プロゴルファー
こせきよういち
米ツアーのプレーオフの基礎知識~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#178
米ツアーは今週から全3戦のプレーオフシリーズが始まります。
そこで今回は、フェデックスカップ・チャンピオン=年間王者を決める、このプレーオフの仕組みを簡単におさらいしてみましょう。
プレーオフは全3戦
米ツアーのプレーオフシリーズは、昨年から1試合減って、全3戦になりました。
今年の日程は、
第1戦:ザ・ノーザントラスト(8月20日~23日)
第2戦:BMW選手権(8月27日~30日)
第3戦:ツアー選手権(9月4日~7日)
※9月第1月曜日(今年は9月7日)はアメリカの祝日「レイバー・デイ(勤労感謝の日)」で、米ツアーでは例年、この日を大会最終日とする日程が組まれています。
各トーナメントに出場できるのは、フェデックスカップポイントのランキングで、第1戦は125位までとなります。第2戦は70位まで、第3戦は30位までで、欠場が出ても繰り上げはありません。
そして、優勝者に配点されるフェデックスカップポイントはレギュラーシーズン競技は各500、世界ゴルフ選手権(WGC)は各550、メジャーは各600ですが、プレーオフシリーズは各2000ポイント。
ただし、今年はレギュラーシーズンの試合数が少なかったことを考慮し、1500ポイントに削減されました。
※上掲の画像は、今季レギュラーシーズンをポイントトップで終えた、ジャスティン・トーマス。
トーマスは昨季、第2戦のBMW選手権を制し、最終戦をランキングトップで迎えました。しかし、最終戦の結果は3位タイで、シーズン順位を3位で終えています。
最終戦は逆ハンディで競技開始
最終戦のツアー選手権では、それまでのポイントランキング順にアドバンテージ(逆ハンディキャップ)が与えられます。
それぞれ、以下のスコアからのスタートになります。
1位 10アンダー
2位 8アンダー
3位 7アンダー
4位 6アンダー
5位 5アンダー
6~10位 4アンダー
11~15位 3アンダー
16~20位 2アンダー
21~25位 1アンダー
26~30位 イーブンパー
そして、この大会の最終順位がそのままフェデックスカップのシーズン順位になります。
一昨年までは最終戦も獲得ポイントを争う形式で、一般にはシーズン順位の動向がわかりにくかったものを一目瞭然で見せるための工夫です。
※上掲の画像は、レギュラーシーズンのポイント2位、今季唯一のメジャーとなった全米プロを制したコリン・モリカワ。昨年は第2戦までの出場でした。
年間王者は1500万ドルの賞金ゲット
昨年のツアー選手権はトップ(10アンダーからのスタート)のトーマスを、5位(同5アンダースタート)のロリー・マキロイが逆転し、2度目の年間王者に輝きました。
ところで、プレーオフでしばしば話題になるのが、莫大な賞金額です。
第2戦まではメジャーやWGCよりやや少ない、賞金総額950万ドル(1ドル=100円で、9億5000万円)、優勝166万5000ドル(同1憶6650万円)。
しかし、最後のツアー選手権では、総額6000万ドル(60億円)が用意され、優勝者=年間王者に1500万ドル(15億円)がプレゼント。
同2位には500万ドル(5億円)。以下、徐々に減額され、10位には83万ドル(8300万円)、最下位の30位でも39万5000ドル(3950万円)が分配されます。
ここまでで総額4500万ドル。残り1500万ドルは、31位~125位のシード選手、さらには翌シーズンのシード権を失うことになる126位~150位の選手にも、順位に応じてプレゼントされます。
ちなみに、126位~150位には各7万ドル(700万円)のボーナスが配られます。
※米ツアーは、19/20年シーズンのシード権を20/21年シーズンまで持ち越し。
さて、今年、最後の4日間で15億円の大金をゲットするのは、いったいどの選手でしょう。