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プロゴルファー

こせきよういち

モリカワが見せたタイガーへの熱い謝意~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#206

先週開催された世界ゴルフ選手権(WGC)「ワークデイ選手権」は、コリン・モリカワ(24歳)が3日目までのトップを最終日もほぼ危なげなく守り切り、WGC初優勝を果たしました。

昨年の全米プロに続くビッグタイトルです。

25歳以下でメジャーとWGCを制したのは、タイガー・ウッズに次いで2人目の快挙でした。

そして、この快挙とともにメディアで称賛されたのが、優勝インタビューで口にしたタイガー・ウッズへの感謝の思いです。

感動的だったので、改めて振り返ってみましょう。

「タイガーに“ありがとう”と言いたい」

まずは、その優勝インタビューから(上掲ツイッター動画)。

「タイガーは僕のすべてです。だから彼が事故に遇っても、無事だった(生きている)ことはありがたいし、早いカムバックを願っています。僕らは、彼に十分なだけの『ありがとう』を言っていないと思います。だから、ここで僕はタイガーにありがとうと言いたい。だって僕らは、時にあまりにも早く(大事な)人を失ってしまうのです。例えば、コービー(ブライアント。NBAの伝説的な選手。昨年1月にヘリコプター事故死)。それから……、僕は祖父を亡くしたんだ。1ヶ月ほど前に。彼らにはもう『ありがとう』って言えない。だから、ありがとう」

モリカワは終始インタビュアーに視線を向けながら応えていますが、ただ「タイガーにありがとうと言いたい」と語った時だけは、顏をテレビカメラに向け、テレビカメラの向こうにいるタイガーに「Thank you」と言っています。

タイガーに対する真摯な感謝の思いが伝わります。

そして、インタビューの場を後にすると、モリカワはうつむき、目にたまった涙をぬぐったのでした(下掲のツイッター動画も)。

ファンなら胸キュンのシーンです。

モリカワに届かなかった赤シャツ

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最終日は多くの選手がタイガーの早期の回復を願い、タイガーの最終日の定番である赤シャツ&黒パンツ姿で登場しました。

ただし、急な提案だったようで、多くはタイガーと同じナイキのウェア契約プロでした。

というのは、ナイキの契約プロは基本的に、ウェア上のスポンサーシップはナイキだけ。ですから、他のスポンサーロゴをシャツに付ける義務はなく、ナイキに自分のサイズの赤シャツを用意してもらえれば済みます。

一方、他のウェア契約プロはそうはいきません。

多くは着用するシャツに、他の契約スポンサーのロゴを付けなければなりません。モリカワの場合は、アディダスのシャツの左袖にチューリッヒ(保険会社)のロゴですね。

そこで、彼は事前にアディダスに発注していたのですが、そのシャツを乗せた航空便が悪天候のため途中でストップ。

当日、スタート前にもキャディに配送センターへ行ってもらい直接確認したのですが、やはり届いていませんでした。

「マネージャーからは、赤シャツを着なくても、最終日をリードして迎えた時のタイガーのようにプレーしよう、って言われたんだ。そして、僕はその通りにできたと思う」と後のインタビューで語っています。

プレーヤーたちのアクションにタイガーも感謝

一方、この日のテレビ中継を目にしたタイガーはツイッターに、「今日テレビ中継を見て、赤いシャツ姿の皆を見た時の思いは、何と言えばいいのかわからない。すべてのプレーヤーとファンに伝えたい。あなたたちのお陰で、この苦境も乗り越えられるということを」とさっそく投稿しています。

この日は、赤シャツ着用の他にも、ブリヂストンのボール契約プロ(ブライソン・デシャンボーやシニアツアーのフレッド・カプルスなど)がタイガーのネーム入りボールを使用。また、米女子ツアーでは、13年ぶりのツアー出場で話題になったアニカ・ソレンスタムがやはり赤シャツでプレーしていました。

皆、タイガーの一日も早い回復を願っています。