プロゴルファー
こせきよういち
モリナリの優勝で蘇る伝説の一打~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#82
タイガー・ウッズのメジャー15勝目の期待がふくらみ、例年以上に盛り上がった全英オープン。
大会はこのところ絶好調のフランチェスコ・モリナリが母国イタリアに初のメジャータイトルを持ち帰って、幕を閉じました。
そのモリナリは優勝インタビューでこんなことを口にしています。
「この優勝には別の意味がある。今日は、できるだけ多くの子どもたちがテレビ観戦していたことを願っている。1995年、私が優勝にあと一歩まで迫ったコンスタンティノを見ていたように。そして、願わくば、あのとき私が彼から刺激を受けたように、子どもたちが触発されるものであったらうれしい」
コンスタンティノとは、1995年、セントアンドリュースでの全英オープンでジョン・デイリーとのプレーオフまで進み、惜敗したイタリア人、コンスタンティノ・ロッカのことです。
その大会は、モリナリたちイタリア人に限らず、多くのゴルフファンにとって忘れられない、感動的な試合でした。
全英オープン史に残るミラクル
ロッカのこの一打は、古くからのファンなら鮮明に覚えていることでしょう。
1995年の全英オープンは、プレーオフの末、ジョン・デイリーがメジャー2勝目を挙げた試合ですが、最も強く印象に残ったのはロッカの282打目、最後の一打でした。
ゲームはデイリーが6アンダー(282打)で先にホールアウト。
一打差で追う最終組のロッカの上がりを、ポーレット夫人と一緒にテレビモニターで見守っていました。
最終18番パー4。ロッカのティーショットはグリーン左、「罪の谷」と呼ばれるグリーン左の窪地の手前まで転がってきました。
バーディチャンス、つまりデイリーに追いつくチャンスです。
ところが……。
その後の劇的な展開、ミラクルな一打は上掲の動画を見てもらいましょう。
プレーオフ決着後にも面白エピソードが
デイリーとロッカのプレーオフ(4ホールの合計ストロークで競う)は1ホール目から一方的な展開になりました。
ロッカは、72ホール目の最後の一打でエネルギーを使い果たしたのかも知れません。
ところで、二人のプレーオフが終わった瞬間、18番グリーンでは予期せぬ騒ぎが起きました。
グリーンに全裸の男性が闖入(ストリーキング)したのです。しかも、背中には「19th HOLE↓」の文字。「↓」の先にあるのはお尻です。
これには優勝したデイリーも表情が凍り付きました。本来なら夫人と喜びを爆発させたいところですが、夫人を守るように、騒動に背を向ける姿が印象的です(下記の動画を参照)。
ちなみに、このときテレビ中継のBBCのカメラはストリーカーの姿を完全にフレームアウト。
テレビ視聴者はいったい何が起こったのか分からず、ただデイリーの戸惑う姿だけを見せられていました。
今週、同じ舞台で二人が顔を合わせる
Two weeks from today, we'll be seeing rivalries renewed as the seniors battle it out on the final day! #SeniorOpenChampionship pic.twitter.com/ccIcvzudWn
— St Andrews Links (@TheHomeofGolf) 2018年7月15日
そして、今週、ジョン・デイリーとコンスタンティノ・ロッカのふたりはセントアンドリュース・オールドコースの舞台に戻ってきます。
全英シニアオープンが開催されるからです。
現在のふたりの調子から23年前の再現というわけには行かないでしょうが、メディアには95年のエピソードが多々取り上げられるはず。
また、ロッカに対しては、全英オープンを制したばかりの後輩モリナリに関する質問も……。
どんなことが語られるのか。楽しみにしたいと思います。