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プロゴルファー

こせきよういち

スーパーシーズン開幕!~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#181

米ツアーは9月8日、9日のわずか2日間のオフを終え、10日に2020/21年シーズンが開幕しました。

今季予定されている競技(フェデックスカップポイント対象競技)は6つのメジャーを含む全50試合。

1975年の51試合に次ぐ多さで、これに東京オリンピックとライダーカップが加わることから、米ツアーは今季を「スーパーシーズン」と呼んでいます。

その「スーパーシーズン」の注目点をまとめてみました。

ダスティン・ジョンソンの勢いはどこまで?

昨シーズン、とりわけ8月の全米プロ選手権以降の米ツアーは、ダスティン・ジョンソンが他を圧倒。念願のフェデックスカップ獲得=年間王者に輝きました。

ダスティンは今年初め、このタイトル獲得を最優先し、東京オリンピックの代表辞退を宣言。並々ならぬ意気込みを見せていました。

途中大きな波もありましたが、レギュラーシーズンの3倍(例年は4倍ですが、昨季は試合数が少なかったために削減)のポイントが加算される――それだけに年間王者争いには重要な――プレーオフシリーズに入ってから一段と調子を上げ、最終戦の「ツアー選手権」をトップで迎えました。

そして、その試合でも堅調にトップを守り、初めてフェデックスカップに手が届いたのでした。

「ツアー選手権」をトップで迎えた選手がそのまま年間王者に輝いたのは、2009年のタイガー・ウッズ以来とのこと。

それほど、逃げ切りが難しい、タフなタイトルなのでしょう。

ダスティンは世界ランキング1位にも返り咲き。しばらくは米ツアーのトップに君臨しそうな勢い、安定感を感じさせます。

来週の全米オープンも優勝候補の筆頭

今季米ツアーは、来週さっそく最初のメジャー=「全米オープン」を迎えます。

会場は、ニューヨーク郊外のウイングドフットGC。いかにも全米オープンらしい、「距離が長く、狭いフェアウェイに深いラフ。グリーンも硬く速い」というセッティングのようです。

ラスベガスのブックメーカーが設定したオッズ(払い戻し倍率)を見ると、本命はもちろんダスティンで、ひとり図抜けた高評価。

それを昨季のレギュラーシーズンをポイントトップで終えたジャスティン・トーマスやパパになったばかりのローリー・マキロイが追う形勢になっています。

これに、パワーでは負けないジョン・ラームやブライソン・デシャンボーがどう絡むのか。とても楽しみです。

11月のマスターズの展開は?

全米オープンが終わると、例年10月に行われていたアジアシリーズ(全3戦)は、今年はキャンセル。韓国開催のCJカップはラスベガス、日本開催のZOZO選手権はロサンゼルス郊外にそれぞれ会場を変更。中国開催のHSBCチャンピオンズは中止になりました。

この結果、米ツアーは基本的にアメリカ本土を転戦し、11月のマスターズを迎えることになります。

晩秋のオーガスタナショナルGCで繰り広げられるマスターズ。果たしてどんな景色のもと、どんなゲーム展開が見られるのでしょう。

ひとつだけはっきりしているのは、会場に響き渡る拍手・歓声が今年は聞かれないこと。

ギャラリーの入場について、米ツアーコミッショナーのジェイ・モナハンは、

「年明け後、少しずつ着手していくことになるだろう。まずは、シニアツアーと2部のコーンフェリーツアーで再開させたプロアマから始めることになる(米ツアーは今季第3戦のコラレス・プンタカナ・リゾートクラブ選手権で実施予定)。それから少人数に入ってもらい、感染予防のガイドラインの実効性を確認したい」

と語っています。

いろいろと前向きに模索はしていますが、以前の姿を取り戻すのはもうちょっと先になりそうです。