いだよ。ビッグキャリーゴルフショップでは、クラブ修理をして、接着剤が乾くまでの30分間にスイングを見てあげるサービスをしているから、数千人のスイング動画があるけど、きれいにフォロースルーが取れている方はほとんどいないよ」
〇井「確かに、プロは皆、きれいに振り切ってるよ」
私「ゴムホースを首に巻き付けるように振ってみなよ」
ベン・ホーガン
私「叩き付けるように振ったらフォロースルーは取れないだろ」
〇井「そうだね」
私「今度は、インパクトの時に最速になるように、スナップを使い右腕を首に巻き付けるようにすれば、きれいなフォロースルーのでき上がりだよ」
〇井「なるほど、フォロースルーが取れるね」
私「その、ゴムホースを一週間振り続けなよ。振り幅は、出前持ちスタイルのトップからインサイドアウトに振り、右腕が首に巻き付くようにして振り切る練習だよ」
〇井「これなら、できそうだ」
私「ボールを打つとできないけど、まずは、体にその動きを覚えさせて違和感なく動くようにして、それから速く振る練習だよ」
〇井「これで、フェアウェイウッドが打てるようになるの?」
私「それだけではないよ。上から叩き付けるV字のヘッド軌道より、入射角の緩やかな入射角にしたほうが、ミート率は格段に上がるよ。つまり、今までよりもフラットなスイング軌道にしたほうが良いよ」
〇井「横振りということ?」
ジャック・ニクラウス
私「そうだね、ベン・ホーガンのようなフラットスイングがリピータブルだよ。近代スイングは、ベン・ホーガンにより完成していたんだけれども。その次の時代にジャック・ニクラウスという100年に一人と言われる天才が出て来て、ニクラウスは右脇を大きく開けるスイングだったので、右脇を開ける高いトップが理想のスイングとして、定着してしまったんだと思うよ」
〇井「ジャック・ニクラウスのような天才にはできても、凡人の俺には無理だということか」
私「まずは、トップをコンパクトにして入射角の緩やかなスイング軌道にしないとフェアウェイウッドを安定して打つのは難しいよ。この改造は、〇井一人ではできないぞ。マメに通って来いよ」
「女性がおじさんに勝つゴルフ」という本を書きました。
レッスンプロ・クラフトマンの河野でした。