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黄金世代対決を制した原英莉花がメジャー大会初優勝を飾る!【日本女子オープン】

秋の心地よい天候の中で開催された第53回日本女子オープンゴルフ選手権(10月1日~4日/福岡県、ザ・クラシックゴルフ倶楽部、6761ヤード、パー72)。

同い年の小祝さくら選手に4打差をつけて単独首位でスタートした原英莉花選手は、通算16アンダーまで伸ばし、昨年6月のリゾートトラストレディス以来となるツアー2勝目を、初の国内メジャー制覇で飾りました。

予選を終えて首位に立ったのは今一番強いと言われる道産子娘!

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福岡を舞台に開催された第53回日本女子オープン。

新型コロナウイルスの影響で無観客となったのがもったいないくらいの素晴らしい試合となりました。

夏以降の水枯れで思うようにラフが伸びなかったこともあり、試合前には『優勝スコアは20アンダーまでいくかも』とも言われていましたが、大会史上最長となる6761ヤードのモンスターコースはそんなに甘いものではありませんでした。

蓋を開けてみれば予選2日間を終えてアンダーパーはわずか25名、予選カットラインは4オーバーという厳しい戦いとなりました。

そんな中で予選2日間を9アンダーとしてトップに立ったのは北海道出身の小祝さくら選手。

特に初日はノーボギーの6アンダーという素晴らしいラウンドでした。

コースセッティングの厳しいメジャー大会では、いかにボギーを叩かずにスコアを守るかが大事になってきますから、まさに教科書通りのプレーと言えるでしょう。

今シーズンは9月末時点で6試合中トップテンが3回、そのうち優勝が1回、2位が1回という抜群の安定感。

元々アイアンショットには定評がありましたが、今シーズンはドライバーやフェアウェイウッドの飛距離アップにも成功。

鈴木愛選手ら実力者がなかなか調子が上がらない中で、いまJLPGAで一番強い選手だと言ってもいいと思います。

決勝ラウンドで輝きを放ったのは“元祖ジャンボの愛弟子”!

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予選2日間で盤石の強さを見せ、そのまま最終日まで逃げ切るかと思われた小祝選手でしたが、その勢いを3日目に阻んだ選手がいました。

小祝選手と同じ黄金世代の原英莉花選手です。

173センチの長身に、モデルばりの美貌でデビュー当時から注目を浴びてきた選手ですが、彼女を有名にしたのは、高校時代からジャンボ尾崎の指導を受けているという面もあるでしょう。

今大会もジャンボにすすめられたアイアンシャフトを挿して試合に挑んだようですね。

そんな原選手は3日目を首位と3打差の6アンダーでスタートすると、前半9ホールだけで5アンダーの猛チャージ。

一気に首位の小祝選手をとらえると、後半も2バーディー1ボギーという安定したゴルフを披露しました。

結局この日だけで6つもスコアを伸ばし、逆に2位に4打差をつけて首位でホールアウトしました。

そしてメジャータイトルがかかった最終日も、バーディー量産で追いすがる小祝選手とのマッチアップを楽しむかのように伸び伸びとプレー。

特に11番、12番ではベタピンで連続バーディーを取った小祝選手のプレッシャーにひるむことなく、逆に原選手も連続バーディーで応酬するというシビれる展開は見応え十分でしたね。

最後まで安定したゴルフで小祝選手との一騎打ちを制した原選手。

2位に4打差をつけてのトータル16アンダー、文句のつけようのないツアー2勝目は初のメジャー制覇となりました。

元々ツアー屈指の飛ばし屋として名を馳せていた原選手ですが、昨シーズンまではドライバーの不安定さ(曲がり幅)と最終日に失速気味になるところが課題でした。

しかし今シーズンは課題の方向性も徐々に克服、昨年に比べてダブルボギーの数が大幅に減ってプレーに自信をつけてきた結果が、今大会で見事に花開いた印象ですね。

自身初のシーズン複数回優勝、そして海外での活躍にも期待!

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メジャー大会のプレッシャーに屈することなく見事な勝ちっぷりをみせた原英莉花選手。

しかし彼女はその華やかな容姿とは裏腹に、ゴルフにおいては常に試練を潜り抜けてきた苦労人。

アマチュア時代には主だった戦績もなく、昨年つかみとったツアー初優勝も他の黄金世代の選手たちよりも時間がかかりました。

そして今シーズンに入ると同じジャンボ門下生の後輩である笹生優花選手が一気に2勝をマークしての大ブレーク。

特に笹生選手の活躍とその飛距離(原選手を軽くオーバードライブ)には、原選手も心の中では穏やかではなかったことでしょう

しかしそんな笹生選手の活躍に対して、ジャンボ軍団の姉弟子としてメジャー大会制覇で応えたところが、非常にかっこいいですよね。

どれだけの困難が訪れてもそれを跳ね返すだけの精神力を自分のものにしつつある原選手。

自身初となるシーズン複数回優勝をマークするのも時間の問題かもしれません。

あとは原選手の恵まれたポテンシャルを見るにつけ、やはり海外での活躍に期待したくなりますよね。

原選手本人も、憧れの選手として畑岡奈紗選手の名前を度々口にするくらい海外志向が強い選手です。

このまま日本だけには納まることなく、世界で活躍する選手になってもらいたいものです。

師匠であるジャンボ尾崎も果たせなかった海外メジャー制覇に向けて、頑張れ原英莉花!

そして日本女子オープン制覇おめでとうございます!!