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Taddy Bear
JLPGAは来季も続々とニューヒロイン登場の予感!〜2020年新人戦加賀電子カップ〜
当該年度のJLPGAプロテストに合格した選手だけが参加資格を持つ加賀電子カップ。
女子プロにとっては一生に一度のJLPGA新人戦です。
2020年の第23回大会、優勝したのはセキ・ユウティン選手。白熱した展開を繰り広げた他の選手たちにも高い潜在能力を感じさせる試合でした。
23回開催の歴史を持つ新人戦、加賀電子カップ
加賀電子カップが最初に開催されたのは1996年。今年で23回(2002年と2019年は非開催)を迎える歴史ある大会です。
ただし、開催当初の頃は現在に比べると人気面で大きな隔たりがありました。
1996年の大会を振り返ってみると、伊藤園レディスゴルフトーナメント3日間の入場者数が約7000人、日本女子プロゴルフ選手権大会でも約2万人。
年間試合数が同じ36試合の2019年はシーズンを通した観客動員数が60万人超。平均すると、毎試合23年前のメジャーの試合並みに観客が入っていることになります。
現在と加賀電子カップ初年度開催当時との落差がいかに大きいか、わかりますね。
そんな時代でも、あえて新人戦をスタートさせた意気込みが今日のJLPGA隆盛要因のひとつとも言えます。
ちなみに第1回の優勝者は永久シード保持者の不動裕理選手。
歴代優勝者の中には上田桃子選手や横峯さくら選手、森田理香子選手(現在は休養中)など、賞金女王に輝いた選手がいます。
とは言え、しょせんは新人戦。
振り返れば優勝としての記録を見ることはできても、優勝時に活躍が約束されているわけではないのでマスコミの注目度はけっして高くありませんでした。
その注目度が変わったのは2017年12月に行われた第21回大会。
すでにアマチュアでレギュラーツアー1勝、プロ後はステップ・アップ・ツアーで1勝している勝みなみ選手を筆頭に、同じくレギュラーツアーで1勝を上げた新垣比菜選手、さらに植竹希望選手や小祝さくら選手など、実績を挙げているルーキーが大勢出場しました。
いわゆる1998年度生まれの『黄金世代』ですね。
優勝したセキ選手は3回目のチャレンジでプロ合格!
第22回も前回に劣らず豪華な顔ぶれ。
優勝した原英莉花選手を筆頭に、3位の渋野日向子選手、5位タイに河本結選手、10位タイには大里桃子選手、下位ではありますが高橋彩華選手や木下彩選手の名前もあります。
枚挙に暇がありませんね。
すでに第21〜22回大会に出場した選手たちが現在のレギュラーツアーやステップ・アップ・ツアーで中核になりつつあります。
そして2020年第23回大会(2019年は非開催)。
全米女子オープンの開催が間近とあって、笹生優花選手やレギュラーツアー優勝でプロ資格を獲得した古江彩佳選手こそ出場していませんが、来季の活躍が予想される有望な選手が集まりました。
その筆頭は優勝したセキ・ユウティン選手。
1日目をトップと2打差、3位につけると2日目は65で回り、2位に2打差をつけて逆転優勝。
とくに2日目はノーボギー、15番から上がり4ホール連続バーディは圧巻。
一気にまくって後続を突き放す爆発力は、(この試合に限り)トッププロ並の勝負強さを持っていると言えるでしょう。
2019年にはステップ・アップ・ツアーの日医工女子オープンで優勝、今シーズンはレギュラーツアーにも参加しており、知名度もあります。
ルーキーとしては十分な実績を持っているセキ選手ですが、じつは3回目の挑戦でプロテストに合格しました。
JLPGAプロテストがいかに狭き門であるか、よくわかりますね。
出身地は福井県ですが国籍は中国。
日医工女子オープン優勝時はたどたどしい日本語でしたが、加賀電子カップの時はとてもきれいな日本語を使っていました。
毎朝、日本のニュースを見て日本語を勉強しているそうです。
次回の勝利者インタビューが楽しみです。
多彩なキャリアと個性を持つルーキー達
残念ながら2位になってしまったのは山下美夢有(みゆう)選手。
キビキビとした動きとアドレスを決めたらスパッと打つ小気味よいテンポが特徴のひとつです。
まだ19歳。
優勝のチャンスはこれからたっぷりあります。
3位に入ったのは同じく19歳の西郷真央選手。中学生時代からジュニアやアマチュアのタイトル総ナメです。今を時めく原英莉花選手や笹生優花選手と同じくジャンボ尾崎に師事しています。
2019年には日本女子アマチュアゴルフ選手権に優勝しました。
QTランクは10位なので来季前半戦のフィールドはレギュラーツアー。上位に食い込んでくる可能性、大ですね。
日本代表やアマチュアの輝かしい成績を残している選手が多い中で、異色なのが5位入賞の宮田成華選手。
ゴルフを始めたのは10歳、本格的に取り組んだのは高校生から。かなり遅めです。プロテストも4度目で合格。
しかし、すでにステップ・アップ・ツアーでは上位に名を連ねることが多く、2020年はレギュラーーツアーで5位タイ入賞が2回ありました。
それに、遅咲きと言っても23歳。まだまだ伸び盛りといえるでしょう。
他にも飛距離が魅力の山路晶選手、笑顔に癒やされるレナゴンこと石川玲奈選手なども注目株。
今回、下位に沈んでしまった選手だって、潜在能力を秘めたプレーは随所にありました。
しのぎを削るライバル達の活躍に刮目!
そして忘れちゃいけないのが4位に入った安田祐香選手。
ジュニア、アマチュアタイトル総ナメに加え、JGAナショナルチームのエースとしても活躍しました。
2018年にはトヨタジュニアゴルフワールドカップで団体、個人ともに優勝、2019年にはアジアパシフィック女子アマチュア選手権で個人優勝。
ちなみにレギュラーツアーで3勝を挙げた古江彩佳選手は小学生の時からライバル的存在。
高校時代は同級生で、しかも同じJGAナショナルチームに所属していました。
もちろん、普段はとても仲の良い間柄。
2020年は頚椎捻挫で思ったような成績は残せませんでしたが、4位入賞は復調の兆し。
来季は古江彩佳選手とのライバル争いをレギュラーツアーで繰り広げてくれるでしょう。
それにしても女子プロの中心的存在となる選手層、さらに厚くなりました。まさに群雄割拠。
しかも、さらに高校生や中学生にも有望な選手が多くいます。ニューヒロインの予想をするだけでも楽しいですね。
来季、第23回JLPGA新人戦加賀電子カップに出場した全選手の活躍から目が離せません。