プロゴルファー
こせきよういち
大形新人キャメロン・チャンプって何者?~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#93
米ツアーは先週、「セーフウェイオープン」で2018/19年シーズンが開幕しました。
そのテレビ中継(NHK-BS)で解説の佐渡充高さんが何度も口にしていましたが、今シーズンの米ツアーには活躍がとても待たれるルーキーがいます。
ウェブドットコムツアーの昨季賞金ランキング6位(同ツアー1勝)の成績で、米ツアーに昇格したキャメロン・チャンプ(23歳)です。
今回は、多くのゴルフ解説者やメディアが活躍を予想する大型新人=チャンプの魅力を紹介しましょう。
ウェブドットコムツアーのNo.1飛ばし屋
キャメロン・チャンプの魅力は、ずばり飛距離。
彼のロングドライブは、米ツアーを代表する“飛ばし屋”のダスティン・ジョンソンやローリー・マキロイの一段上を行くとも言われています。
ウェブドットコムツアーの18年シーズンの平均飛距離は343.1ヤード!
2位の選手をほぼ10ヤード引き離しての断トツの1位でした。
しかも、身長183センチ、体重79.4キロというツアーでは細身の体形で、力任せではない、シャープなスウィングによるビッグドライブなのです。
そのため、飛距離No.1でありながらフェアウェイキープ率はそれほど悪くなく、シーズンのフェアウェイキープ率は67.11%で48位でした。
元ゴルフチャンネルのキャスターで現ゴルフジャーナリスト・アンディ和田さんは、アマチュア時代から彼に注目。
先週の米ツアーデビュー戦のあと、
「キャメロン ・チャンプのスウィングは上品というか決してマン振り太郎ではありません。 見た感じ8割ぐらいの振り。なのにボールは滞空時間が長く落ちてきません」
とツイートしています。
デビュー戦「セーフウェイオープン」の成績は?
そのデビュー戦ですが、やはり気負い・緊張があったのでしょう。
成績は25位タイとまずまずでしたが、注目のドライバー平均飛距離は328.4ヤードにとどまり、出場選手中の3位。
ロンゲストドライブの記録は401ヤードで11番目でした。
でも、ティーショットのパフォーマンスの高さを示す「ストロークゲインド:オフ・ザ・ティ」の数値は1.605で、群を抜いてのトップ。
また、ヘッドスピードは129.61マイル/時(日本で使われる数値に換算すれば、約57.60メートル/秒)。
そして、そこからはじき出されるボールの初速度は192.67マイル/時(同、約85.63メートル/秒)で、やはりともにトップでした。
ポテンシャルの高さにいつわりなし。
次のトーナメントでは本来のビッグドライブが見られることでしょう。
才能は飛距離だけじゃない
チャンプはまた、アイアンの正確性も高く、昨季ウェブドットコムツアーではパーオン率75.46%で4位の好成績でした。
そして、平均ストロークは69.04で2位。
飛距離だけではない、素晴らしい才能の持ち主なのです。
父と祖父が黒人で、決して裕福な家庭の出身ではないため、今後活躍すればジャスティン・トーマスやジョーダン・スピースとは違った、新しいタイプの「ヒーロー」として注目され、人気を集めることでしょう。
キャメロン・チャンプ。この名前を覚えておきましょう。