プロゴルファー
こせきよういち
世にも恐ろしい、シャンクのお話!~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#58
先週の米ツアー競技「ウェイスト・マネジメント・フェニックスオープン」。
とても話題豊富な大会でしたが、私が注目したのは2日目、名物の16番パー3で飛び出したイアン・ポールターのシャンクです。
ゴルファーが最も恐れるミスショットの代表=シャンク。
別名「ソケット」と呼ばれることから分かるように、アイアンのネック部分でヒットし、結果、ボールが斜め右に抜けてしまう当たりのことです(下記のリンク先の動画を参照)。
プレーヤー本人、そして周りの誰もが思いも寄らぬショットですから、とても危ない打球になります。
そこで、今回は“ヒヤッ!”としたシャンクの動画を紹介しましょう。
名物のスタンドに打ち込んだイアン・ポールター
Out of all the places to hit a shank, 16 at Waste Management might be the worst. pic.twitter.com/XNmLG4QVAw
— Skratch (@Skratch) February 3, 2018
まずは、今回のイアン・ポールターのシャンクから。
フェニックスオープンの16番パー3(通称:コロセウム)は、2万人超の大ギャラリーが詰めかける、しかもその多くが酔っぱらっている“スポーツバー”のような空間。
ここではティショットがグリーンに乗れば大歓声を挙げて大騒ぎ、乗らなければ大ブーイングで大騒ぎ。
そんなホールです。
そこでポールターの一打は、右前方のスタンドにダイレクトで飛び込んだのですから……。
幸い時間が遅く、人気選手の組の通過後だったので、スタンドはご覧の通りガラガラ(下記リンク先の動画もご覧ください)。
そのため、わずかなブーイングを浴びる程度で済みました。
もしこれが満員だったら、もともと“ヒール”のポールターですから、ブーイングの嵐に巻き込まれたに違いありません。
ギャラリーをかすめたジョナサン・ベガス
次は、昨年9月のシーズン最終戦「ツアー選手権」初日に、8番ティーで飛び出したジョナサン・ベガスの危険なシャンクです。
この一打は6番のティーサイドで椅子に座って観戦する男性目がけて……。
幸い男性は直前に気が付きことなきを得ましたが、結果、こんな格好になってしまいます。
思いも寄らない方向から飛んできた打球は恐ろしいのです。
こわもてのアンヘル・カブレラにあわや! ピーター・ハンソン
恐ろしいといえば、このシャンク。
2012年の全米プロゴルフ選手権。
スウェーデンのピーター・ハンセンが放った一打は、隣のティーでいままさにティーショットを打とうとするアルゼンチンのアンヘル・カブレラのバッグを直撃。
そして、ボールはカブレラの足元にポトリと着地したのでした。
カブレラといえば、がっちりとした体格で、ツアープロの間では「酒場で喧嘩に巻き込まれたとき、最も頼りになる男」と言われる選手のひとり(アメリカのゴルフメディアはしばしばこんな面白いアンケートを実施しています)。
ですから、当たりそうになったカブレラより、当てそうになったハンセンのほうが“ヒヤッ”と、恐ろしい思いをしたのかも。
身軽なカメラマンに救われたマーク・リーシュマン
最後は、昨年のデル・テクノロジーズ選手権の最終日、18番グリーンの手前=ウォーターハザードに指定された窪地から放たれたマーク・リーシュマンのシャンクと、その直撃を見事な反射神経でかわしたTVカメラマンです。
この一打は、打ったリーシュマンも「冷や汗もの」ですが、それをかわしたカメラマンも“ヒヤッ!”としたに違いありません。
ボールを避けきれず、体に当たれば、ボールは再度この窪地に落ちたはず、だからです(カメラマンは規則上の局外者なので、当たったボールはあるがままで次のプレーとなります)。
この大会、リーシュマンは3位で59万5000ドルの賞金を獲得しました。
しかし、1打落とすと4位の2選手に並ばれ、彼は3人の3位タイになるところでした。
その場合の賞金は45万5000ドル。日本円にして1500万円以上の減少です。
カメラマン、ひや~っ!
シャンクの“ヒヤッ!”にはいろいろあるのです。