Gride

(c)GettyImages/calvio

ゴルフスイング

Golive

スイングの拍子は2拍子?3拍子?ここで新理論を提案!?

レッスンプロが「4拍子で振れ!」などと書いている記事を見かけます。

3拍子という熟練プロもいます。

どれが正しいのか、いや理論はいくつあってもいいのか……。

新たな視点で、ゴルフスイングの拍子を考えてみます。

まずはおさらい

getty

ゴルフスイングでもよくテーマにされる、リズム・テンポ・拍子という言葉。これらは、皆さんご存知のように音楽用語です。

では、それらは音楽の世界ではどのように述べられているのでしょうか(参考:ウィキペディア)。

リズムは、2点間の時間に長さをいくつか順次並べたもの。

テンポは、拍の長さ、すなわち拍節の速さのこと。

拍子(ひょうし)は、強拍に連なるいくつかの拍の集まりの繰り返し。

音楽の世界では、3/4拍子(4分の3拍子)などといいますが、これは、1小節の中に4分音符が3つ分あるということですね。

少し掘り下げて(音楽の話ばっかり?)

(c)GettyImages/JGI/Jamie Grill

ある程度区別ができたかなということで、拍子をもう少し掘り下げてみましょう。

4拍子とは「4拍で1つのまとまりを形成しているリズム」ということです。

ゴルフスイングでいう拍子では、あまり意識していないと思われますが、拍子は必ず最初に「強」拍子がきて、あとは「弱」拍子がきます。また、「中」の強さもあるということです。

単純に2拍子で考えると、2拍子では、「強・弱」で2拍子ということです。

4拍子だと、「強・弱・弱・弱」とか、「強・弱・中・弱」という具合になります。

でもゴルフスイングでは、強い・弱いはあまり意識せずに、「4回の拍子を打つ」くらいのイメージで言われているかと思います。

ゴルフスイングの拍子論

getty

音楽のことはこのくらいとして、ゴルフスイングの拍子について、これまで言われてきたことをざっと述べてみましょう。

スイングで言われてきたのは、2拍子・3拍子・4拍子が大半を占めると思います。

2拍子理論は、「イチ」でトップまで、「ニ」でフィニッシュまでを振れというものです。

3拍子理論は、「イチ」でスイングのテイクバックを開始(またはハーフのバックスイング)、「ニ」でトップ、「サン」でフィニッシュまで、という感じですね。

4拍子理論では、「イチ」でテイクバック開始、「ニ」でハーフのバックスイング、「サン」でトップ、「ヨン」でインパクト(または、フィニッシュまで)というものです。

このようなリズム感で打ちなさい、ということなのでしょう。

著名なレッスンプロで、インターネットでは4拍子の記事で書いているのに、書籍では2拍子のものが出版されている、というケースもあります。

プロの考え方や理論も、時代のスイング論の流行り廃(すた)りで変わるのかなあと思ったりします。

拍子にこだりすぎると

getty

この「拍子を取る」ということを、皆さん、練習でやってみたことがあるかと思います。

結果はいかがだったでしょうか?

「おお、このリズムだ!」と閃いた方もおられるでしょうし、「3拍子も4拍子もそんなに違わないかな」という人もおられるでしょう。

いろいろ試してみても、結論は出ないですよね。やはり、個人個人でリズムも拍子の取り方も千差万別、どれが正解というものはないんだと思います。

また、拍子にこだわり過ぎると、逆にタイミングが取れなくなってしまうということもありますよね。

拍子で分けて考えると、「ハーフスイングの位置がここ、そこで拍子を取るのかな」などと考えると迷ったり、まさに足かせになってしまうかもしれません。

ということで新たな考え方を

getty

では、拍子なんて考えないほうがいいのか?

うん、筆者としては、そんなこと考えないでも、思うようにボールが打てていて、結果が出ていれば問題はないぞ、と思うのです。

とは言え、今一度、筆者なりの拍子論を展開して、読者の皆さんに問いかけたい! と考えました。

それは……、1拍子論です。しかも、バックスイングトップまでの1拍子です。

剣道で「1拍子の打ち」というものがあるそうです。

「一挙動で打つ」ということらしいのですが、元は宮本武蔵の「五輪書」の水の巻に書かれているようです。

その原文を紹介しますと、


 -敵をうつに、一拍子の打の事。
  敵を打拍子に、一拍子と云て、敵我あたるほどの位を得て、
  敵のわきまへぬうちを心に得て、我身もうごかさず、心もつけず、
  いかにも早く、直にうつ拍子也。

とあります。何か無我の境地にもつながる、味わい深い言葉です。

ならば打たん

getty

筆者のいうゴルフスイングでの一拍子ですが、この宮本武蔵の言葉をもじって表現しますと、


 -ボールを打つに、一拍子の打の事。
  ボールを打つ拍子に、一拍子を云て、テイクバックを行う
  インパクトのわきまへぬうちを心に得て、我身もうごかさず、心もつけず、
  いかにもリズムよく、直にうつ拍子也。

前の章で、バックスイングのトップまでを1拍子で、と記載しました。

ではトップからの切り替えし以降は何なの? ということなのですが、ダウンスイングからインパクトをつくらずにフィニッシュまで、さらっと流してしまうという感じのものです。

誠に表現しづらいというか、表現ができないという感じになってしまうのですが、まさに「我身もうごかさず、心もつけず」降ろしていく、ということなのです。

左膝主導に、とかいうことは、スイング論そのものになってしまいますので、ここではそのようなことは言及しません。

ただ、拍子としてリズムとして、このような感覚で打ってみてはどうか、どうなるか試してみてはどうでしょう、といういわば提案ということです。

結論ではないのですが

getty

ここまで話を展開してきたのは、これまでの拍子についての考え方に一石を投じる(大袈裟ですが)と共に、皆さんのスイングの拍子についての新たな試みを促したいということです。

この理論は、実際理論というほどのものではないかも知れません。なーんてことないじゃないかよ、とのお叱りの言葉もあるかもしれません。

ただ、皆さんのスイングリズムの感触が少しでも良くなることにつながる一助になればと、切に切に願います。

まずは、一度、筆者の1拍子を練習場で試してみてください。もしかすると、皆さんの感覚に、いい方向の変化を訪れるかもしれませんよ。