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プロゴルファー

こせきよういち

フィルはいつだってフィルらしく~世界のゴルフ界の面白情報を拾い読み#142

先週から今週にかけ、ネット上で何度も目にしたのは、いかにもフィル・ミケルソンらしいというプレーでした。

フィルらしく、どんなに難しいライからも果敢にグリーンを狙い、そして見事に成功させたシーン。

さっそくご覧ください。

砂利の上のボールをインテンショナルに超スライス

まずは、先週の米ツアー競技「シュライナー・ホスピタルズ」で見せた驚きのリカバリーショットから。

フィルのボールは、ホール左サイドのカート道路のさらに奥、荒地=砂利の上にありました。

そのボールをフィルは、救済のドロップ(スタンスがカート道路にかかる)でも、安全にフェアウェイ方向に出すでもなく、フェアウェイウッドでインテンショナルに90度近いスライスをかけ、そして200ヤード以上先のピンを直接狙ったのです。

普通にフェアウェイ上にあっても難しいプレー。

並のプレーヤーにはイメージすらできないのでは?

ブッシュの中のボールをドライバーでヒット

次も先週の「シュライナー・ホスピタルズ」で話題になった奇想天外ショット。

ボールはやはり、フェアウェイ左サイドのカート道路脇のブッシュの中にありました。

ここでもフィルはアンプレヤブルにするでも、フェアウェイ方向に短く出すでもなく果敢にグリーンを狙います。

しかも、選んだクラブは最も扱いにくいはずのドライバーでした。

その理由をフィルは、「フェイス面の高さが欲しかったからさ。ボールはブッシュのなか、地面から30センチほどのところに止まっていたので、フェイス面の高さがない3番ウッドやアイアンだと空振りの恐れがあったんだ」と解説。

そして、この一打の結果は?

「フェアウェイのグリーン手前、50ヤードまで飛んだ。そう、上手くいったんだ」

お見事です!

さすがフィル 一振二球!

最後は、今週開催の米ツアー競技「ヒューストンオープン」の2010年大会で見せた、とっても“ミラクル”な一打です。

ボールは、今度はフェアウェイ右サイドのカート道路の奥のブッシュ(当時のラテラルウォーターハザード内)の中。

ここでも救済のドロップ(1打罰)は選ばず、そのまま右打ちでリカバリーを試みます。

もともと右利きのフィルは右打ちでもアンダーパーで回れるくらいの腕前で、自信があったのでしょう。

ところが、結果は……。

ヘッドを振り抜いたブッシュの中からは、なんとボールが2個飛び出したのです。そして、うち1個がフィルの脚に当たる(当時は1打罰)という驚きの展開に。

このあとフィルは再度ハザード内に戻ったボールを「ラテラルウォーターハザード」からの救済(1打罰)で処理することになりました。

フィルも、たまには失敗するのです。