ゴルフスイング
宮下芳雄@プロゴルファー
“ゴルフ科学者”ブライソン・デシャンボーのスイングを解説します
こんにちは、ゴルフコーチの宮下芳雄です。
今回はブライソン・デシャンボーのスイングを解説します。
まず最初に彼の経歴を簡単に紹介!
2015年、学生時代に「全米アマチュア選手権」、「全米大学体育協会(NCAA)ゴルフ選手権」の両タイトルを獲得。
これはジャック・ニクラウス、フィル・ミケルソン、タイガー・ウッズ、などなど世界的なプレイヤーと同じキャリアなんです!
そしてゴルフ界きっての理論家として有名。
彼独自のスイング理論から「ゴルフの科学者」などと呼ばれることもあります。
さらに彼を語る上でよく話題になるのが、アイアンの長さをすべて7番アイアンの長さ(37.5インチ)に統一したワンレングスアイアンを使っていることです。
ここ数年の成績は、2017年「ジョンディアクラシック」でツアー初優勝、2018年にも3勝をしています。
今年はPGAツアーの「シュライナーズ・ホスピタル・フォー・チルドレン・オープン」のほか、欧州ツアーの「オメガドバイデザートクラシック」でも優勝をしています。
このあと行われる全米オープンでも優勝候補に上がっていますね!
目次
ハンドアップに構えているのは 曲げないため工夫なのか?
デシャンボーのスイングでまず最初に皆さんが気づくことは「ハンドアップ」に構えていることだと思います。
目標線の後方から彼のアドレスを見ると、クラブと腕が一直線になっていることに気づくはずです。
通常ゴルフスウィングではインパクト時にクラブはトウダウン(ヘッドのトウ側が下がる現象)を起こします。
しかしデシャンボーはアドレス時に腕とクラブを一直線にすることで手首の角度をなくしてトウダウンを抑制し、結果としてスウィングプレーンを安定させています。
一見すると変則的で彼独自のアドレスに見えますが、スイング中にクラブがどう動けば安定性が高まるのかを考えたスイングなのです。
ブライソン・デシャンボーのスイングは曲がらない要素がいっぱい含まれている
正面からアドレスを見るとボールを少し右へセットし、ハンドファーストに構え、さらに左足体重で構えています。
まるでアイアンショットをするような構え方、クラブの振り方に見えますよね!
これはブライソン・デシャンボーが方向性や安定性を高めたスイングをしようとしているからだと私は考えています。
ブライソン・デシャンボーのスイングは飛距離と方向性を両立させたスイングなのだ!
加えてスイング動作について言うと、バックスイングでのコッキングや、ダウンスイングでのアームローテーションはあまり使っていません。
肩・腰の回転を主導的に使ったスウィングをしています。
コッキングとアームローテーションを抑制するとインパクト時の開閉のタイミングを取りやすくでき、さらにミート率を高めることができます。
結果として方向性、飛距離の安定性が高まります。
これまで日本では「ヘッドを走らせる」「腕を振る」と良いと言われてきましたが、彼はまったく逆のスイングをしていると言えます。
ヘッドを走らせないとヘッドスピードが速くならない気がしますが、コッキングやアームローテーションを使わないことで、逆に体幹(インナーマッスル)を主導的に使うようになり、肩・骨盤の回転が速くなります。
結果的には飛距離を落とすことなく方向性が良くなります。
Gridge読者の皆さんも試してみてほしい!!
最後に彼のスイングをまとめてみました。
①アイアンショットのようなスイングをしている
②アームローテーションをかなり抑えてスイングしている
③フィニッシュまで肩・骨盤の回転でスイングしている
手打ちで悩んでいる人、アームローテーションが強く左へのミスで悩んでいる人、チキンウイングを直したいと考えている人などは、彼のスイング動作がとても良いお手本になり、結果として飛距離アップや方向性の向上になると思います。
そんなこともあり、デシャンボーのスイングをぜひGridge読者の皆さんにも試してみてほしいと思っています。
ではまた次回Gridgeでお会いしましょう。
Have a nice golf!