ゴルフスイング
YAMA72
シャンクの応急処置と根本治療、そして勇気の出る映像
シャンクとは、ボールがクラブのネック(根元)の部分に当たってしまい、右に飛び出してしまうショットです。
グリーン周りに近づいて、さぁピンに寄せるぞ! なんて思っているのに、ペチッという不気味な打感とともに、とんでもなく右方向へ飛んでいくボール……。
一瞬で目の前が真っ暗になる、あの経験、きっと誰もがしていることでしょう。
今回はシャンクを防ぐ方法の紹介と、プロでもこんなことがあるんだよ、という動画の紹介です。
シャンクが出てしまった! シャンクの原因は?
突然始まってしまい、焦っても焦ってもなぜか止まらないのがシャンク病。アプローチで出ることが多く、スコアを無駄に浪費していくばかりなので、スコアだけでなく精神的なダメージも大きいものです。
シャンクはクラブがネックに当たってボールが右に出てしまう症状ですが、主に2つの原因が挙げられます。
1.インパクト時に手元が体から離れている
2.アウトサイドインの軌道になっている
インパクトで手元が離れてしまうと、それだけフェースがボールの外側を通ってしまいますので、ネックに当たりやすくなります。またアウトサイドインのスイングでは、ネック部分が先にボールに近づいていきますので、ネックに当たる確率が高くなります。
シャンクの応急処置は?
ラウンド中に突然出てしまうシャンク。なかなか止まらず冷や冷やしながらアドレスを迎える場面も少なくありません。しかしそんなときにスイング軌道を意識したり、スイング改造をしようとすると、スイングそのもののバランスを崩してしまう可能性も出てきます。
そのためシャンクがラウンドで出てしまった場合は、まずは応急処置をして修正していきましょう。
やり方はセットアップを修正するだけ。
・アドレスしたときにボールを1センチメートルだけトウ側にセットする
・アドレスのときに足の裏を意識して中央に体重を乗せる
この2点です。
もちろんスイングはそのまま変えないのがポイントです。
ボールをトウ側にセットするのはよく言われている方法ですが、あまり極端にやったり、基準なくやったりすると上手くいきません。いつもより1センチメートルだけトウ側に置くだけで、スイングの感覚は変えずにシャンクを予防することができます。
またアドレスで足の裏の体重を中央に乗せるのは、スイングのバランスを取りやすくするためです。シャンクが出てしまうとき、カカト体重になっていることが少なくありません。その状態でバックスイングを始めてしまうと、ゆりかごのように体重がつま先側に戻ってきてしまい、上体が前のめりのような形になってしまいます。
上体が前に傾けばそれだけフェースがスイング軌道の外側を通過します。するとシャンクが出やすくなってしまうのです。
足の裏の中央から重心を前後に動かさないように意識してみてください。アプローチなどではベタ足でショットしてみるのも良いでしょう。
シャンクの【根本的な治し方】
シャンクの応急処置方法を紹介しましたが、次回のラウンドに向けて根本から解決しておきたいものです。シャンクの根本的な治し方もチェックしておきましょう。
シャンクが起こるそもそもの原因は、フェースの通り道が思っていたところよりも外側を通ってしまい、フェースではなくネックにボールが当たってしまうことです。
そこでフェースの通り道をイメージ通りにしなければなりません。知らない間にスイング軌道が膨らんでしまっているのが原因で、スイングバランスや軌道のどこかが狂っています。
そこで次のドリルをやってみてください。
1.アドレスをして右足を一歩ほど下げた状態でアプローチ
スイング中に重心が崩れることがなく、片足なので体も余計な動きをできなくなります。重心のバランスが崩れているときにかなり有効な方法となります。
重心を左股関節に乗せたまま、動かさないように練習してみましょう。このとき体重移動が使えなくなるので、手打ちになりがちですが、スイングが小さくても捻転を使うように意識してみてください。
2.ボールの奥と手前にボールなどを置いてヘッドの通り道を限定する
ボールを打つだけでなく、ヘッド軌道がずれないようにボールを置いて矯正するドリルです。何も置かずに意識するだけでも悪くはありません。しかし実際に何かが置いてあると、視覚的に意識がしやすいので、練習効率を高められます。
シャンクが出やすくなるスイング改造!?
実は、スイング改造をすすめていくと、シャンクが出やすくなってしまうことがあります。スイング改造をしていたら突然シャンクが出始めた、という心当たりがある人も多いのではないでしょうか。
特に、最近流行しているシャロースイング。シャロースイングとはダウンスイングでヘッドを低めに下げて、スイングの入射角を緩くするスイングです。多くのゴルファーが取り入れており、シャロースイング習得に取り組んでいる方も少なくないでしょう。
でもこのシャロースイングを極端にやり過ぎてしまうと、ダウンスイングで下げたヘッドが反動でインパクト付近で外へ外へ膨らもうとします。
このときフェースの軌道だけでなく手元も同時に浮いており、ヘッドが膨らむため手元が浮き、さらには抑えきれなくなってしまいます。
シャロースイングはメリットの多いスイングですが、極端にやってしまうとシャンクが頻発しますので、注意しましょう。
プロでもあります
シャンクの悪夢は、アマチュアだけを襲うものではありません。
アメリカのPGAツアーで活躍している、スコットランド出身のプロゴルファー、ラッセル・ノックス選手。
2016年「ザ・プレーヤーズ選手権」3日目を、彼は8アンダーの好位置で迎えていました。そして、アイランドグリーンの待ち構える17番で、事件は起きました。
池ポチャ、シャンク、その打ち直しも……。
でもギャラリーの声援と、グリーンに乗せたときの彼の表情からは、感動をもらいます。
ぜひご覧ください。