プロゴルファー
こせきよういち
フィルはいつだってフィルらしく~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#142
先週から今週にかけ、ネット上で何度も目にしたのは、いかにもフィル・ミケルソンらしいというプレーでした。
フィルらしく、どんなに難しいライからも果敢にグリーンを狙い、そして見事に成功させたシーン。
さっそくご覧ください。
砂利の上のボールをインテンショナルに超スライス
まずは、先週の米ツアー競技「シュライナー・ホスピタルズ」で見せた驚きのリカバリーショットから。
フィルのボールは、ホール左サイドのカート道路のさらに奥、荒地=砂利の上にありました。
そのボールをフィルは、救済のドロップ(スタンスがカート道路にかかる)でも、安全にフェアウェイ方向に出すでもなく、フェアウェイウッドでインテンショナルに90度近いスライスをかけ、そして200ヤード以上先のピンを直接狙ったのです。
普通にフェアウェイ上にあっても難しいプレー。
並のプレーヤーにはイメージすらできないのでは?
ブッシュの中のボールをドライバーでヒット
Phil Mickelson's ball landed in a bush.
— PGA TOUR (@PGATOUR) October 7, 2019
What club did he use?
Driver, of course. pic.twitter.com/dJOidp9EDg
次も先週の「シュライナー・ホスピタルズ」で話題になった奇想天外ショット。
ボールはやはり、フェアウェイ左サイドのカート道路脇のブッシュの中にありました。
ここでもフィルはアンプレヤブルにするでも、フェアウェイ方向に短く出すでもなく果敢にグリーンを狙います。
しかも、選んだクラブは最も扱いにくいはずのドライバーでした。
その理由をフィルは、「フェイス面の高さが欲しかったからさ。ボールはブッシュのなか、地面から30センチほどのところに止まっていたので、フェイス面の高さがない3番ウッドやアイアンだと空振りの恐れがあったんだ」と解説。
そして、この一打の結果は?
「フェアウェイのグリーン手前、50ヤードまで飛んだ。そう、上手くいったんだ」
お見事です!
さすがフィル 一振二球!
Follow the bouncing ball.@PhilMickelson gets hit by his ball after trying to advance it right-handed during the 2010 @HouOpenGolf.#TOURVault pic.twitter.com/0I9DrBhoWU
— PGA TOUR (@PGATOUR) October 8, 2019
最後は、今週開催の米ツアー競技「ヒューストンオープン」の2010年大会で見せた、とっても“ミラクル”な一打です。
ボールは、今度はフェアウェイ右サイドのカート道路の奥のブッシュ(当時のラテラルウォーターハザード内)の中。
ここでも救済のドロップ(1打罰)は選ばず、そのまま右打ちでリカバリーを試みます。
もともと右利きのフィルは右打ちでもアンダーパーで回れるくらいの腕前で、自信があったのでしょう。
ところが、結果は……。
ヘッドを振り抜いたブッシュの中からは、なんとボールが2個飛び出したのです。そして、うち1個がフィルの脚に当たる(当時は1打罰)という驚きの展開に。
このあとフィルは再度ハザード内に戻ったボールを「ラテラルウォーターハザード」からの救済(1打罰)で処理することになりました。
フィルも、たまには失敗するのです。