Gride

gettyimages/627695164
getty

プロゴルファー

こせきよういち

今週、世界が注目するタイガーの復帰戦 ~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#49

今週、世界中のゴルフファンとメディアが一番注目するのは、バハマで開催される「ヒーロー・ワールドチャレンジ」です。

いうまでもなく、タイガー・ウッズの復帰戦だからです。

タイガーが米ツアーでプレーするのは今年1月末以来、約10ヵ月ぶりになります。

2013年以来優勝から遠ざかっているタイガーですが、彼の復帰はファンだけではなく、多くのツアープレーヤーも待ち望んでいました。

そして、今週に入り、予想以上の復調ぶりが伝えられると、その期待は高まる一方です。

そもそもこのトーナメントは、タイガーがホスト役のツアーイベント(ただし、フェデックスカップ・ポイント対象競技ではない)で、出場するのは世界ランキングの上位16人と主催者推薦の2人(今回は、タイガーとダニエル・バーガー)の合計18人。

たった18人ですが、今回は世界ランキングトップ10のうち、ジョン・ラームとロリー・マキロイを除く8人が出場。

そのため、世界ランキングの配点は優勝=48ポイント(同じく今週開催のゴルフ日本シリーズは現状、20ポイント)にもなるビッグイベントなのです。

そのためでしょう、シーズンオフのTVマッチという感じはなく、優勝争いは普段のツアー競技並みに盛り上がります。

そして、過去にはいくつもの名勝負・名シーンがありました。

昨年は松山英樹が実力をきっちり示して優勝

まずは記憶に新しい昨年の大会から。

優勝したのは、1ヶ月前の世界ゴルフ選手権「HSBCチャンピオンズ」で2位に7打差をつけて圧勝した松山英樹です。

この大会でも2日目にトップタイに並ぶと、3日目には65の好スコアをマーク。やはり、2位に7打の大差をつけて単独トップに立ちました。

最終日は73とちょっと崩れましたが、それでも2位のヘンリック・ステンソンに2打差をつけて勝利。

2016年/17年シーズンの活躍が最も期待される選手のひとりになったのでした。

また、大会ホストのタイガーも「今後長い間、自分が倒さなければならないトップ選手になるだろう」と称賛。

タイガーに松山の強さを改めて認識させる大会になりました。

上記の動画は大会3日目、7番パー4で飛び出したイーグルのシーン。

「勝つべくして勝った」ことを納得させる一打でした。

勝利に飢えるタイガーの気迫が伝わる優勝シーン

大会は1999年から毎年開催、今年が19回目となりますが、過去18回で一番多く優勝しているのはやはりタイガーで、計5勝を挙げています。

タイガーが追求するのは、レベルの高い競技会で他を圧倒して勝つこと。熱く闘い、勝利することが彼のモチベーションです。

だから、自分がホストのこの大会でも、むき出しの闘志でプレーしています。

そのことが伝わるのが、上記の動画です。

5度目の優勝となった2011年大会。

タイガーは、一緒にプレーするザック・ジョンソンに16番で1打リードされたのですが、映像にある17番、18番で連続バーディを奪い、見事な逆転優勝を果たしたのです。

そして、この魂のこもった勝利の雄たけび。

彼のこんな姿をもう一度見たいものです。できれば、来年のメジャートーナメントで。

逆転負けに涙を飲んだザックが2年後に雪辱

上記、11年大会では土壇場でタイガーに逆転され、惜敗したザック・ジョンソンですが、13年大会では、逆に17番でバーディを奪い、1打先行するタイガーをキャッチアップしました。

ところが、最終の18番パー4。ザックは第2打をグリーン手前の池に入れてしまいます。

一方、タイガーの第2打はグリーン手前のガードバンカーへ。

絶体絶命の状況でザックが放った第4打が上記の動画です。

結局、2人の決着はプレーオフに持ち込まれ、その1ホール目でザックがパー。タイガーが短い距離のパーパットを外し、ザックが2年前の雪辱を果たしたのでした。

さて、今年の大会。

直前には、タイガーの「万全の体調」とダスティン・ジョンソンをしのぐロングドライブが伝えられましたが、果たして実戦ではどのようなプレーを見せてくれるのでしょう。

そして、松山英樹は? 

彼には多くのライバルを相手に、来年のメジャー制覇を予感させる、圧勝での連覇を期待してしまいます。