プロゴルファー
こせきよういち
強いタイガーが帰ってくる?~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#56
世界のゴルフ界が今週一番注目するのは、米ツアー(フェデックスカップ対象競技)にちょうど1年ぶりに復帰するタイガー・ウッズでしょう。
今週のトーナメント「ファーマーズ・インシュランスオープン」の舞台=トーリー・パインズGCはタイガーがジュニア時代から数多くラウンドしてきた得意のコース。
この大会の7度の優勝に加え、2008年に行われた全米オープンの計8回、同コースで勝利を重ねています。
また、昨年末に自身がホスト役を務める「ヒーロー・ワールドチャレンジ」では、3日間、60台をマーク。
飛距離も、同じ組でラウンドした松山英樹をオーバードライブするなど、“復活近し”を思わせる話が伝わっています。
さて、今週はどんな戦いぶりを見せてくれるのでしょうか? とても楽しみです。
で、今回は過去の同大会で記録された印象的なパッティングを取り上げてみましょう。
08年のタイガー・ウッズのミラクルパット
まずは、そのタイガーのミラクルパットから。
タイガーはこの試合を7回制していますが、05年~08年(当時の大会名称はビュイック・インビテーショナル)には4年連続優勝するなど、ここでは圧倒的な強さを見せています。
その08年に飛び出したスーパープレーがこれ。
左に大きく曲がるラインを一打で沈めたタイガーの“してやったり!”の表情とギャラリーの大歓声が印象的です。
上空のカメラからの映像(下記のリンク先)を見ると、このパットの難しさがさらに良く分かると思います。
さすがタイガー、よくぞ読み切ったものです。
昨年、ジョン・ラームにツアー初Vをもたらした劇的パット
ミラクルなパッティングといえば、昨年、この大会でツアー初優勝を遂げたジョン・ラームが思い出されます。
ラームは最終18番(570ヤード、パー5)を2位に1打リードして迎えました。
このホールでバーディを奪えば、勝利はほぼ手中に入ります。
持ち味のロングドライブを生かし、2オンにはほぼ成功したのですが、ボールはグリーンの奥のカラー。そこからは下り傾斜の難しいラインになります。
バーディを奪うには、次のパッティングアプローチでカップの少し先に止めるのがベスト。
手前に止まって、下り傾斜のパットを残すことだけは避けたい。
そんな難しいパットは、劇的な勝利の一打となりました。
16年大会のコルト・ノストの超ラッキーパット
トーリー・パインズGCはカリフォルニア州サンディエゴにある市所有のムニシパルコース(公営パブリックコース)です。
太平洋に面した素晴らしい景観のゴルフコースですが、ときに強風に見舞われることがあります。
16年大会の最終日も強風が吹き荒れました。
最終ラウンドを17位タイで迎えたコルト・ノストは3番パー3のグリーン上で、その強風に苦しめられます。
グリーンサイドで見守る競技委員に対し、「この風ではプレーできない」と中断を訴えているようです。
ファーストパットは12メートル弱のロングパット。風はノストの背中から。
つまり、グリーン上を転がるボールは右に押し出されることなります。
その風を考慮に入れ、ノストはカップの左を狙ったのですが、いくらなんでも左過ぎ……。
この直後、競技は一時中断になりました。