プロゴルファー
こせきよういち
だからライダーカップは面白い~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#91
タイガー・ウッズの5年ぶりツアー優勝の興奮が冷めやらぬ中、今週も興奮間違いなしのイベント=欧州と米国のチーム対抗戦「ライダーカップ」が開催されます。
大会の詳しい情報等はテレビ中継のゴルフネットワークの専用サイト(下記リンク先)を見ていただくとして、ここでは前回大会(2016年、アメリカ開催)の面白いエピソードを紹介しましょう。
前回はアメリカのヘイゼルティン・ナショナルGCで行われ、アメリカが圧勝で4大会ぶりの勝利を獲得しました。
これで通算成績はアメリカの26勝13敗2分けとなりました。
そして、競技終了後は勝利チームのお祭り騒ぎです。
その中で撮られたのが、上掲の画像。ライダーカップでは選手、キャプテン、サブキャプテンがそれそれ夫人やガールフレンドを伴って参加します。
ところが、当時独身で特定のガールフレンドも不在だったのがリッキー・ファウラー。
その彼をからかうようにして、チームを挙げてポージングしたのがこの一枚。
ユニークで、笑える構図が大評判となりました。
今年も、同様の面白画像を期待したいものです。
国・地域を挙げてのイベントだから
The boys are back in town.#RyderCup pic.twitter.com/5lO0PjBjbD
— PGA TOUR (@PGATOUR) 2016年9月29日
ライダーカップは国・地域を挙げての一大イベントですから、晴れやかな演出の開会式も見ものです。
今年はフランスのパリ(ル・ゴルフ・ナショナル)が舞台。きっとお洒落な開会式になることでしょう。
前回大会で個人的にカッコイイと思ったのが、上掲の画像=ヨーロッパチームの入場シーンです。
揃いのダークスーツに黒のネクタイ、そしてサングラス。まるで「メン・イン・ブラック」?
敵地に乗り込んでの戦いですから、最初はガツンと、これくらいの凄みがあっていいでしょう。
ちなみに、このときのオープニング・セレモニーでは、人気ソウルシンガーのアロー・ブラックによるパフォーマンスが行われました。
そして、今回はイギリスの人気ポップバンド=カイザー・チーフスとフランスの女性シンガー・ソングライター=ジェインのコンサートが予定されています。
ギャラリーも一緒に戦う
普段のツアートーナメントでは、ギャラリーがプレー中の選手にブーイングを浴びせることは基本的にありません。
でも、ライダーカップは別です。
ギャラリーというより、サポーター。観客は味方チームの応援だけでなく、敵チームには――ストロークを邪魔する言動はいけませんが――プレーの合間やストローク直後に、ブーイングや野次を飛ばします。
前回大会で面白かったのが、この動画の場面。
パッティング練習をする敵チームのジャスティン・ローズに対し、地元アメリカのサポーターがたぶん「へたくそ」とか、「俺のほうが上手い」といった野次を飛ばしたのでしょう。
すると、ローズが「だったら、やってみろよ」と、野次の主をグリーン上に呼び寄せます。
そして、自分が沈められなかった位置にボールとベットの100ドル札を置き、チャレンジさせたのです。
果たしてその結果は? ぜひ動画をご覧ください。
プレーヤーだけでなく観客も一緒に戦う。それがライダーカップの面白いところです。
会場が最も沸いたのがこの場面
前回大会、ブーイングが最高潮に達したのが、最終日のシングルス=ロリー・マキロイ対パトリック・リードのマッチでした。
8番パー3。先にマキロイが約12メートルのロングパットを見事に沈め、バーディを奪います。当然、地元の大ギャラリーからは盛大なブーイングです。
さらに、マキロイは「もっと、もっと!」と野次を要求する“憎まれポーズ”で、圧倒的な存在感を示します。
ところが、直後にリードが7~8メートルのバーディパットを入れ返し、地元サポーターの歓喜の声援を呼び起こしたのです。
好敵手。互いに「よくやるじゃないか」と笑顔のフィストバンプ(グータッチ)。
ふたりのマッチは2016年大会一番の名勝負となりました(結果はリードの1アップ)。
今年もこうした白熱のマッチが見られることを期待しましょう。