プロゴルファー
もーりー
勝負の行方を左右したのはやっぱりアーメンコーナー!マスターズ2018をプレイバック Part 5【最終日 後編】
春です、4月です、桜の次はアザレアです!
そう、アザレアの花といったらマスターズ!!
もつれにもつれたサンデーバックナイン。
『勝負の行方を左右したのはやっぱりアーメンコーナーだった!』
と私は思うんですが、皆さんはいかがですか?
サンデーバックナインで猛スパートをかけたのはこの男!
ジョーダン・スピースのド派手な追い上げに注目が集まるなか、虎視眈々とグリーンジャケットを狙う男がいました。
そう、最終組の一組前をまわるリッキー・ファウラーです。
前半を-1で折返した後のサンデーバックナインで一気にスパートをかけます。
アーメンコーナーの12~13番ホールで連続バーディー、15番でもバーディーでスコアを伸ばすと、難しい18番でも執念のバーディーパットを決めて、トータル-14の2位でフィニッシュ。
惜しくも優勝は逃しましたが、サンデーバックナインは誰もがファウラーに一番魅了されたのは間違いないでしょう。
そして今回のマスターズで最も美しいゴルフをしたのはファウラーだった、と私は思うんです。
攻めるところは攻める(今大会イーグルも記録)、そしてガラスのような高速グリーンに対しての鉄壁の防御(4日間でのボギーはわずか6つだけ)はマスターズ攻略のお手本のようなプレーでしたね。
このプレーを続けられれば、ファウラーがメジャータイトルを手にするのは時間の問題でしょう。
栄光をつかみグリーンジャケットに袖を通したのは…
そして栄光をつかみグリーンジャケットに袖を通したのは…。
そう、パトリック・リードでした!
最終的には辛くも1打差での勝利となりましたが、結局2日目から首位の座を守り通しました。
終始安定した試合運びのように見えたリードでしたが、3日間でスコアを伸ばしまくった得意のパー5で1つもバーディーが獲れないなど、最終日はずい所に緊張の様子が見られました。
それでも、ボギーで1つスコアを落とした直後の12番のパー3で奥からのバーディーパットをねじ込み、14番では2日目に続くスーパーショットでピンに絡めてバーディーを奪いました。
その後はしっかりとパーセーブを積み重ね、ファウラーにスピースという当代随一の人気者の猛追を振り切り、見事優勝を手にしました。
ジュニア時代から切磋琢磨してきたファウラーに“ファイター”と表現されるほどの攻撃的、かつ気迫溢れるプレースタイルが身上のリード。
熱くなりすぎる性格やビッグマウスが災いし、物議を醸すことも度々ありましたが、今大会は攻撃的スタイルはそのままに、最後まで冷静さを失うこともありませんでしたね!
勝負の行方を左右したのはやっぱりアーメンコーナーだった!
リードの初優勝で幕を閉じた今年のマスターズ。
スピースがボギーとしてしまった18番や、リードがバーディーを決めた14番を勝敗のポイントに挙げる人も多いとは思うんですが、私はやっぱり今年も“アーメンコーナー”が勝負を左右したのではないかと考えています。
最後まで優勝を争ったリード、ファウラー、スピース。
実は最終日の12番のショートホールでは3人ともバーディーでした。
ただ、前のホールをボギーとしていたリードにとっては起死回生のバーディーであったのはもちろん、ボギーの直後にバーディーを取り返すという3日目までの良い流れを思い出し、冷静さを取り戻せた瞬間だったんじゃないかと思うんですよね。
このバーディーのおかげで13番もリスクを冒してまで攻める必要がなくなりました。
いっぽう12番のバーディーで勢いづいた“追う立場”のファウラーとスピース。
次の13番でイーグルを狙いに行きましたが、結果は2人ともバーディー止まりでした。
ここでどちらかがイーグルを獲っていれば、後続のリードは13番と15番のロングホール(パー5)でリスキーに攻めざるを得なくなりますから、自滅を誘えた可能性が非常に高かったと思います。
3日目にリードにイーグルを獲らせた13番のグリーンに棲(す)む“アゼリアの魔女”は、最終日もファウラーとスピースではなくリードに味方したようですね (笑) 。
優勝したリードは27歳、ファウラー、スピース、ジョン・ラーム、ローリー・マキロイを加えた上位5人の平均年齢も26歳と、若い力が躍動した今年のマスターズ。
特にこの5人は残りのメジャー大会やライダーカップでも、その中心としてしのぎを削ることでしょう。
そんな豪華な顔ぶれのなかでマスターズチャンピオンの称号を手中に収めたリード選手、本当におめでとうございます!!
そして私はもう少しの間、今年も数々のドラマと感動を与えてくれたマスターズという夢舞台の余韻に浸ることにします♪
それでは、また!!