ゴルフスイング
TeruさんGolf
はたして飛距離はスコアアップに本当に有利なのか?
ゴルフ=飛ばすスポーツといっても過言ではないくらい、ゴルフにおいて飛距離というものは魅力です。
筆者は決して飛ばすほうではないですが、同じ組で回る高齢の方に「飛ばすねぇ」とよく言われます。
高齢な方ほどどうしても飛距離は落ちてしまうもの。だからこそ余計に飛距離に対して魅力を感じてしまうのでしょう。
しかし、スコアとして考えた時にはまったく逆で、高齢な方のほうが上手くスコアをまとめてくるケースが少なくありません。
あれ、飛距離ってゴルフにおいては有利なポイントではないんだっけ? と考えてしまうほどです。
そもそも、ゴルフにおいて飛距離とはどういったものなのでしょうか? 飛距離について焦点を当てて、考えてみましょう。
飛距離は、有利?
まるで神話かのように話されている「飛距離は飛ぶほうが有利」という考え方。さて、これは本当にその通りなのでしょうか?
例えば、
Aさん:ドライバーで280ヤード
Bさん:ドライバーで220ヤード
という飛距離の2人がいたとします。
その2人が340ヤード、パー4のホールを回った時に、どちらが有利になるでしょうか?
確かに単純な計算だとAさんのほうが有利な気がしますよね。
2人ともナイスショットを打ったと仮定したら、セカンド地点は、
Aさん:残り60ヤード
Bさん:残り120ヤード
となります。Aさんすごい! となりかねませんが、ちょっと考えてみてください。
60ヤードって絶対に乗せられる距離ですか?
チョロしませんか? ダフってショートしたりしませんか?
またウェッジでトップしてしまったらもう取り返しのつかないミスになってしまうかもしれません。
一方、Bさんは残り120ヤードですが、十分にショートアイアンでも狙っていける距離になります。
もちろんAさんと同じミスをする可能性はありますが、ナイスオンも十分考えられますし、グリーンを外したとしても十分ボギーは狙っていけるでしょう。
こう考えると、「Aさんが俄然有利だ!」とは決して言えなくなってしまいます。
そもそもスコアを形作るのはグリーン周りが最重要。
次にアイアンでどの程度までの距離を確実に狙ったところに打っていけるのか、ということが大切です。
飛距離というのは確かにゴルフの魅力ですが、飛ばし屋ほどフックやスライスなどミスショットが大ケガにつながってしまいがちなもの。
スコアを作る上で、飛距離というものは必ずしも必要なモノではないのです。
飛距離がモノを言うのは上級者の世界!
しかし、飛距離がスコアにおいて大きく影響を及ぼすことがあります。それが、プロゴルファーの世界です。
例えば、プロの世界では450ヤードのパー4なんてざらにありますよね。
この時にドライバーで300ヤード飛ばす選手と250ヤードしか飛ばない選手であれば、セカンドの距離が大きく変わります。
仮に300ヤード飛ばすと残り150ヤード。プロであればピンに寄せたショットを打っていきたいところです。
一方、後者であれば残り200ヤードあります。いくらプロとはいえ、200ヤードをピンそばにつけるのは至難の業です。
何が言いたいのかというと、「しっかりとセカンドが打てる、アプローチが寄せられるという技術が確立していないのであれば、飛距離は必ずしもスコアを良くしてくれるものではない」ということ。
ある一定以上の技術を持つ方にとっては飛距離は大きな武器になり得ますが、その反面デメリットも少なくないという諸刃の剣です。
アマチュアゴルファーにおいては、レギュラーもしくはバックティーから打っていくことが一般的ですから、そもそもこんな距離の長いミドル(パー4)なんてほとんど存在しません。
となると、飛ばすということより、いかに自分が思い描いたショットが打てているかということが最も大切なことになるのです。
飛ばしはゴルフを魅力的にしてくれる
スコアの観点から考えると確かに飛距離は必要ないかもしれません。しかし、その飛距離というものがゴルフの魅力であるということもまた事実です。
ゴルフほどボールを自分の力で遠くに飛ばすというスポーツもないでしょう。
ジャストミートしたボールがグングンと飛んでいくのは最高に刺激的で気持ちがいいものです。
だから、どれだけ安全に打っていくべきホールでもドライバーをバッグから抜いてしまう人が後を絶たないのでしょう(笑)。
確かに、ドライバーを怖がってばかりで安全なショットを打ち続けていても上達はしないでしょう。
また、何があってもドライバーで打ちたいという気持ちもすごく理解できます。
しかし、ゴルフはあくまで飛ばすだけの競技ではなく、スコアを追い求めることがその本筋です。
ドライバーを打ちたい、飛ばしたい。
だからこそアプローチや寄せ、セカンドショットで使うアイアンショットの精度の向上を念頭に練習するべきだと言えます。
ゴルファーにおいて大切なのはなんて言ってもスコアなのですから。